卓球レポートを読む 2016年1月号


今月号の目玉企画は、表紙にもなっているリオ五輪代表の3選手の特集です。

 

【カラーインタビュー】
世界を変えろ。水谷隼・丹羽孝希・吉村真晴
 
【カラー技術特集】

トップ3がそれぞれの強さを語る

今回の技術特集はかなり面白かった。

それぞれが自分以外の2人の強さを語り、本人がその技術についてコメント、そして連続写真でその技術をわかりやすく紹介、という流れ。


例えば丹羽選手は水谷選手の強さについてこう語る。

 

バックハンドが進化したことでプレー全体が攻撃的になった
水谷さんのプレーで、最近特に進化していると感じるのが、バックハンドです。以前は、バック側のボールに対しては回り込んでフォアハンドで攻撃することが多く、安全なプレーを心掛けているという印象でしたが、最近は、以前だったらつないでいたようなボールに対してもバックハンドで速いボールで攻めているので、対戦相手はバック側に甘いボールを送ることができなくなったと思います。
具体的にはバックハンド対バックハンドでも威力のあるドライブを打ちますし、チキータレシーブに対しても、バックハンドカウンターで狙い打つようなアグレッシブなプレーが見られるようになりました。
また、バックハンドが攻撃的になったため、台から下がることが減ってプレー全体も攻撃的になったように感じています。

 

そして水谷選手は丹羽選手の強さについて、横回転系サービスの変化の激しさは世界屈指であると語る。

このことについて丹羽選手は次のようにコメントしている。

 

チキータが全盛の今はサービスの回転量よりも変化のわかりにくさが必要
 チキータ(台上でバックハンドドライブする技術)が流行る以前は、サービスエースを狙うために回転量を追及していました。しかし、チキータはサービスの回転量が多いほど、それを利用して威力が増す技術なので、チキータが全盛の今の卓球では、サービスに回転量を求めるだけでは得点しにくくなりました。このような傾向から、今は回転量よりも「いかに変化を分かりにくくするか」をサービスのテーマにしています。
横回転系サービスの変化を分かりにくくするために僕が行っているポイントは、「ひじを上げるようにスイングする」ことです。そうすると、インパクト(打球の瞬間)付近のラケットの動きが早くなるので、相手に変化を読まれにくくなります。(後略)


「サービスは回転量より変化のわかりにくさ」というのはペン表選手にとっては嬉しい視点ですな(喜)

この特集を読んで3選手の強さのポイントをおさえておけば、リオ五輪がより一層楽しめること間違いなしだ。非常におすすめである。

 

そして今月号は新連載が3つも始まった。

その中でも注目は、これまで青森山田中学・高校で14年間監督を務めた板垣孝司さんの「WATCH ドイツ日記」である。

板垣さんは2015年いっぱいで青森山田学園を退職し、ドイツへ渡ってプロコーチになるという。

選手ではなくプロコーチとして海外のプロリーグのコーチに挑戦した日本人はまだ誰もいない。

 「誰もがチャレンジしたことがないことにチャレンジしたかった」と語る板垣さんであるが、そこは結果が出なければ即クビになってしまうシビアな世界。

そんな板垣さんのドイツでの奮闘の様子を一年間にわたって伝えていくのがこの「WATCH ドイツ日記」なのである。

どんなことになるのか非常に楽しみだ。
日本人指導者のレベルの高さをぜひ証明してもらいたいものである。
(個人的にはドイツビールのレポートが読みたい)

 

ということで、本日は以上です。

それではまた。

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