強烈なバックハンドを生み出す「浅いグリップ」

 

前回の記事で高島規郎さんの著書『卓球 世界の技―見て学ぶ!世界のトップ選手のハイテクニック』を紹介したんだけれど、その中で、ヨルゲン・パーソン選手についての興味深い情報があったので、これをもとに色々と考えてみたいと思う。

 

パーソンと言えば、ワルドナーと共に80年代後半から90年代中盤にかけて、スウェーデンの黄金時代を築き、91年には世界チャンピオンにも輝いている超スーパースターである。

 

前陣・中陣・後陣のどこでもプレーできるオールラウンドタイプで、長身を生かしたパワフルなドライブとフットワークはもちろんだが、台上の細かい技術も抜群にうまい。

 

そんなパーソンについて、高島さんはこう語っている。

 

❝グリップは彼の手首の柔らかさを最大限に生かし、より手首を活用できるようにかなり浅く握っている。前陣でも中陣でも、1球1球に手首が活用されているのが特徴で、フォアハンドドライブは左右に広角に曲がって入っていく❞

 

確かにパーソンのドライブは強烈に曲がっている印象がある。

 

この曲がるドライブや台上技術のうまさには「グリップを浅く握る」という秘密があったようだ。

 

そしてこれが、パーソンのグリップの写真です。


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浅~~~~~い!(スピードワゴン風)

 

実に浅い(湯川学風)

 

相当浅く握ってますな、パーソンさん。

 

このグリップがパーソンの特徴的なボールを生み出すポイントのようだが、その中でも特に注目なのはバックハンド技術だ。

 

パーソンの必殺技と言えば、なんと言っても「バックハンドスマッシュ」である。
一撃で仕留める強烈なバックハンドは当時、「コブラスマッシュ」などとも言われていた。

 

体が大きいからパワーがある、というのもあるだろうが、それを差し引いても超強烈なバックハンドスマッシュであると言える。
この強烈バックハンドスマッシュを可能にするのも、グリップの浅さに秘密があったのだ。

 

スナップを目一杯に利かせてバチンと弾くわけですな。

 

現代の男子選手は、バックハンドで決めに行く時は基本的に「バックハンドドライブ」である。

 

しかーし!

 

そんな今だからこそ、パーソンのような弾いて打つバックハンドスマッシュが有効な技術となるんじゃないだろうか。

 

では、「グリップが浅くて手首が柔らかい」という点に注目して、パーソン選手の試合をご覧ください。

 

 

どうですか?
もはや「手首がぐにゃぐにゃな人」にしか見えませんね(言い過ぎ)。

 

ここでもう1つ注目のポイントは、「バックハンドドライブ」です。


(動画の4:35あたりからの劉国梁とのラリー)。

パーソンはバックハンドドライブを打つときも、独特のグリップを生かして手首を大きく使って打っている。

 

これによって、コンパクトなスイングではあるが、回転量の多いバックハンドドライブが打てるというわけだ。

 

バックハンドドライブやバックハンドの強打がうまくいかないという人は、試しにグリップを浅く握ってやってみるのはどうでしょうか?

 

でもペンの場合は、あんまり浅く握るとスッポ抜けちゃうかもしれないから注意してね!

 

いま、ふと思ったんだけど、「コブラスマッシュ」という表現は、コブラの猛毒のように強烈なバックハンド、という意味だと思っていたが、それに加え、パーソンの手首の柔らかさをコブラの体の柔らかさに重ねているのかもしれない(たぶん違う)。

 

ということで、本日は以上です。

2 件のコメント

  • はじめまして。
    近年、グリップのことを取り上げるブログがほとんど無く、用具ばかりに焦点が
    当てられる風潮に、釈然としない想いを抱いておりました。
    パーソン選手のグリップは往年の名プレーヤーであるステラン・ベンクソン選手に
    似ていますね。ベンクソン選手はもう少し人差し指の指先を曲げ、ブレードの縁を
    しっかり保持するような持ち方でしたが。
    時々で構いませんので、これからもこういった記事をお願いします。

  • 不滅の表ソフトさん
    コメントありがとうございます!
    用具も重要だけど、それ以外の部分での工夫が大事だと私も感じています。
    ベンクソン選手のグリップも似ているんですね。知りませんでした・・。
    往年の名プレーヤーからは学ぶことがほんとに多いと思います。
    こういった記事もできるだけアップできるよう頑張ります!

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