卓レポ2月号の目玉企画は「ティモ・ボル特集」である。
10代の頃からヨーロッパを代表する選手として世界と戦い続け、今なお世界トップクラスの選手であり続けているドイツのスーパースター、ティモ・ボル。
そんなボルの強さの秘密とは何か?
この特集では、その答えのひとつとして、ボルの「ストップレシーブ」に注目する。
まずボルは、ストップレシーブに対してこのような考えを持っている。
「今の卓球では、チキータはレシーバーにとって両刃(もろは)の剣だと思います。チキータは攻撃力がある分、相手に予測されてカウンターされたときの対応が難しい。また、今の若い選手を見ていると、チキータに注力しすぎるあまり、フォアハンドでのレシーブがおろそかになる傾向があると感じます。そこで、チキータという選択肢を残しつつ、相手に的を絞らせずに、より少ないリスクでプレーできるストップを、私は重視しています」
「チキータ=最強のレシーブ」という図式はもはや成り立たなくなっているようですね。
今後レシーブ技術の鍵を握るのは「ストップ」なのかもしれないですね。
この特集では、ボルの多彩なストップレシーブの真髄に、本人のコメントと連続写真から迫っているのだが、その前に大事なのはストップをする前の準備動作である。
そのポイントについてボルはこのように語る。
ストップレシーブで重要なのは、レシーブの構えと打球位置までのフットワークです。私がレシーブの構えで特に注意しているのは、深い前傾姿勢で構えるという点です。このように構えると、「動き出しやすい」「相手のサービスが見やすい」というメリットがあります。この基本姿勢から、フォア前にショートサービスが来ると判断したら、やや上体を起こして、右足を小さくフォア側に寄せてから、左足を大きく前に一歩踏み込みます。私はレシーブのときは両ハンドで待っているので、センターライン寄りに構えています。そのため、フォア前をレシーブするときは2歩動で移動します。フォアハンド主戦でバック側寄りに構えている選手は、フォア前までの移動距離が大きくなるので、3歩動のフットワークで移動するとよいでしょう。
この後に自身のストップレシーブに関して解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。
そんで、技術解説の後はコチラ
中国選手という強敵と戦いながら、同時に腰や膝などのケガとも戦ってきた壮絶なこれまでの卓球人生を振り返るインタビューである。
ボロボロになりながらも卓球を続ける理由……そう、それはタイトルにもあるように「卓球より面白いものが見つからない」から。
卓球の奥の深さに魅せられた、卓球が好きで好きでたまらない男の歴史を垣間見られる興味深い内容となっている。
そしてもうひとつの注目企画はコチラ
ワールドツアー・グランドファイナル2015
昨年12月にポルトガルのリスボンで行われたワールドツアー・グランドファイナルを振り返るコーナーであるが、 後半は大島祐哉選手(早稲田大)のプレーを取り上げて解説している。
ワールドツアー・グランドファイナル2015でダブルスと21歳以下男子シングルスの2冠を獲得した大島選手の強さがわかるラリーを、グランドファイナルで撮影した連続写真で紹介するというものである。
連続写真1~12は、サービスを出した後、フォア側に来たレシーブに飛びつき(交差歩)のフットワークで対応したラリーだ。サービスの後、バック側に回り込もうとした大島は逆を突かれる形となったが、そんな不測の事態でも左足を体の前で交差させながらフォア側に飛びつき、見事に対応している(写真6~10)。特に、飛びつき後の姿勢に注目してほしい(写真12)。とっさにフォア側へ動いた場合、重心が体の右側に流れてしまうものだが、大島は右足で着地の衝撃をこらえ、体のバランスをしっかり保っている。最近の大島の躍進を支えているのは、海外の選手を上回る強靭なフィジカル(身体能力)だが、その一端が表れている連続写真だ。
中国選手との距離をなかなか縮められない日本人選手であるが、強靭なフィジカルを武器に対等に戦える可能性を見出そうとしている大島選手は、これまでの日本人選手にはあまりいなかったタイプ。本当に期待が持てますね。
世界選手権では大暴れしてもらいたいものです。
というわけで、今回はこんな感じです。
それではまた。
これからのチキータは、全日本で水谷選手が見せたような、バリエーションのあるチキータが重要視されるようになると思います。逆にチキータをさせないようにする、カウンターを狙える手段として、ストップはかなり有効だと思います。
「ストラップが天才的に上手い」と後輩に言われる自分も勉強したいと思います。(後輩に言われてるだけで、自分としてはミスも多いし全然ダメだと思ってる)
確かに水谷選手ばりの多彩なチキータは有効ですよね。
ストップの重要性がますます高まっていくと同時に新しい球種のチキータもいろいろと生み出されることでしょう。
表ソフトのストップにも要注目です(笑)