世界の技 見て学ぶ!世界のトップ選手のハイテクニック

本日ご紹介する卓球本はこちら!
 
2002年に卓球王国から発売された本で、著者は卓球理論家・高島規郎さんである。
 
本書に載ってる高島さんのプロフィールはこちら↓
 
元全日本ナショナルチーム監督、近畿大助教授。現役時代は華麗なカットで「世界でもっとも美しいカットマン」と称され、75年世界選手権で3位、全日本選手権でも3度の優勝を飾った。指導者としても卓越した卓球理論で、全日本チャンピオンの松下浩二、世界選手権メダリストの武田明子・川越真由(現姓岸)組のコーチを務めている
 
 
15年ほど前の世界のトップ選手たちの技術を、オールカラーの連続写真で紹介している本である。
 
メンツがこれまたすごくて、女子は、王楠、張怡寧、牛剣鋒、林菱、羽佳純子など。
男子は、ワルドナー、ガシアン、パーソン、セイブ、プリモラッツなどのレジェンドや、孔令輝、劉国梁、王励勤などの中国のスター、さらに若き日のボルやサムソノフまで、なんとも豪華な顔ぶれであります。
 
ちょっこし抜粋してみます。
 
まずは、楊影(ヤン・イン)
ペン表ソフトで裏面打法も使う女子選手。
 
攻撃的なプッシュショート
40㎜ボール時代、ドライブに対してブロックだけでは勝てない。

ペンホルダー選手はカウンタープッシュを積極的に使うべきだ。

相手(王楠)のバックハンドドライブとフォアハンドドライブに対する楊影のショートの連続写真。相手がドライブを打ってきた時に、従来の中国のペンホルダースタイルは、⑪の構えからブロックをしていたが、40㎜ボールになってからハーフボレーのようなプッシュショートで返すことが多くなっている。
しかも、体全体を使ってこれ以上腕が伸びないような形でプッシュショート。中国の速攻選手が連続的にこういう形でプッシュするのは、今まであまり見られなかった。
40㎜ボールに対して、ただショートするだけでは勝てない。相手にドライブをさせてカウンターショートで得点しようとする表ソフト速攻型の新しい作戦と技術である。

 

そしてこれが楊影の「強烈なプッシュショート」だ。

TRW9Y7H7

LXXSKK02

 

ハーフボレー(シェークのバックハンド的な打ち方)のようなショートになってるところに注目です。
 
 
続いて、チャイニーズ・タイペイの蒋澎龍(チャンポンロン)
片面ペンドラのスター選手ですね。
 
回り込みドライブ
上半身と下半身を分業化させて、ミドルのボールをパワードライブで返す。
 ショートしたあと、バックサイドの厳しいところをつかれているが、もう一度バックショートを使うのではなく、回り込んでドライブする蒋澎龍。ひじをたたんで、コンパクトに振っている。
 従来の日本のペンホルダー選手は、回り込んだ時に左足が横に流れるが、蒋澎龍は⑬から⑮にかけて左足一本で踏ん張り、上半身はしっかりひねっている。つまり、下半身は回り込みながら、そこで踏ん張り、上半身はひねりながらスイングする、というように分業化されている。それによって、下半身の崩れを防ぎ、次にフォアをつかれた時でも飛びつくことができる。
 こういう状態で威力あるボールを打つことは難しいのだが、蒋はこのコンパクトなスイングでも威力を出せるし、打球点も高い。
< span style=”font-size: medium;”>  蒋は185㎝の身長だが、この写真のようにバランス良く、柔らかく体を使い、コンパクトなスイングで打てるというテクニックを持っている。
(クリックしたら大きくなります)

L22U9RCK

 

とまあ、こんな感じでスター選手の技術をあれこれ解説しているのであるが、今はネットで動画も簡単に見られる時代なので、気になった選手の動画を見ながらこの本を開けば、より一層楽しめると思う。
 
本の出版はボールが40㎜になってすぐの頃なので、40㎜ボール時代に必須のテクニックについての解説も多い。

こういう記述は時代を感じるが、今の選手が改めて参考にしてみる価値があるものだと思う。

高島さんの考察の鋭さに舌を巻きながら、存分に楽しめる本でした。

 

ちなみにこの本、けっこうデカくて、卓球レポートより少し小さいくらいのサイズです。

ということで本日は以上です。

それではまた。

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