【架空卓球エンタメ批評】六本木が舞台の卓球ドラマ『APPEL GLEN』

 

WOWOWでいま話題沸騰中の卓球ドラマ『APPEL GLEN』(アペル グレン)。
まだ放送中で完結はしていないが、ホットなうちにその感想を書いておきたいと思う。

この作品は原作ありきではなくオリジナル脚本なんだけれど、その脚本を担当するのは、2年前に『パパはオランウータン』で日本アカデミー賞の脚本賞を獲った鬼才・里田次郎。

【作品概要】
学生時代に県チャンピオンだった遊川元希(ゆかわもとき)は、高校卒業後の就活であらゆる卓球メーカーを受けるが全滅。ひょんなことから、六本木にある日本初の高級卓球ホストクラブ『APPEL GLEN』でキャストとして働くことになる。
なにをやってもダメダメな卓球ホストが、様々な困難を乗り越えナンバーワンを目指して成長していく物語。

まずこの設定に思わずやられたと思った。
思いつきそうで思いつかない絶妙なところをせめているのがナイスである。

このドラマはストーリーの繋がりはあるが基本的に1話完結の構成になっているんだけれど、これまで放送された話の内容としてはこんな感じ↓

第1話
とある県の学生チャンピオンだった遊川元希は、卓球の仕事に就きたいという夢を抱いて上京する。卓球メーカーに狙いを定めて就活するも全滅。卓球ショップのアルバイトの面接でさえも、「君はオドオドしてるし、笑顔もぎこちないから接客業には向いていない」と言われて落とされてしまう。
ヤケになっていたところ、『APPEL GLEN』のナンバーワン卓球ホスト・輪怒(リンド)と出会い、年収4000万円と聞いた瞬間に「これだ!」と直感。輪怒の紹介でキャストとして入店し、卓球ホスト・聖夜(セイヤ)として新たな人生のスタートを切る。

第2話
『APPEL GLEN』のナンバーツーホスト・鬼頭神(きとう・じん)は、ナンバーワンになるためには手段を選らばない男。高いお酒をやたら注文させたり、用具を強引に売りつけたり(お店では用具も売っている)、とにかく客にお金を使わせまくる。輪怒が可愛がっている元希(聖夜)を目の敵にしており、ヘルプにつく度にお酒を無理やり飲ませて潰しにかかってくる。そのことが引き金となり、ある日ナンバーワンとナンバーツーの大喧嘩が勃発する。

第3話
小動物系のかわいい人気卓球ホスト・コウキ(20歳)。年上女子の客に弟のように可愛がられるようになるが、その愛情が日ごとにエスカレートしていく。毎日のように同伴やアフターで卓球に付き合わされ、ついに女はストーカーになる。
元希(聖夜)は仲良くしてもらっているコウキのために、その女性客に卓球勝負を挑むことに・・。

第4話
40歳のうだつの上がらない卓球ホスト・玄静(ゲンセイ)は、学生時代、青春のすべてを卓球にかけて努力したにもかかわらず、たいした成績を残せずに終わってしまった。なんとか一旗あげたいと思い卓球ホストになるが、客には冷たくあしらわれ、後輩ホストにもバカにされ、芽が出ないまま40歳になってしまった。ある日、玄静は起死回生のアイデアを思いつき、大勝負に出るが・・。

 

こんな感じなんだけれど、個人的には最新話の第4話がよかった。
ホストたちの名前はもちろん卓球選手にちなんでいるわけだが、玄静という源氏名にまずグッときた。元希(聖夜)の協力のおかげで初めて売上トップ10入りを果たしたラストシーンでは、私も思わず涙してしまった。
ただ、玄静が40歳の設定であるのに、いくら名優とはいえ、遠藤憲一が演じていたのには「さすがに無理があるだろ」と思ってしまった。

このドラマの見どころはいろいろとある。
ゴージャスかつエレガントな店内にはオシャレな卓球台が2台あり、お気に入りのホストと打てるわけだが、ダブルスを組みたい場合は「ダブルス指名料」を払わなければいけない(対戦相手はヘルプのホスト)など、卓球ホストクラブならではのシステムが面白い。

他にも、キャストが客に触れることは禁止されているが、「客が持参したマイラケットへのおさわりはオッケー」というルールがあるなど、コメディ的な面白さも随所にちりばめられている。

まだ完結はしていないが、これからの展開にも大いに期待できる卓球ドラマ『APPEL GLEN』。
おすすめ度は高い。
地上波放送であればもっと多くの人が観られるのになあと思うと、そこだけがちょっと残念である。

2 件のコメント

  • 私も毎週見てますが、面白いですよね。
    卓球シーンも本格的なフォームなので役者さんたちはかなり練習したのでしょうね。感心します。
    鬼頭がイヤなやつ過ぎますが、それと自分が同じ戦型というのがまたイヤな気分になります(笑)
    今後の展開がほんとに楽しみです。

    • しーさん
      おー、観ておられますか、WOWOWで。
      私も役者さんたちの打ち方がうまいなと感心していましたが、どうやら元ナショナルチームのコーチが監修を務めているようです。

      鬼頭はやな奴ですよねえ。
      まさか金髪にピアスをした濱田岳くんがあの役を演じるとは・・度肝を抜かれました。
      私は一番好きなキャラかもしれません 笑

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。