東京五輪に向けて～張本選手の練習相手問題と許昕代表入りの危うさ～

連日興奮しっぱなしだった世界卓球が終わっちゃって、ワン・ツォンイーロスに陥っているところなんだけれど（マニアックなロスやな）、今回の世界卓球は今まで観た世界卓球の中で一番面白かった。

印象深い試合がてんこ盛りだったんだけれども、個人的に劉詩文が準決勝で負けたのはショックだった。
これだけの選手が世界卓球でもオリンピックでもチャンピオンになっていないという事実がなんだか切ない（オリンピックはシングルスに出場すらしていない）。

しかしダブルスでは見事に連覇を達成した。
前回は朱雨玲と組んで、今回は丁寧と組んでの優勝。

ヤワラちゃんこと谷亮子さんは「田村で金、谷でも金」という名言を残したが、劉詩文は「朱雨玲で金、丁寧でも金」である。

ダブルスのスペシャリストの称号は得た。
次こそはシングルスのテッペンを期待したい（日本選手以外が優勝するならってことだよ）。

許昕は東京五輪に選出されるのか？

今大会、ワン・ツォンイー（ポーランド）との中ペン対決を制し、全世界の卓球ファンを興奮させた許昕。

準々決勝では林高遠（中国）を相手に、最終ゲーム５－１０の絶体絶命の大ピンチから逆転勝ちをおさめた。

ちょっと前に劉国梁総監督が、東京五輪では許昕のメンバー入りは濃厚だと話していたが、今回の世界卓球を観ていて、許昕の東京五輪出場はだいぶ怪しくなってきたのではないかと感じた。
以前のような圧倒的な強さがないからである。

団体戦でのダブルスということを考えても、サウスポーの林高遠が選ばれる可能性はある。
あるいはジュニア世代の怪物サウスポー・王楚欽あたりが力を付けてきたらこれまたやっかいな存在になる。
さらに中国サウスポーの実力派と言えば周雨もいる。

サウスポー争いも熾烈だが、もちろん他にも梁靖崑とか、脅威となる若手はいる。

３年後に３０歳になってピークを過ぎた許昕より、力を伸ばし、許昕の実力を上回った若手が代表の座を射止める可能性は大いにある。

しかし私はやっぱり許昕が見たい。

裏面打法の技術を鍛えて、両ハンドをブンブン振りまくるニュー許昕となることが許昕の新たな可能性なのではないだろうかと、私は勝手に思っている。

若手たちをぶっ倒して、ぜひ東京に来てください（祈）

これからの張本くん

世界中に衝撃を与え、将来世界チャンピオンになる匂いがプンプンの張本智和選手。

これからさらに力をつけて圧倒的な強さになるであろう張本選手だが、中国選手を倒す実力を身に付けることを考えた場合、ひょっとしたら問題となるのではないかと思うのが「練習相手問題」である。

日本卓球のレベルはどんどん上がって来ているのは間違いないのだけれど、中国選手を倒すくらい強くなるためには、世界トップレベルの実力となった張本選手が、自分と同程度の実力を持つ選手たちと毎日練習する必要があるのではなかろうか。

中国卓球界には怪物級の選手が何人もいて、最高に質の高い練習が毎日できるから怪物の中の怪物となる選手が誕生するのだと思う。
馬龍や樊振東のように恐ろしいほどの実力があっても、その練習相手となる怪物選手（チームメイト）が周りにいるからこそさらに強くなるわけである。

そう考えると、将来の張本選手の周りには、いくら日本選手が強いとは言っても、中国チームのように怪物級の選手がゴロゴロというわけにはいかないだろうから、絶対的な強さを得るためには練習相手問題がネックとなるような気がする。

練習環境にアドバンテージがあるライバル中国選手を超えるためには、さてどうすれば？

それはもう、張本選手に触発された若手たちが常識外れのスピードで成長し、日本卓球界にも世界トップレベルの選手がゴロゴロ、ってな状況になるしかないではないか。

頼むよ若手。
頼んだよ宇田（幸矢）くん！

粒揃いの中国の中でシュシンが生き残れるかは怪しいところですよね。フットワークも衰える頃でしょうし。ただ、大舞台で世界最強のペンを見たいという気持ちはやはり強い人が多いでしょう。
張本君の練習相手の事は考えた事がありませんでした。レベルでいうと吉村、丹羽、水谷選手達と同レベルの功績があるんですから、そういう人達と打てないのは可哀想ですね。