カットマンに有効なシュートドライブと伊藤美誠の88キロスマッシュ

日本VS北朝鮮の試合、すごかったですねえ。

グループリーグを1位で通過すれば、決勝トーナメントは準々決勝からの出場となるため、まさにメダルをかけた大一番とも言えるこの一戦。 

北朝鮮の世界ランキングは個人も団体もそれほど高くはないけど、それは国際試合にほとんど出場しないからであって、実際は確実に世界のトップレベルなんだよね。
村上監督も「実力は2位か3位」と言ってるし。

しかも北朝鮮の2枚看板は、日本選手がこれまで苦手としてきたカットマンである。

会場の外の気温は35度以上という真夏のマレーシアで、激アツな試合が始まった。

石川佳純VSリ・ミョンスン

第一試合目は、石川佳純VSリ・ミョンスンというエース対決。

石川選手は昨日のブラジル戦の時に、監督から休むかと聞かれ「もっと会場の雰囲気に慣れたいから出る」と志願したという。

私も現役の頃、県外の会場で試合をする時は雰囲気になれず、実力がほとんど出せなかった経験があるけど、これが海外の大会となれば、会場との相性や雰囲気に慣れることが更に難しくて重要になるんでしょうね。

そうして会場の雰囲気にも慣れた石川選手は、1セットを落としたものの、徐々にカットの変化にも慣れていった。

石川選手はり・ミョンスンのことを「守備範囲の広さは世界一」と評価していたが、前後左右に散らして、見事に後略した。

私が特に効果的だと思ったのは、フォアサイドに打ち込むシュートドライブだ。

自分から逃げていくようなボールに、リ・ミョンスンは触ることすらできなかった。

カットボールをシュートドライブするのはかなり高等テクニックではあるが、試合中に数本でも打てれば、対カットマンには抜群の威力を発揮すると思う。

また、石川選手はリ・ミョンスンの攻撃をことごとく返していたことも印象的だった。
リ・ミョンスンは攻撃が決まらないことで動揺してしまい、プレーに乱れが生じていた。

リ・ミョンスンは第4セットで、フォアサービスを出したりカウンター攻撃を狙ったりと、いろいろな技を繰り出して流れを変えようとしたけどうまくいかなかった。

 

それにしても見事な勝利で、解説の宮崎さんも「こんなカットマンに強い石川は久しぶりに見ました!」と興奮気味に話していたほど、完璧な試合であった。


 

ところで、今回の世界卓球では、選手の打ったボールのスピード(初速)を計測するという試みが行われており、アナウンサーがちょいちょいその数値を言ってくれていたが、これがなかなか面白かった。

石川選手のフォア強打は、常に70キロを超えていた。

「74キロのボールです!」
「77キロ!!」
「70キロ超えを連発しています!」

70キロ台というのは、女子選手としてはかなり早い方なんだとか。

このスピード測定はスマッシュやドライブだけでなく、2試合目で福原選手がロビングを手前に落とした時は「今のストップは24キロ」なんてことも言っていた。
※ちなみに福原選手のバックハンドスマッシュは43キロでした。

中国選手のドライブやスマッシュがいったい何キロ出るのか興味深いところです。

伊藤美誠VSキム・ソンイ

2試合目の福原選手もめちゃめちゃ強かったねえ。

宮崎さんも「こんな強い福原を見るのは久しぶりですねえ」と興奮。

今大会の愛ちゃんは何かが違う。
期待しています。

さあそして、もうひとつ注目の試合は、3試合目の伊藤美誠VSキム・ソンイである。

15歳以下の世界ランキング1位の伊藤選手であるが、先日の中国オープンでキム・ソンイに負けている。互角の戦いが予想される。

伊藤選手の強みはなんと言っても精神力

伊藤選手は、
「舞台が大きくなればなるほど楽しくてしかたがない」
「精神力の強さは中国に負けない」
と語るほどの強心臓の持ち主。

この試合でもそれは大いに発揮された。

カット打ちを苦にせず、スマッシュで決めまくっていた。

伊藤選手はスマッシュが得意なのであるが、驚くべきスピードが出ていた。
 
アナウンサー「88キロ! これは男子レベルです!」
 
はやっ!!
 
えげつないですな、ほんと。


結果は3-1で勝利。

ということで、終わってみれば3-0、落としたセットは2セットだけ、という圧倒的な強さを見せつけて日本が勝った。

いやあ、強い。

このままの勢いで決勝まで突き進んでもらいたいですね。

というわけで、本日は以上です。

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