朝起きたら、ダメもとで枕元においてあった大きな靴下の中に卓球王国2月号が入っていました。
サンタさんありがとう。
平野美宇 インタビュー&テクニック
今月号の目玉企画はコチラ。
【インタビュー】
平野美宇「私は日本のエースになりたい」
【技術特集】
平野美宇躍進の技術
10月の女子ワールドカップで史上最年少優勝という快挙を達成した、いま最も勢いのある平野美宇選手の特集である。
まずはインタビューであるが、とにかく強気で意識の高い一流選手の顔と、あどけない天然キャラの顔との両面が見られて、「つかみ所のない人」のような印象のあった平野選手の人物像を知ることができる内容となっている。
「たとえ国内競争が激しくても、私はダントツの1位になりたいです」という言葉にはシビレた。
担当コーチ、語りまくる
そして、技術特集では、1年前から平野選手の担当コーチを務めている中澤鋭さんが、平野選手の強さの秘密を公開するという内容。
平野選手はラリーのスピードが速くなると手打ちになり、上下動をする癖があったという。
そのため、フォアハンドで強いボールが打てなかった。
そこで中澤さんは、フォアのスイングを修正したという。
・まず徹底させたのは、重心を低くさせることです。そして体の軸を意識させて、打球時に体が伸び上がらないようにしました。軸がズレて1球ずつ伸び上がってしまうと、連続して強いボールを打つことができない。美宇は連続でフォア強打が2~3回くらいしか打てなかったが、それ以上打てるようにしていきました。
・また、重心を低くすることにより、左右に振られた時に体が外に流れずに、踏ん張ることができます。常に重心を低くして足と腰にパワーをためていれば、いつでも攻めることができるのです。
・一見するとスイングが大きくなったように見えますが、実は腰のひねりを大きくしました。右足でタメを作った時に腰を大きくひねっています。そして左足に体重移動し、腰を連動させます。上半身はあまり力を入れずに、下半身の動きについてくるようにするのです。足と腰を使い、最後に腕がついてくる。見た目は同時に見えますが、打っている本人の感覚は上半身の動きが少し遅れてついてくる。その感覚を意識して打てば腰の力が腕に伝わります。
(中略)
・理想は足と腰を使って打ち、足と腰を使って戻るのです。体の太い部分の力を使い、腕に伝えないと強いボールは打てません。これを意識することで、スイングも柔らかくなっていきます。
他にも、スイングの止め方(腕で止めないで足と腰で止める)や、全力で打った後、そのパワーを「戻り(次球への備え)」に生かすコツや、コース取りのポイントなど、独自のフォアハンド理論を解説している。
さらに後半ではバックハンドのポイントも解説しており、平野選手の「スムーズな両ハンドで連続で攻めるスタイル」の秘密がギュッと詰まった内容となっている。
本人ではなく、担当コーチが解説するというのがなんとも贅沢なこの企画。
なぜなら本人以上にその理論を理解しているとも言えるわけで、この中澤さんの解説も、ポイントの伝え方がとにかくわかりやすくて説得力がある。
強いボールを打つためのコツを学びたいという人は本当に必読だと思う。
ペンの達人たちの言霊
今月号で私が個人的にグッときた企画は「我ら、ペンホルダーズ」の《全日本マスターズで聞いた ペンホルダーで勝つ秘訣(後編)》である。
今回は後編であるが、もちろん後編だけが面白かったというわけではなく、前編と合わせて面白い内容であったということである。
こちらは、全日本マスターズで活躍するペンホルダーの達人に、強くなるためのアドバイス、そしてこだわりの用具考を聞く、という企画。
たとえば、山下陽子さん(16年40歳以上3位)は、実業団時代はオールフォアの超攻撃タイプだったが、年齢を重ねてプレースタイルを変更したという。
「現役時代は足が動いていたので、フォアでしか攻撃はせず、バッグは守り重視でした。でも動けなくなって、シェークに勝てないと思うようになったんです。回り込んでフォアドライブを打っても、そのあとに空いたフォア側に送られてしまうと間に合わない。苦労してフォアで打ってもその後の展開が不利になってしまう。それならば、バックショートで攻めるようにしようと考えを変えました。
