懐かしの卓球雑誌「TSPトピックス」(1993年1月号)


中学生の頃に読んでいた卓球雑誌を大量に実家から送ってもらった。
 
送ってもらったのは去年だが、今になってようやく1冊だけ読むことができた。
それがコチラ!


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「TSPトピックス」の1993年1月号である。
 
表紙は当時小学6年生の小西杏選手(吉田海偉選手の奥さん)。
 
93年1月号は、平成4年度全日本選手権大会・カデットの部の結果が載っているということで、ワクワクしながらさっそく1ページ目を開いてみると、


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 出ました!高橋監史朗選手!
いきなり興奮してしまったが、どれだけの人がこの選手のことを知っているだろうか。
 
男子13才以下で優勝した中ペン表ソフトの選手なんだけれど、当時の私が憧れまくっていた人である。
 
何が凄いって、とにかく卓球がカッコ良かった。
 
日本人が中ペンを使っても「日本人が中ペンを使っている」という感じになってしまうものだが、高橋選手は打ち方や動き方が完璧に中国式だった(中学1年生とは思えないほど)。
 
私は卓球番組のダイジェストで30秒ほど流れた高橋選手の映像を、繰り返し繰り返し100回くらい観た記憶がある。
 
いま動画を検索してみたけれど、やっぱりなかった。
ああ、もう一度観たい。
 
 
で、この大会の女子13才以下のチャンピオンが表紙の小西杏選手なんですね。
 
小西選手はこの年、ホープスに続いてカデットまでも制覇。
同年度の2階級制覇は小西選手が史上初とのこと。
 
そして女子14才以下の準優勝が、卓球界のジャンヌダルクこと四元直美選手(前年度は優勝している)。
カデットでこんな凄い実績があったんですねえ。
おみそれしました。
(漢字が現在の「奈生美」ではなく「直美」となっていたが、理由はわからない)。
 
 
懐かしい顔ぶれに一人でテンションが上がってしまったが、読み進めると、連載コーナーもなかなか充実している。
 
徐寅生・荻村伊智朗監修の「現代卓球技術の研究」や、元世界チャンピオン河野満さんの「河野満の教え方あれこれ」

そして、こんな連載もあった。
「近藤欽司の選手の力を引き出す指導術」
最近はダジャレを連発する陽気な卓球おじさんといった印象のある近藤さんの大真面目な連載である。
 
当時、神奈川県白鵬女子高監督で、インターハイ7回優勝の実績を誇る近藤さんが、豊富な経験をもとにした指導術を語っているわけだが、この1月号では「規則的な練習だけでは技術の幅は広がらない」ということを書いている。
 
日本では規則的な練習(基本練習)の時間が長いが、それは実戦的な練習とは言えない。中国のような不規則性の高い練習を取り入れろと。
 
さらに近藤さんは、個性的な選手を育てるためには、皆が同じような練習をするのではなく、各々の選手に合った個別練習になるように、指導者が内容を改良してほしいと提案する。
 
そのためには指導者が練習の目的や効果を理解させてから初めないといけないが、これがなかなか難しい。
 
近藤さん自身は、一定期間ある練習をやったら必ず選手に感想を聞くようにしているという。
たとえば、インターハイが終わったあと、それまでの練習が効果的だったか、レポートを書かせる、といったことをやっているそうだ。

指導者がいくらいい練習だと思っても、本人はあまり効果的ではないと思っている場合があるからだ。

選手との信頼関係ができていないと「ウザイなあ」と思われてしまうかもしれないが、あの近藤さんであれば、日頃からうまくコミュニケーションをとっていたのだろうと思う。

「選手に感想を聞く」というのは、確かに有効な手段なのかもしれませんな。
 
 
 
気になったページについて書いているとキリがないのでこのへんでやめるが、最後にひとつだけ。
 
全日本選手権7度優勝の星野美香さんに関する連載がこの号から始まっているのだが、それを書いている(写真と文)のが、今野昇さんであった。
卓球王国の編集長ですね。
 
王国以前はTSPトピックスで編集人をやってたんですね。知らなかった。
 
とまあ、こうしたちょっとした発見も昔の雑誌を読む楽しみのひとつです。
 
 
アマゾンなどで検索すると、けっこう昔の卓球雑誌が出てくる。
たまにはこういうのを読んでみると、今の若い選手にも参考になることは多いと思うので、おすすめですよ。

 

4 件のコメント

  • こんにちは。僕もこの号持ってますよ。当時のTSPトピックスは卓球界の内情なんかも載ってて好きな雑誌でした。
    20年 以上の卓レポやトピックスを保存してあり、たまに読むと今でも参考になります。
    そんな時、卓球の根幹て今も昔も変わらないと思ってしまうんです

  • オガさん
    コアな情報が乗ってるんですよね、この雑誌!
    今の選手でも間違いなく参考になると思いますね。
    普遍的な「卓球の根幹」それこそが「卓球の神髄」なんだと思います。

  • 高橋選手懐かしいですね。15年くらい前に当時中学生だった生徒が高橋選手と全日本で対戦した時に大きな山を越えられた気がしました。
    因みに近藤先生とは3日前に大阪でお会いしました。指導者現役バリバリで多球してはりました。 私のチームに近藤先生の教え子がいましたが、当時は体罰も普通にあったそうです。ってか、目の前で見ました。笑 それでも慕われているのは愛の有る指導だったのでしょうね。

  • カントクさん
    おお、教え子が対戦されてましたか。
    私にとってはレジェンドのような人です。
    近藤さんの多球、見てみたいです^^。
    どんなに厳しくしても慕われるというのは指導者として素晴らしい資質ですね。
    ずっと現役で多球とダジェレをやり続けてほしいものです(笑)。

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