卓球レポートを読む 2016年3月号

 

今月号の目玉はコチラ!

 
【カラー報道】
平成27年度全日本選手権大会
一般・ジュニアの部
 
こちらは、日本中を熱狂させた全日本での戦いの模様を振り返るとともに、活躍した選手のプレーを連続写真で紹介するというもので、プレー解説は、元全日本王者の渋谷浩さんが、水谷隼、石川佳純、吉村真晴、平野美宇のプレーについて解説する。
 
そして次の企画が「インタビュー 水谷隼」である。
 
水谷選手が全日本のことを振り返りながら、新しい技術やコーチとの関係などについて語っている。
 
圧倒的な強さで優勝したように見えた全日本での水谷選手だが、インタビュー記事の冒頭は「今までで1番、自信がなかった。不安の中で優勝できると思っていませんでした」という言葉で始まる。
 
用具や体調に対する不安に加え、若手の成長が期待されている大会ということもあり、いろんな意味で自信がなかったという水谷選手。
 
そんな中で8度目の優勝を飾ることができた要因のひとつが「チキータの進化」である。
 
――苦手と言っていたチキータのバリエーションが増えたことに驚きました。水谷選手の中で、新たな部分を手に入れた実感はあるのでしょうか。
「確かに、これまでは自分が思い描いているチキータはなかなかできませんでした。邱さんと一緒にやるようになって、少しずつ自分のやりたいチキータができるようになってきたという感触はあります。技術的な指導だけではなく、継続して多球練習をやってきた積み重ねが大きいと思います。自分のプレーが、今の世界の基準にようやく近づいてきたというか、これまではどうしても、ちょっと古い卓球だったんですよね。2、3年前に健太(松平。JTB)や丹羽が前陣で攻撃的な卓球をすると言われていたプレーに、ようやく自分が追い付いてきたかなと感じています」
 
このように語る水谷選手だが、チキータの威力が出てきた要因として、練習以外の重要なポイントがあったという。
 練習によってチキータという技術が身に付いてきたことは間違いありませんが、ラバーを64(テナジー64)から80(テナジー80)にしてから、より威力がでてきました。80でチキータをやるようになってから、対戦相手が取れなくなって、これは使えると思いました。オフチャロフ(ドイツ)も『今までの隼のチキータは厳しくなかったけれど、80になってから威力のあるチキータになって返球が難しくなった』と言っていました。僕自身も、ラバーを変える前に比べて質は上がったと思います。80の方が、回転をうまくかけることができますので」

 

そしてお次はコチラ!
 
【カラー技術特集】
水谷隼が明かすV8の勝因
 
この特集では、全日本選手権で効果的だった技術を取り上げ、その理由や技術的なポイントを紹介するというもの。
 
張選手との決勝戦に勝つことができた勝因である「緩急をつけたフォアハンドドライブ」
 
準決勝で積極的に使った「バリエーション豊かなチキータ」
 
全日本を通じて効果的だった「ダブルストップ」
 
この3つの技術を水谷選手自身が解説する。
 
この中から、2種類のチキータ(スピードが速いチキータと横下回転チキータ)をやる時のポイントを、ちょっこし抜粋する。
 
 スピードが速いチキータのポイントは、ボールの正面より少し上を強くこするように打つことです。頂点の打球点を捉えることと、体の正面で打つことを心掛けています。
 横下回転チキータは、頂点から落ちた打球点を狙ってボールの横下をすくい上げるようにこすります。ポイントは、体の左側(右利きの選手は右側)で打つこと。そうすると、ボールの横下を打ちやすくなります。
 
どの技術も正面(あるいは斜め)と横から撮影された2パターンの連続写真が掲載されているが、特にチキータの連続写真は、肘の角度や手首の使い方などがはっきりとわかるので、とても参考になると思う。
 
水谷選手は他にもいくつかチキータのバリエーションがあるとのことで、世界卓球ではどんなチキータをくり出すのか、そのあたりにも注目ですな。
 
 
この特集の次は、レギュラーコーナーの『水谷隼の卓球』と続き、まさに水谷づくしの3月号である。
 
このコーナーで今回、水谷選手が教えてくれるのは、「伸びるナックル性サービス」である。
 
聞き慣れないサービスであり、とても興味深く読んだ。
 
この技術のポイントは2つ。
 
ボールの落下の勢いを使えるよう、トスを高めに上げる
 
打球面を少し立て、ラケットを動かさずにボールの下を打つ
 
詳しい内容はここには書かないが、これがマスターできれば、ここぞという場面で相手を惑わせる強力な武器となることは間違いない!
 
 
ということで、
「卓球レポートを読む」でした。

 

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