卓球レポートを読む 2017年3月号

 

今月号も、ガン見につぐガン見で読了しました。

水谷選手の絶対王者の風格が神々しい3月号の目玉企画はコチラ

【カラー特集】
全日本卓球
平成28年度全日本選手権大会 一般・ジュニアの部
【カラー連続写真】
全日本チャンピオンの戦術・技術
【カラーインタビュー】
水谷隼

お待ちかねの全日本卓球特集である。

元全日本王者の渋谷浩さんが大会を振り返ったり、水谷・平野両チャンピオンの戦術や技術を連続写真を用いて紹介したり。そしてインタビューでは、史上最多V9という偉業を達成した水谷隼選手の心境に迫る。

 

平野美宇の技術

チャンピオンの技術紹介より、平野選手の「前陣で連続攻撃できる理由」をちょっこし抜粋する。

いくつかその理由が紹介されているのだが、そのうちの1つが「ミドル処理で威力を出せる」である。

ポイント①
腰を右に大きくひねり
打球スペースをつくることが先決

平野が前陣で攻め続けることができる要因として、ミドル(右腰のあたり)に来たボールへの対応が優れていることが挙げられる。ボールがミドルに来ると体勢が詰まりやすい上に、返球に威力が出しにくいものだが、平野は打球点を落とさずに威力のあるボールで打ち返すことができる。(中略)
ミドルに来たボールをフォアハンドドライブする上で欠かせないのは、「ラケットを振るための空間を確保する」ことだ。平野は、左足のつま先に重心をかけて体のバランスをとり、腰を右に大きくひねってスイングスペースを作っている。

 

ポイント②
体を回転させる勢いでスイングし
打球に威力を出す

スイングでは、右ひざを前に出し、体を回転させている点に注目だ(写真8)。このように、腕だけでなく、可能な限り体の回転を使ってスイングすることによって、平野はミドルに来たボールを力強く打ち返しているのだ。

 

私は先日、ミドル攻めがどうのこうのという記事を書いたが、シェークの泣き所であるはずのミドルも、平野選手のように確実に強烈なフォアドライブで返されるとなれば、相手選手はもうお手上げだろう。

この絶妙なボディバランスによるミドル処理、ぜひとも参考にしたい技術である。

 

卓球熱のキープ

そして水谷選手のインタビューでは、リオ五輪効果で卓球に注目が集まっているこの状況を、一瞬のブームで終わらせてはいけないというチャンピオンの卓球愛を感じるコメントがグッと来た。

水谷選手は「冷静に考えると、これから今以上のブームを作り出すのは難しいと思うんです。今、僕が考えているのは、この卓球熱をいかにキープしていくかということです」と前置きした上でこう語っている。

「もし、オリンピックのメダリストになった僕が全日本で勝てなかったら、僕のプレーを見て卓球に興味を持ってくれた人たちは、せっかく芽生えた卓球への興味を失ってしまうかもしれない。だから、絶対に負けられなかったんです。もちろん、史上初となる9度目の優勝という数字も強く意識したし、メダリストとしてのプライドもあった。全日本は僕にとって常に特別な大会ですが、今年は今までとは違うさまざまな気持ちが根底にありました。勝つことが当たり前だと思われていたから、まさに『ハイリスク・ノーリターン』な戦いでもありました」

「今年の全日本で得たものは、特別にはありません。あえて言えば、安堵感でしょうか。もし、僕が今回の全日本で負けていれば、例えば、5月末にドイツで開催する世界卓球で活躍しても、メディアは僕にオファーしてくれないでしょう。そういうことを考えると、卓球ブームをしっかりと継続していける優勝だったと思います」

 

水谷選手の優勝は卓球ブームの継続という使命までおびていたとは、言われてみればその通りである。

女子スター選手の活躍や多くの卓球関係者の努力により、「卓球=ネクラ」から「卓球=楽しくて面白い」というイメージに変化していった。

そしてそれを「卓球=カッコいい」「卓球=激しいスポーツ」というイメージにしてくれたのは紛れもなく水谷選手である。
これからも水谷選手の活躍ひとつで世間の卓球に対するイメージはまたガラリと変わってしまうかもしれないのである。

水谷隼という男をもってすれば、「卓球=国技」という高みにまでもっていってしまうのではないかと思ってしまうのは私だけだろうか(お前だけである)。
まあ、卓球がそこまで神格化してしまうのが良いのか悪いのかわからないけれども……。

そんなわけで、ますますの活躍を期待しております。

以上、3月号でした。

 

 

6 件のコメント

  • 卓球人口が増えたらタダでさえ全国出るの難しいのに
    もっと難しくなってしまう…
    今回の全日本の水谷は暗かったです

    • しんこうしんこうさん
      確かに出場が難しくなってしまうという悩みが出てきそうですねw
      そうなれば出場枠を増やすとかして対応してほしいものです(大会運営が大変になるけど)。
      水谷選手は自分をおびやかす選手が出てくれば生き生きした姿が見られるかもしれませんねww

  • このまま卓球ブームが続けば次の世代では卓球がサッカーの様な扱いになるかも…?(ならない)
    しかし「ダサい笑」「おたっきゅー部笑笑」とか何とか言われる事は少なくなっている様で一安心です。後は「卓球=楽」というイメージを持って部活を選ぶ子達が減ってくれればモーマンタイですぞ。

    • 粒高使いさん
      サッカー級なる可能性もなきにしも、ですよね。
      だけど「卓球をなめんな」とメジャー化を夢見ているポジションが一番楽しいような気も……。
      「卓球=楽」のイメージだけは嫌ですね。
      激しいスポーツであることをもっともっと見せつけてもらいたいと願うばかりです(´ω`)

  • 自分も読ませていただきました。王者の大胆な発言に卓球メジャー化の覚悟が感じられました。来年の全日本が楽しみです。

    • シェーク裏裏野郎さん
      紙面上からでも並々ならぬ覚悟が伝わってきますよね。
      卓球ファンにとってこれほど頼もしいことはありません(‘ω’)

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