卓球レポートを読む 2017年6月号

 

5月らしからぬ暑さにヘロヘロになりながら、今月号も楽しくガン見しました。

祝! 連載100回!!

今月号の目玉企画はコチラ

【カラー特集】
水谷隼の卓球 100回記念特集
【カラー技術特集】
水谷隼が語る 世界の強豪の本当の強さ

2009年1月号から始まった技術連載ページ「水谷隼の卓球」が今月号で100回目を迎えたそうだ。

この特集は、連載100回を通して、水谷選手本人が自身のキャリアを振り返るとともに、卓レポ関係者の視点からも世界のミズタニの知られざる一面にアプローチする、という内容。

9年近くも続いている連載とは知らなかった。
これは現役のチャンピオンが手の内を明かし続けているとも言えるわけで、なんという太っ腹なことだろうと改めて感心する。

全日本選手権の優勝記録と卓レポの連載記録、この2つの記録がどこまで伸びていくのか、今後も要注目である。

この企画の中に「Q&A」のコーナーがあり、水谷選手がいろいろな質問に答えているのだが、特に印象的だった回答を、最後に1つだけピックアップ。

Q 卓球のどこが好きですか?
A やるのも好きだし、見るのも好き、人の話を聞くのも好き、教えるのも好きです。選手同士で食事に行く機会がありますが、いつも卓球の話しかしません。

 

連載100回目は「ミドル寄りからバック側へのサービス」

そんな記念すべき100回目の「水谷隼の卓球」で解説するのは、「ミドル寄りから右利きの相手のバック側に横下回転ロングサービス」を出す狙いとポイント。

水谷選手はこのサービスのポイントを2つ紹介しているが、そのうちの1つをちょっこし抜粋。

半身の体勢をつくり、打球面を軽く上向きにして準備したら、ラケットを体の遠くから近くへ引き寄せるように動かして、ボールの横下を強く押すように打ちます。ボールを強く押すように打つと、サービスにスピードが出ます。第1バウンドはエンドライン付近を狙って、相手コートのバック側の深いところへサービスをコントロールしましょう。
また、このサービスは右利きの相手のフォア側に曲がるような軌道で飛ぶので、「(左利きの水谷から見てバック側の)ネットのサポートよりもさらにバック側(外側)を狙って打ち、そこから曲げて相手コートへ入れる」イメージで出します。そうすると、相手コートのバックコーナー付近の厳しいコースへサービスをコントロールできます。

 

文章を読んだだけでキレキレのサービスが出せそうな気がしてしまうのが不思議。

さすがサービスマスター水谷隼。

これまでの100回の連載の中で紹介したサービスの解説を追っていくと、どのようにサービスに対する考え方が変わったのか(あるいは変わっていないのか)や、サービスのバリエーションの変化など、年代ごとに違いが見えるのではないだろうか。

そうしたサービスの進化の変遷を見てみたいものである。
そんな企画やってくれないかなぁ、なんて思う。

 

水谷隼が肌で感じているライバルたちの強さ

そしてカラー技術特集の『水谷隼が語る 世界の強豪の本当の強さ』では、水谷選手が世界のトップ選手たちの強さが表れている実践での写真を自らセレクトし、そのポイントを解説している。

紹介されている選手は、馬龍、樊振東、オフチャロフ、黄鎮廷、鄭栄植、そして水谷選手自身の6選手。

その中から、オフチャロフ選手(ドイツ)についての解説を一部抜粋します。

僕は現在、ロシアリーグでオレンブルクに所属しており、オフチャロフとチームメイトです。彼と技術的なことを話すことがあるのですが、バックハンドドライブの威力を出すコツを尋ねると、「バックスイングで右肩を前にしっかり出すことだ」と教えてくれました。この連続写真でも、本人のコメント通り、右肩を出すようにバックスイングを取っています(写真5)。そうして、パワーをしっかりためることが、オフチャロフの強烈なバックハンドドライブの秘訣になっています。
連続写真を見ると台から距離をとりすぎているように感じると思いますが、パワーがあってリーチも長いオフチャロフにとっては、この位置がベストポジションです。このポジションからオフチャロフにまともに打たれると、ラリーがかなり苦しくなります。
そのため、オフチャロフと対戦するときは、ラリーの早い段階で先手を取り、彼に台から距離を取る時間を与えないことがポイントになります。

 

(文中の写真5はコチラ↓)

 

なるほど、ただ体が大きいからパワードライブが打てるというわけではないんだね、やっぱり。

これはオフチャロフほどの体格を持っていない人でも、強烈なドライブを打つための参考になる打ち方だと思う。

この企画を読み込んで練習に励めば、世界のトッププレーヤーの高度な技術が自分のものになる、かもしれない。

以上、6月号でした。

 

4 件のコメント

  • 選手目線から見るトップ選手の強さって新鮮ですよね笑
    自分のプレースタイルを分かりやすく説明できるっていいですね!僕は出来ないので羨ましいです。

    • シェーク裏裏野郎さん
      強い人目線の強い人分析は面白いですよねぇ。
      一般人では気づかないポイントを教えてくれるので目からウロコです 笑
      せめて自分の技術をしっかり解説できれば普段の練習に活かせそうですが、それも意外と難しいですよね(>_<)

  • 表紙を見てどうした!卓球レポート⁉︎
    って思ったら内容はいつも通り濃くて良かったです笑

    • しんこうしんこうさん
      ダブル隼!!
      なかなか面白い試みの表紙でしたね 。
      200回の時は3人になってるかも(笑)

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