卓球レポートを読む 2015年2月号

 

 

卓球レポート2月号、読みました。

 
今号の目玉企画はコチラ
 
「プラスチックボール大特集」
 
1月に行われた全日本選手権でプラスチックボールが採用され、いよいよ新たな時代の幕が開いた。
ボールの素材が変わったことによって、卓球がどのように変わるのか、多くの人が気にしていることだろう。
 
今回の特集では、プラスチックボールの開発者やトップ選手たちが、プラスチックボールの特徴や攻略法を語っている。

 

【タマス研究開発チームが語るプラスチックボールのこれから】

ラバーやラケットは様々な素材の変遷を経てきたが、セルロイドボールは黎明期から使われてきたので100年以上もの歴史がある。
その長い歴史に終止符が打たれることになったわけとは何か?
 
セルロイドは極めて燃えやすく、セルロイド製品の火災事故が発生したため、アメリカやヨーロッパ各国で製造や流通に規制が設けられた。
こうした安全面の問題が、ボールの素材を変更する最も大きな要因の一つなのだという。
セルロイドボールはこうした危険性から空輸も禁止されていて、輸送に時間がかかったり、輸送できない地域があるなどのデメリットがあった。
 
つまり、卓球の健全化とグローバルな普及振興のために、プラスチックボールに変更するということだ。
なるほど。納得。
 
プラスチックボールになって変わったことは、まずボールが大きくなったということ。
直径を大きくすることによって、ラリーの回数を増やそうという国際卓球連盟の狙いがあるようだが、タマスの開発者の話によると、素材が変わったことによってボールのスピードは上がったというデータも出ていて、一概にラリーが増えるとは言えないらしい。
 
そして重量については、直径が大きくなったことに合わせて重くなり、反発力(バウンド)も上がったということだが、これらは2016年1月までの暫定ルールなので、規定が変わる可能性もあるので、それぞれの変更がプレーに与える影響については、断定的なことはわからないということだ。

 

【トップ選手に聞く!プラスチックボールの感想】
 
〈水谷準〉

水谷は、ボールが大きくなったことにより回転量が減り、打球のスピードもセルロイドボールに比べると若干だが遅いと感じているという。

プラスチックボールはセルロイドボールに比べてラリーが続くようになると言えます。この傾向を踏まえ、プラスチックボールで勝つためには、「セルロイドボールのときよりもラリーが倍以上続くようになる」という気持ちを持ち、そのラリーで勝てるようにフィジカル(身体能力)を強化する必要があると考えています。

 

また水谷は、プラスチックボールは「ボールが高く弾む」ため、ラリー中にボールがラケットの角に当たってミスすることが多くなったと語る。
このミスを防ぐために水谷が心がけている打ち方の技術的なポイントを、カラー写真で紹介しているのでぜひ参考にしてほしい。
※ポイントは、「ボールが高く弾むのに備え、準備でラケットを高く構える」

 

〈丹羽孝希〉
丹羽はセルロイドボールに比べて「ボールを打ったときの球離れが遅い」と感じているという。
球離れが遅くなったことで、ボールをラバーでつかむ感覚があり、前陣でのプレーに安定感が増したと感じるため、プラスチックボールは前陣でプレーする選手に向いていると語る。
そして丹羽は、プラスチックボールにより対応できるようにラバーを変えたという。

これまでは両面に『テナジー・05』を貼っていたが、今はフォア面に『テナジー・80』、バック面に『テナジー・64』を貼っているそうだ。

『テナジー・05』はボールをつかむ感覚が気に入っていましたが、プラスチックボール自体にボールをつかむ感覚があります。そのため、ラバーにボールをつかむ感覚を求める必要がなくなったので、よりスピードが出る『テナジー』シリーズに変えました。スピードが出るラバーに変えたことで台から離れた位置での打ち合いにも強くなり、プレーの幅が広がったと思います。

 

面白いのは、水谷は丹羽とはまったく逆のことを言っているという点だ。
水谷はボールが大きくなったことに加えて、「ボールが硬くなった」とも感じており、硬くなった分、球離れが早く、コントロールが難しくなったと話している。
なので水谷は、打球したときにボールがラバーにもう少し食い込む用具に変えることを検討しているとのこと。
 
同じトップ選手でもまったくその捉え方が違うという不思議。
プレーヤーを幻惑する、謎多きプラスチックボール恐るべしである。

 

この他、張継科、ティモ・ボル、松平健太などのトップ選手や、日本代表の倉嶋監督と村上監督など、多くの人達のプラスチックボールに対するコメントが掲載されている。
 
プラスチックボールはメーカーごとに特徴が異なるため、プレースタイルや用具を変える選手もいれば、あまり気にならないので今までと同じようにやるという選手もいる。

全国の卓球選手、愛好家の皆さんは今回の特集を参考にして、自分なりのプラスチックボール攻略法を見つけてみてはいかがだろうか。
 
プラスチックボールに変わり、大きくなった分、回転量やスピードが落ち、ラリーが続くようになることが予想されるようだ。
選手としては対応が大変なのかもしれないが、ラリーが続くようになれば、卓球に詳しくない人が観てもより楽しめるようになるかもしれない。
 
ただ、もうこれ以上ボールを大きくしないでもらいたいと個人的には思う。
ボールがデカすぎると見た目的に不細工だからね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。