中国もこれからはサッカーの時代? いや、これからも卓球のはずである…

中国の人気スポーツと言えば、そう、卓球である。

中国人に聞いても日本人に聞いてもインド人に聞いても、そう答えるはずである。
 
中国卓球のプロリーグの超級リーグは超人気、ゴールデンタイムに卓球中継があり、中国国内で卓球選手はスーパーヒーローで大金持ち、のはずである。
 
しかし今後、中国では卓球の人気がサッカーに奪われるかもしれないというのだ。
中国では、政府主導でサッカーに力を入れようとしているという。
 
 
2015年2月19日、独ラジオ局ドイチェ・ヴェレは「中国人にとってお家芸と言える卓球が、サッカーにその座を奪われようとしている」という英紙デイリー・ミラーの記事を紹介した。背景には中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席のサッカー熱があるとみられ、「中国人が将来的な目標として世界王者を見据えている」と伝えている。
 
記事によると、中国では現在、政府主導のサッカーブームが起きており、これにはサッカーファンと言われる習国家主席の意向が反映されているようだ。昨年11月、中国の教育当局はサッカーを学校のカリキュラムに組み込むと発表。17年までに全国2万校にサッカーのトレーニング施設を新設し、サッカー人口を新たに10万人増やす方針だ。この他、サッカーを大学入学試験の科目に入れるとの案も出されており、教育を重視する保護者の関心は高い。13億人もの人口がいると言われる中国でサッカー人口は依然不足しており、少数のエリート育成では足りないと政府はみているようだ。
 
 
学校のカリキュラムに組み込むってすごいね。
「国語・算数・理科・サッカー」ってことでしょ。どえらいねこれは。
 
習近平国家主席がサッカー大好きだったとは。まさに鶴の一声?
さすが一党独裁の……(これ以上はお口にチャック)。
 
中国サッカーに対して、「強い」というイメージはないし、中国国内で人気のスポーツだという印象もない。
実は日本のJリーグが始まった翌年の1994年に中国のプロサッカーリーグは開始していたようで、そんな前からやっていたのかと意外に思ったのであるが、それでもサッカーが盛り上がっているような様子は感じられなかった。
 
けれども今後、政府が中国サッカー界をリードしていくとなると、その状況は一変するかもしれない。
人口の多い中国で、ブラジルのように小さい頃からサッカーボールが身近にあるような環境になれば、とんでもないスター選手が現れるかもしれない。
サッカー大国中国? うーん、これは恐るべしだ。
 
 
しかも、いま中国では、卓球よりバドミントンの方が人気があるという噂も聞く。
中国バドミントンがめちゃくちゃ強いのは知っていたが、まさか卓球からその座を奪うほどの人気となっているなんて……
 
「中国卓球と人気」という課題では、何も他のスポーツとの争いだけが問題となっているわけではない。
 
2月6日に中国で、中国チームのコーチ陣やスタッフ、マスコミの代表などを集め、中国卓球の発展を考える座談会が行われたという。
そこで話し合われたのは、圧倒的に強い中国という存在が、人気と普及の両面でマイナスとなっていると言われている現状について。
 
中国代表の劉国梁総監督は「オリンピックの4枚のメダルのうち、中国は何枚取るべきか。中国が敗れることが、本当に卓球の普及につながるのか」(卓球王国4月号・23頁より抜粋)と語ったという。
 
何ともせつない話題ではないか。
 
中国卓球が強くて何が悪い。中国が強いから面白いのである。
近年卓球界を引っ張って来たのは中国ではないか。
スタープレイヤーを次々と生み出し、技術を発展させた。
それを何ですか、「強すぎるのが問題である」なんて。
 
メダルを何枚取るべきか、なんて悩まなくてよし。今まで通り全部取ってやるという気持ちでやればよいのである。
そんな全力ガチの中国に対抗できる国がいくつか出て来た時に、より卓球界は盛り上がり、人気と普及の両面でプラスとなるはずである。
 
だからそんな声は気にせずに、国内で人気スポーツであり続けるための戦いの方をがんばってもらいたい。
 
卓球をもっとメジャーなスポーツに! と卓球界全体で頑張っている中で、中国国内で卓球人気が低迷するなんてことになったら、卓球界の未来は暗いではないか。
 
強くて人気のある中国卓球を日本が倒す。
これが我々の夢なのです。
 
 
ということで中国卓球界の皆さん、他の人気スポーツに負けないでおくれ!
 
PS
サッカーと卓球を合体させた「ヘディング卓球」というスポーツが海外で人気となっているそうだが、いくらこのスポーツが人気になろうとも、卓球界にもサッカー界にも特に影響を及ぼしそうにないので、まったく気にする必要はない。

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