今回ご紹介する卓球雑学は「サービス」について。
卓球のサービスはこれまでに何度かルールが変わってきたのであるが、その昔、ルール改正のきっかけとなった「フィンガースピン・サービス」という、えげつないサービスがあったのです。
フィンガースピン・サービス
ラケットを持たない方の手の指fingerで、ボールにさまざまな回転(スピン)を与えて出すサービス。世界で最初のフィンガースピンによる超強力サービスが1937年の世界選手権で出現し、大会後に禁止になった。
(補)フィンガースピン・サービスを開発した米国チームは、大会地オーストリアへ向かう船中でもフィンガーの特訓を行い、男子団体戦で世界一となった。
column “サービスエース”はほどほどに
1937年のフィンガースピン・サービスによるアメリカの優勝は、強力サービスが勝利への近道であることを示す<世界最初>の出来事であった。あまりにも強力なサービスが出現したら、ルールを改正する、ということの始まりでもあった。「サービスエースはほどほどに」という方向へルール改正が繰り返し行われるようになる最初の出来事である。
(藤井基男著/『卓球まるごと用語事典』より)
ボールを握ったままサービスを出してもよい時代だったので、こんなマジシャン顔負けのサービスが生まれたんですねえ。
このサービスのせいでレシーブミスが続出し、ラリーが続かないので観客も見ていて面白くない。ということで禁止になったわけですね。
他にも、サービスエースが多いために禁止となった「ボディーハイド・サービス」というサービスがある。
ボディーハイド・サービス
打球の瞬間を対戦相手に見せないように体(body)で、かくす(hide)サービス。中国で開発され、1980年代初めに国際的に流行したが、これによるサービス得点が多いこと、またレシーバーに打球の瞬間が見えないのはフェアプレーの精神に合わないことから、1983年の世界選手権東京大会の際の国際卓球連盟総会で禁止と決定。「ハイドサービス」と略称で呼ぶ場合もある。
(補)2002年に「サービスの打球の瞬間」が相手に見えるように、とルールが改められ、その中でも小きざみなルール改正を経て、現在にいたっている。
以前、「地球ユース」という国際大会があり、試験的に「サービスは体の前で打球しなければいけない」的なルールを導入したことがあった。
すると、フォアハンドサービスではフォルトを取られてしまうため、全選手がバックハンドサービスを使うという異様な光景となっていた(私が観た試合ではそうだった)。
私は「このルールが正式に採用されたらヤバイな」と思いながら見ていたが、見送られて本当に良かった。
“サービスエースはほどほどに”もわかるが、“ルール改正もほどほどに”ということですね。
【引用書籍】
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