日本人で初めてポーカーの世界チャンピオンになった木原直哉という人がいて、その人の本を2冊読んだ。
『運と実力の間 不完全情報ゲームの制し方』
『東大卒ポーカー王者が教える勝つための確率思考』
卓球にも参考になる部分があるんではないかと思って読んでみたわけだが、期待通りの内容だったのでこの本で学んだことを記事にしようと思っていたんだけれど、話がちょっと複雑でまとめきれないと判断…。
で、その流れでたまたま読んだ本が面白かったので、そちらについて書こうかと思う。
その本がコチラ。
『運を味方にする カジノで一晩10億勝つ人の法則』
片桐ロッキー寛士(著)
著者はラスベガスのカジノで10年以上のキャリアを持つカジノディーラーで、本書は、「カジノディーラーの立場から見た、勝負強い人の共通点と、運を味方にする方法を伝える」という内容。
●運は一つの傾向として現れる
キャリアを積んだディーラーは、客の運の動きがわかるのだという。「今がツイているときだから勝負すべきだ」「ツキがなくなってきたから、そろそろプレーを止めたほうがいい」そういう勘は十中八九当たるそうである。
ブラックジャックならカードの出方を追っていると、ある程度その先の展開が読めてきますし、ルーレットでも同じ番号が連続してヒットするようになると、一つの傾向が出てきたことに気づき、その後の流れが推測できるのです。
・これが、自分でギャンブルをしていると、まったくそういう勘が働かないのが不思議です。やはりゲームの当事者になってしまうと、客観的には物事の流れが見えなくなってしまうのでしょう。
・同僚が自分の仕事に没頭してしまって仕事の順番やタイミングが間違っているのなら、アドバイスすることでありがたがられることもありますし、逆に余計なことを言うなと嫌がられることもあるでしょう。
・私たちディーラーも、お客さんの運を左右することはできませんが、運の流れを見ながら、勝負すべきところと勝負を控えるところをアドバイスすることができます。そして実際に私はそれをお客さんに伝えています。
・その反応は、仕事のアドバイスをした同僚と同じで、素直に喜んで受け入れる人もいれば、余計なアドバイスだと嫌がる人もいますが、どちらが勝負に勝っていく人かは明らかだと思います。
卓球の場合、試合中にベンチコーチのアドバイスを素直に受け入れられないという選手もいると思うが、やはりこれはもったいないことであると改めて思った。
卓球の指導者も、有名無名にかかわらず、経験を積んだ指導者は「選手の運の流れ」を見ているのかもしれない。
今は積極的に仕掛ける場面なのか様子を見るべき場面なのか云々。
ベンチコーチがタイムアウトを取るというのも、カジノディーラー的にいえば、「運の流れが悪いからワンクッション入れよう」という意味になるのだろう。
試合中はなかなか冷静になれないが、だからこそそこで「自分では気づけない運の上がり下がりを見てくれている」と考えれば、より指導者のアドバイスに耳を傾けようという気持ちになるのではなかろうか。
ギャンブルと同じで、「先の展開を読む能力」は第三者の方が優れていると考えて、心を落ち着けてアドバイスを聞くべし、という教訓を得た、ってこと。
●自信と驕りは紙一重。驕りは運を遠ざける
ロッキーさんは、カジノで勝ち続けているときに調子に乗ってはいけないと警鐘を鳴らしている。
バカラで3日間遊び、4億円勝っていたのに調子に乗ったせいでたった15分ですべてを失った人など、ロッキーさんはいくつも失敗例を見てきているが、大事なのは「永遠に勝ちが続くことはないという冷静な判断」とのこと。
カジノで調子がいいときは、なかなか冷静な判断が利きません。いったん大きく勝つと、同じことが再び起こるという錯覚に陥ってしまうからです。仕事でもそうでしょう。一回うまく進むと、それが強い成功体験となって、次からも同じやり方をしてしまいがちです。しかし、そのことがやがて失敗の原因になることはよくあることだと思います。成功して自信を持つことは悪くありませんが、それがどうしても驕りにつながりやすいのです。
まさにこれは卓球にも言えること。
卓球では、2~3ゲーム連取したのに逆転されて敗けちまうケースがよくある。
こういうケースでは、ついついうまくいっているやり方を続けてしまったことが原因ということもあるかと思う。
ではどうすればいいのか?
