『ワルドナー伝説』の後編です。
本書 の第2章は主に、ワルドナーの国際大会での軌跡について書かれている。
16歳(82年)の時のヨーロッパ選手権準優勝から始まる長いストーリーは、35歳にしてシドニーオリンピックで銀メダルを獲得するまで続く。
誰も成し得なかった超人的な活躍の道程を見ると、改めてワルドナーという男の偉大さがわかる。
ゴルフが好きすぎる!
そして第3章では、結婚観や家族のこと、さらには趣味のことまで、ワルドナーのプライベートライフについて触れている。
ワルドナーは無類のゴルフ好きで、シーズンオフの休暇は、ほとんどがゴルフ場で費やされるほどハマっているのだという。
ワルドナー以外のスウェーデン選手も皆ゴルフが大好きで、スウェーデンのナショナルチームの合宿の時、ゴルフの全英オープンの最終日のテレビ中継があるからという理由で、トレーニングの時間を変更してしまうこともあったのだとか。
ちなみにワルドナーがゴルフをする時はサウスポーになるらしいです。
ワルドナーへの63の質問
ワルドナーから10のメッセージ
ひとつだけ抜粋します。
③リラックスしたテクニックを身につける
卓球は、強くなるためには途方もないくらいの練習量が必要なスポーツだ。
常に可能な限りリラックスした状態でプレーすることを心がけよう。締めつけるような緊迫した場面でも、リラックスした状態でプレーできるようになれば、得点するチャンスは増える。また、リラックスした打法、余分な力の入っていないテクニックというのは、故障の発生を減らすこともできる。
私自身のことを言えば、リラックスした状態でのプレーを心がけたことで、今までも大きな故障を避けることができたし、それが長い間、世界のトップクラスを維持できた大きな理由のひとつだと思う。
野球のイチロー選手もそうだけど、長く活躍し続けられる選手というのは、大きなケガをしないように思う。
ワルドナーの場合、その秘密は「常にリラックスしてプレーする」ということだ。
リラックスプレーの良い影響は、その試合だけのことではなく、長期的に見て、故障しにくい体でいられるというメリットがあるというのは、ワルドナーならではの視点であり、それを体現している選手だけに非常に説得力がある。
というわけで、2回にわたってお届けした「ワルドナー伝説」であるが、この本が出版されてから後も、ワルドナーは伝説を作り続けた。
先日ついに50歳で引退してしまったけれど、ワルドナーが卓球界に及ぼした影響や築き上げた栄光の数々は、たった一冊の本では足りないだろう。
今後、ワルドナー自身が書いた自叙伝が出版されることを期待したい。
間違っても卓球本より先に、「ワルドナーが伝授する! ゴルフ上達法のすべて」なんて本を出版しないでね! ワルドナーさん!
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