今回の世界卓球は残念ながら男女とも決勝戦で負けてしまったけど、男女揃って決勝戦に進出するのは 71年の名古屋大会以来45年ぶりということで、この快挙は本当に立派です。
しかも会場のほとんどが中国の応援団という超アウェーの中(スポンサー関係の招待客らしい)、本当によく戦ったと思う。
特に日本女子は、中国との差がちょっとではあるが確実に縮まっていると感じた。
石川選手は李暁霞にほとんど勝ちかけていただけに悔やまれる。
ゲームカウント2-0とリードし、3セット目も途中までリードしていたが、李暁霞のサービスのトスが十分に上がっていないと審判から注意を受けた後、李暁霞はトスをかなり高く上げてサービスを出すようになった。
これがきっかけで流れが変わった(と思う)。
そこからポイントを連取され、逆転を許してしまった。
サービスを注意されると、普通は注意された側にとってマイナス(心理的に)に働くものだが、この試合の場合は李暁霞にとってプラスに働いたように思う。
珍しいケースもあるもんだなと思いながら観ていたら、伊藤選手と丁寧の試合でも似たようなことがあった。
伊藤選手は、丁寧の必殺技とも言うべき「しゃがみ込みサービス」をまったく苦にせず戦っていたのだが、途中でトスが上がっていないためフォルトを取られ(これでよくフォルトを取られるので一時期しゃがみ込みサービスを封印していたこともある)、丁寧はしゃがみ込みサービスを封印。
丁寧は普通のフォアハンドサービスに切り替えたのだが、この大きなテイクバックから繰り出される独特のブチ切れサービスの方が、伊藤選手は取りづらそうにしていた。
そのまましゃがみ込みサービスを使ってくれていた方が伊藤選手には都合が良かったように思うのだが、審判からの注意によって、伊藤選手にとってより嫌なサービスに切り替わってしまった。
トスの高さを注意されても、ほとんど同じトスの高さで同じ種類のサービスを出す選手は多い。
だけどもしかすると、トスについて注意された場合、李暁霞のように、審判への当て付けかのごとくトスをかなり高く上げるなど、明らかな変化をつけた方が、レシーバーにとっては心理的に嫌なのかもしれない。
特に自分が負けている場合は、「審判から注意されたのを機に、サービスをガラリと変えてみる」というのも有効な手なのではないだろうか。
トスが低いと注意された選手がいきなり投げ上げサービスを使ったら、やられた方は結構おどろくと思うよ。
サービスに関しては、日本選手で少し気になることが。
伊藤選手のサービスの投げ上げ角度が、かなり手前、自分の懐に投げ込むような
角度に上がっているように見えました。今大会ではフォールトを取られなかった
ようですが、リオの準決勝やメダル決定戦で、突然これを注意されたら。
自分が対戦国の関係者でしたら、要所でその作戦を使うだろうと思います。
不滅の表ソフトさん
確かに日本選手にも、自分の懐に投げ込む角度のサービスを出す選手はいますよね。
オリンピックなどの大舞台になるほどフォルトを取られる影響は大きくなります。
注意をされないように気をつけるのが一番ですが、もし注意をされたりフォルトを取られた時にどのような戦術を取るのかということを考えておかなくてはいけないと思います。