・では、どうしたら驕りを排除することができるのでしょうか。
・私がおすすめするのは、勝負を連続したものと考えず、一回一回の勝負と捉えることです。一回ゲームが終わるごとにリセットするのです。その癖をつければ、前のゲームは前のゲームだ、次は次だといった具合に、全体の運の流れと一つ前のゲームの結果とを切り離して考える余裕が出ます。運がよいときでも、前のゲームで勝ったから次も勝つはずだという思い込みから脱することができるでしょう。
・こうやって、ゲームが終わるたびにリセットすれば、成功がすぐに驕りにつながることはなくなるでしょう。
卓球は対人競技なので、前のゲームの内容を無視するわけにはいかないが、気持ちの上で「ゲームが終わるごとにリセットする」というのは非常に重要なことだと思うのである。
リードしていることを意識し過ぎると、調子が崩れたり、驕りによってスキができたりすることもあるだろう。
それを排除するために「ゲームごとにリセット」して、新たな気持ちで目の前のゲームに集中するというのはとても重要なことだと思う。
勝っているときこそ頭を冷やせ、ってことですな。
とまあ、こんな感じで、カジノディーラーという特殊な職業の視点からのアドバイスが綴られている本書は、卓球にも参考になる部分がたくさんあって、他にも例えば、「カジノで勝つ人は靴がきれい」ということ。
そういう人は「運に好まれる」のだとか。
私は現役時代、ボロボロになるまでシューズを履き潰していたが、トップ選手でそんな人はいないだろう。
卓球においてもシューズを大事にし、きれいなシューズを履くことで運に好まれる人であらねばならない、ということである。
まだまだあるがキリがないのでこのへんでやめておく。
ところで、我が日本でのカジノ事情はというと、2016年にIR推進法案(カジノ法案)が可決され、いよいよ日本にもカジノができるか、なんて言われている。
だけどもし日本にカジノができたとしても、卓球で負けるとすぐにカッカしてしまうような人は行かない方が無難かもしれんよね。
私もカジノができても行かないつもりでいる。
しかしカジノというのは統合型リゾート施設(IR)の中に入っており、カジノのほかに、ホテルやレストラン、ジム、ショッピングモールなど様々な施設があるというのが一般的で、日本にIRができれば、その中に卓球場を設置するという可能性は大いにあると思う。
そうすると、卓球をやりに行ったときに「ほな、ついでにカジノも覗いていきましょか」なんて言いながら、まんまと禁断の扉を開けちゃう可能性があるのではないかしら、なんて思う。
わずか1時間ほどでラケット数十本分のお金が飛んじゃったらと思うと、恐ろしくてたまらない……。
水谷選手も今年の平野選手との試合で
「経験上、試合の最初から最後まで流れが片方にある事はない」
と話して居ます
ここで言う流れとは運と同じなのでしょう
やはり、確率や理論では証明できないものが
あると言うのがなんか良いですね
しんこうしんこうさん
まさにそれが運なのだと思います。
水谷選手は著書の中でもそのようなことを書いてましたが、一流選手はそうしたものに敏感な人が多いような気がします。
運の流れを自分で読める人は本当の一流なんでしょうねw
そんなもんは関係ないと頑なに拒否反応を示す人も世の中にはたくさんいますけど……。
何億円もかかっていたら自分を客観視するのは難しそうですねぇ。
ゲームオールのジュースという場面でどう攻めるべきか、まさに一種のギャンブルです。
ラケットマンさん
私なら1万円でも足が震えそうです 笑
ジュースのときに強きでいくべきか慎重にいくべきかいつも迷いますねぇ。
大事な場面で大勝負に出られる強気な卓球ギャンブラーになりたいものですw
運や流れって味方にできれば心強いけど、思うようになってくれないのでもどかしいです。せめて今どんな状態なのか客観的に見れればましなんでしょうが、それも苦手、目下の課題です。
Kさん
運を自分でコントロールするのは至難の業ですよね。
ただコントロールはできなくても、運を引き寄せるための心構えや行動はあると思うので、そこの努力はしたいなと思います。
うまくいけば大事な場面でネットインで得点できたりするかもしれません 笑
ネットやエッジはもちろんラケットとの当たり損ないや、ボールや台の僅かな凹みでのイレギュラーなど意外と卓球は運が絡んでくるスポーツですし、運についての考え方は非常に参考になります。岡目八目という言葉もありますが、自分の戦術や狙いのかたよりなら自分で気づけても運で見るとやはり他人の目を通してもらうのが一番なのかもしれませんね。
ラケット数十本分の負けとは(笑)一本分が初心者用ならまだなんとかなりますが、リズー程だったらお先真っ暗ですね(笑)
卓球主義さん
そうなんですよねぇ。細かいラッキー・アンラッキーがいろいろとあって、それが大きくゲームの流れを左右しますよね、卓球は。
ありえないプレーで得点することもありますが、まさに「運」のおかげ。中国選手の神がかったプレーを観ると、やっぱ持ってるなぁと毎度感心しますね。
損失が「剛力」数十本分ならもう泣くしかないですね 笑
お金じゃなくピン球をかける卓球カジノができたら安心して遊べますけどね。
自信があるときは3スターをかけて大勝負に出る、みたいな(笑)