・今はバックプッシュで攻めることが多いですが、現役時代はできなかった。それは技術の問題ではなく、意識の問題だと思います。バックで攻めよう、回り込むのを止めようと思ったら、バックで待てるので強く打つことができます。バック側が堅くなったので、相手は苦しくなると私のフォアに逃げてくる。それを狙い打ちます。バックを使うようになってからフォアにチャンスボールが来ることが多くなっていますね。今は現役時代よりシェークの人に勝てるようになりました」
シビレますね。
回り込みを捨ててバックを堅くしたことによって、現役時代よりシェークに勝てるようになっただなんて、若い選手ではなかなか到達し得ない真理ですよ。
取り上げられている達人たちは、どの選手も確固たる独自のこだわりを持っており、個性的なスタイルを築いている。
シェークの人も、そして若い選手も、達人たちの深い思考に触れてみると、きっと何かしら感銘を受けることだろう。
この企画を熟読し、ペンに転向する決意を固めていただきたい。
今月号は他にも、「ベストギア・オブ・ザ・イヤー2016」の発表や「全日本大予想」、そして、元日本代表の若宮三紗子選手が、これまで公表していなかったある事実を告白する「Another Story 若宮三紗子」など、読みどころの雨あられであった。
全日本真っ最中に発売される来月号も、楽しみに待ちたい。
ところで、毎週楽しみにしていた「目指せ!カットマンキラー」であるが、今週で最終回となってしまった。
最後は「中国選手に学ぶ」というテーマで、偉関晴光さんが中国選手のカットマン攻略法の解説をしており、これまでとはまた違った角度からの話が読めて、実に面白かった。
この究極的なカットマン攻略の企画が世に出てしまったことによって、ただでさえプラボールの採用で不利になったと言われているカットマンは、ますます勝ちにくくなってしまうのではないかと心配してしまう。
卓球王国さんにはぜひカットマン救済のために「カットマンキラーキラー」という粋な企画を立ち上げて頂きたい。
ちなみに私は「ペン表キラー」という企画が始まることに戦々恐々としているが、今のところそのような企画が始まる気配は微塵もない。
「卓球レポート」を読む(2017・1月)、「卓球王国」を読む(2017・2月)の記事拝見。参考になる情報満載。
まず「卓レポ」の「技は握りできまる」。吉村選手は打球時にラケットを親指、中指、薬指で支えるようにバックスイングしインパクトで中指、薬指に力を入れこするようにするようにして、しかるのち中指、薬指の力を抜いてフォロースルーをするということだ。緊張と弛緩を一瞬のうちの行うということだろう。力を入れる「握り」と力を抜く「チラシ」が混然一体となっている。(まるで名人すきやばし次郎?)これを意識してフォアブロックもしてみたいと思った次第。
平野選手のコーチ、中澤鋭氏の言語化能力には感心しました。コーチの役割の多くはどう言語化して指導するかにかかっていると常々おもっているからです。
日本卓球協会から『ペンホルダー達人からのメッセージ』という伊藤繁雄、河野満によるDVDが出ていることを知りました。桑田の新しく出したDVDとどちらにしようか迷っております。
ペンドラ直ちゃんさん
遊びを入れた握りと言いましょうか、これはなかなかなできるものではありませんね。
昔の選手で言うとワルドナーを思い出します。
中澤コーチの言語能力には私も脱帽しました。
トップ選手相手だと、実演してみせるより言語化して伝えることが重要となりますよね。
『ペンホルダー達人からのメッセージ』こんなDVDがあったんですね!
河野さんは私にとって神様です。これはほしい。
特典映像で、伊藤さんと河野さんが桑田さんの曲を歌っていればベストですね(^q^)。
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