異次元の劉詩雯と進化が止まらない平野美宇


先日(4月28~30日)アラブ首長国連邦・ドバイで行われたアジアカップ2016。
 
当然のように中国勢が男女とも決勝を争ってましたね。
 
許昕選手の怪物ぶりも相変わらず凄いのだけれど、劉詩雯選手の強さもいよいよ「神の領域」に近づいてきた感があります。
 
 
劉詩雯VS李暁霞
(女子シングルス決勝)
 

 
 
劉詩雯選手の卓球はほぼ完成形に近いんじゃないかと思うくらい圧倒的に凄い。
 
先日のリオ五輪アジア予選の東アジアグループ決勝で石川佳純選手が李暁霞選手にストレートで敗れたが、日本のエースでも勝てない怪物選手をコテンパンにするあたり、かなり好調であるとみていいだろう。
 
どの技術をとっても超一流であるが、やはりコンパクトなスイングで放たれるバックハンドドライブの精度が抜群であると思った。
 
このバックハンドドライブがあるからこそ、得意の高速ラリーにきっちり持ち込むことができるのだと思う。
 
それと、時おり見せる台上での弾くバックハンドも光っている。
相当コンパクトなスイング(半分フリック)なのにこれほど速い球が打てるのかというバックハンドである。
どんなコツがあるのか訊いてみたいものだ。
 
スキのない劉詩雯選手。
オリンピックで金メダルを取りそうな予感がプンプンします。
 
 
馮天薇VS平野美宇
(女子シングルス準々決勝)
 

 
 
ここ最近、平野美宇選手の進化が目覚ましい。
 
ポーランドオープンでの優勝は記憶に新しいところだが、アジアカップでも前回大会で劉詩雯選手を下して優勝したシンガポールの馮天薇選手と大接戦を演じた。
 
敗れたとはいえ、馮天薇選手は最新の世界ランキングでは6位の選手である。
 
今回の互角の戦いはまぐれでも偶然でもなく、紛れもなく実力である。
世界トップ10以内の力がもうすでにあるのではないだろうか。
 
劉詩雯選手の卓球は日本人選手のプレースタイルに近いと言われることがあり、「日本人選手は参考にすべき」との声もよく聞く。
 
それはその通りだと思うが、体格的には似ていても劉詩雯選手の卓球は異次元なのでなかなかそこに近づくことは難しい。
 
しかし、その域に到達し得る可能性を最も秘めているのが平野美宇選手なのではないかと思う。
平野選手がそこを目指したほうがいいということではないが、日本人選手の中では最もプレースタイルが近い選手だと思う。
 
平野選手は、パワーが付いてきたことも関係していると思うが、下回転系のボールに対しての両ハンドドライブの精度にますます磨きがかかっているように思う。
 
特にバックハンドドライブを速いピッチで連続で打っていける技術力の高さには驚かされる。
 
「スタンスを広く取り、小刻みにステップを踏みながら高速ラリーで相手を翻弄する」という、劉詩雯的な卓球のポイントは、やはりバックハンドドライブにあるのではないかと思う。
 
いくらピッチが速くても普通のバックハンドだと返しやすいですからね。
 
 
平野選手はあと何年かすれば「こんな卓球は誰にも真似できない」と驚愕させられるプレースタイルになっているのはなのではないかと思う。
 

16歳になったばかりでこの完成度の高さは、これまた異次元である。

 
このままいくと次の全日本で優勝してもおかしくはない。

リオ五輪には出られないが、他のビッグな大会での大活躍を期待せずにはいられない。

 

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4 件のコメント

  • こんにちは。今の女子卓球はミドルを狙った攻守が主流なんですね。両サイドは決め球以外は送らない感じです。ミドル切り替えは必須技術ですね。

  • オガさん
    「ミドルを狙った攻守」ほんとそうですね。
    劉詩雯選手はミドル処理が抜群にうまいですからね。
    あの小刻みのステップがそれを可能にしていると思います。
    小中学生のうちからみっちり鍛えておかないといけませんね。

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