やや遅くなってしまいましたが、12月号読みました。
まず興味深く読んだのは「全日本選手権の統一球問題」の記事。
多くの選手たちがボールをひとつのメーカーに統一してほしいと声を上げていたにも関わらず、次の全日本も複数球での開催が決定してしまったという問題。
卓球王国さんもだいぶご立腹なご様子の記事であったが、この中に多くのトップ選手たちの声を掲載していたのが面白かった。
ちょっこし抜粋。
村松雄斗 東京アート
「ボールによって弱い人が強くなったり、実力が変わるのはおかしい。特にカットマンは相手の上回転の伸びと沈み、下回転の止まりと伸びをしのがないといけないので。ボールによって球質が変わるので対応が非常に大変です。試合の直前まで何を使うかわからないという状況は本当に不安です」
平野美宇 JOCエリートアカデミー
「統一球がいいです。練習も大変だし、セルロイドに比べてプラボールはメーカーでの性能の違いが大きすぎます。伸びたり、止まったり、ボールによってバラバラです。ボールで勝とうとするのは少しおかしい。ジャンケンで決まるのは公平のように見えて公平ではないように思います」
統一球にしない理由が「メーカーへの配慮」っていう何とも悲しい理由なんだけど、だったら日によってメーカーを変えるってのはダメなのかしら?
初日はこのメーカーのボール、2日目はこのメーカーのボールってな感じに。
それなら直前までわからない不安もないし、朝イチの会場練習でもそのボールを使って調整できる。
来年こそはぜひとも解決してもらいたいものである。
そして、今月号では「伊藤美誠のインタビュー」も注目記事だ。
オリンピックを間近に控えた美誠ちゃんが今何を考えているのか、チームメイトである先輩2人(福原・石川)に対してどう思っているのかなど、いろいろなことが知れてナイスなインタビューである。
ちょっこし抜粋。
――どうしたら中国に勝てるんだろう。
伊藤 こちらが安定した卓球をやればラリーは続くけど、中国もやりやすいだろうから結果として負けてしまう。何ゲームかは取れるかもしれないけど負けてしまう。一か八かで何もかも思い切ってやるプレー、ミスを恐れない卓球、リスクが高くても勝負する卓球じゃないと勝てる可能性はない。普通にやって負けるならそっちのやり方のほうが良い。
やはりリスキーな卓球じゃないと勝てないんでしょうな。
美誠ちゃんは緊張しないタイプだから、オリンピックでもガンガン打っていくプレーで大金星をあげる可能性は大いにあるね。今からワクワク。
このインタビューにはお母さんのコメントも載っていたんだけど、「娘をモンスターにしたかった」と言っていたのが印象深かった。
化け物みたいな子にしたかった。対戦相手が「なにこれ?」「どうすればいいの?」「化け物と試合してる」と感じてしまうような子。何を考えているかわからない選手に育てたかった。
だから毎日の練習の中でいろんな訓練をやってきた。同じことをしつこくやる時もあるし、ある時はフットワークとか、逆に足を動かさない日もあったり、毎日、脳に刺激を与えるんです。セオリーどおりの指導で、セオリーどおりの選手を育てるのは面白くない。時間の無駄です。
出ました「ミマママ節」。
にしても、可愛いモンスターに育ってよかったよかった。
相手の耳を噛みちぎったタイソンみたいな選手にでもなったらヤバかったもんね。
ラケット交換した時に相手ラケットのラバーを噛みちぎったりなんかして・・・。
そしてそして、今月号で最も注目すべきは「会場練習のススメ」
今月号から始まった企画であるが、なんと試合当日の会場練習にスポットを当てるという異例の企画。
監修は男子ジュニアナショナルチームの田㔟邦史監督。
中国選手はどのような会場練習を行っているか? 調子をあげるためのポイントは何か?
試合で差がつく会場練習のノウハウがギュッと詰まっている企画だ。
クロスだけの練習でもしっかり動く
練習の幅が広いバッククロスを選ぼう
通常のオープン大会などでは、フォアクロスとバッククロス、どちらかのコースで練習することになる。フォアクロスを選ぶ選手が多いが、フットワーク練習での動きやすさを考えればバッククロスが得策。フォアで動こうとすると、バッククロスで打っている選手が邪魔になるし、切り替えの練習もやりにくい。また、試合ではバックサイドからバッククロスにサービスを出す選手が多く、攻撃もバックサイドに集まるので、サービス・レシーブ練習やブロック練習を行ううえでもバッククロスのほうが有益だと言える。(後略)
今回の記事では特にフットワーク練習の大切さを強調していた。
私は現役時代、試合前に体力を消耗したくないという理由でフットワークなどの動く練習はほとんどやっていなかった(さすが二流選手)。
会場練習次第でここまで差が出てしまうなんて・・・昔の自分い教えてやりたい。
で、この企画、一回キリの特別企画かと思いきや連載ということなので、今後の内容もめちゃくちゃ楽しみである。
ということで、本日は以上です。
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