先日、久しぶりに卓球教室へ行き、グループレッスンにて練習してきた。
他の参加者たちは全員初対面だったんだけれど、和気あいあいと楽しく練習を行えて、実にいい汗をかいて満足であった。
グループレッスンが終わり、その後30分間は台の開放タイムとなるので、誰かにお願いして練習してもらおうかしらと思っていると、ある方が「ゲームをやりませんか」と声をかけてくれて、ぜひぜひってことで3ゲームズマッチをやることになった。
その方は私より少し上の世代のとっても気さくな感じのオジサンで、グループレッスンのときに2回練習(計10分くらい)をして、少し喋っていた人であった。
ゲームが始まると、カウントはオジサンがとってくれた。
4-2で私がリードし、そこからしばらくの間、オジサンのカウントがとまった。つまりカウントを声に出さなかったってことだけれど、これは普通によくあることで、1点ごとにすべてのカウントを声に出すということはあまりないわけで、だからそのサイレントカウントの間は私も心の中で自分でカウントをとっていたわけである。
お互いに何点か取り合ったところで、オジサンがカウントを再開し「ファイブオール」と言った。しかし私のカウントでは「6-4」で私のリードである。
おや? っと思ったんだけれど、自分が間違っている可能性もあるわけで、まあいいやと思って何も言わなかった。
1ゲーム目は「11-9」で私が勝って、2ゲーム目に突入し、引き続きオジサンがカウントをとってくれたんだけれど、中盤にさしかかって、この試合2度目のサイレントカウントが発動した。
この時点でなんか嫌な予感がするなぁと思っていたんだけれど、何点か取り合ったあと、オジサンが再開したカウントは「7-6」、しかし私のカウントでは「8-5」で私のリードであった。
完全にやっとるな、この人。
「サイレントカウント明けのカウント間違い」これが2ゲーム連続で続くやなんて、偶然間違えたにしちゃあ不自然すぎる。
サイレントカウントの間に私の1点はどこに消えてしまったのか。
トンネルに入っている間に殺人事件が発生したかのようである。
果たして空白の時間に何が起こったのか、西村京太郎もビックリの実に巧妙なトリックである。
私の疑念は確信に変わったが、その間違いを私は指摘しなかった、というのは、ただのゲーム練習だからべつに負けてもかまわないということと、私のカウントが間違っている可能性もなきにしもあらずだからである。
しかし何より思ったのは、「理不尽なことが起こってもメンタルを乱さずに戦う」ということへのチャレンジであった。この状況で平常心で戦って勝つことができたら凄いことではないか、と思って、冷静になれよと言い聞かせながら戦い抜き、やっとこさジュースで勝利した。
もし3ゲーム目に突入していたら、先の2ゲームで不当に奪われた2点をチャラにすべく、今度は私がカウントをとり、試合開始直後の「ラブオール」と言うところを、いきなり「ツーラブ」と言っやろうと思っていたんだけれど、勝っちゃったもんだからこれは試せず。
ゲームが終わってからオジサンと笑顔で握手を交わし、その後まったりしながら15分ほど喋ったんだけれど、実に気さくで感じの良い人であったので、カウントごまかし戦法を使うような人ではないと信じたい思いでいっぱいである。
ふと思ったんだけれど、たとえば目覚まし時計くらいの大きさで、卓球台に取り付ければ点数を自動的にカウントしてくれるような機械が開発されないだろうか。
その名も『審判くん』
これさえあればカウント間違いも起こらないので安心である。
審判くんには「大声センサー」なる機能もあって、これは、たとえば得点時に雄叫びを上げた時に、基準のデシベルを越えた場合にブザーが鳴って「モウチョットシズカニ」ってイエローカードが出される、みたいな優れた機能である。
さらに卓球で最もモメる原因となる「エッジかどうか問題」も、審判くんならすぐに解決してくれる。
エッジかどうかで選手同士がモメそうになったとき、審判くんがビシッと「ジャンケンデキメロ!」と言ってくれるのである。
審判くんだけでは不安だという人は、『副審くん』もセットで購入すれば安心である。
こんな機械を、どこかのメーカーが開発して売り出してくれることを期待したい。
私は買わないけど。
ナルコさん
いつも楽しく拝見しています。
今回の記事も思わず笑いが出てきました。
私自身にもこのような体験(相手からだまされて。。。相手は悪気なかったと思います)があり、他人事とは思えませんでした。
ナルコさんのユーモアのセンスに心から脱帽です。
ふみさん
コメントありがとうございます!
笑って頂けるのが一番嬉しいです(感涙)
ふみさんにも同じ経験があるんですね。
わざとやってるなぁって気づいたら逆に指摘しにくいんですよね。
あのオジサンも悪気なくやってる感じだったので、なんか不思議な人でした。
再会したいとすら思います(笑)
また変な人に会ったら記事にしたいと思いますので、今度もご贔屓にお願いいたします。
笑わせてもらいました。
3ゲーム目が見たかったですが 笑
間違いを指摘して逆ギレされたら嫌なので、何も言わないほうが無難かもしれませんね。
ラケットマンさん
まさに触らぬ卓人に祟りなし 笑
へんなことされたのにまったく腹が立たないから不思議です。
めったにいないタイプの人と遭遇できてラッキーだなぁと思いますw
私も試合とかでなければゲーム練習とかでのカウント間違いはあんまりに気にしないようにしています。
ただそれを逆境に強くなるためのメンタルトレーニングと割り切る発想はありませんでした。
流石ですね。
自動得点、自動審判ロボットは欲しいところです。
得点や審判をセルフでやるとそれで神経を使ってしまい、戦略面が甘くなってしまうところも多少はあるかと思います。
ベーゴマさん
以前、指摘したときに「え? そうかなぁ?」みたいに首をひねりながらしぶしぶ訂正、という経験もあるので、間違いを指摘するのはちょっと勇気がいります。気にしないのがいいかもですね。
メンタルトレの発想はゲーム練習だからこそできたと思いますが、やりながら「これで負けたらめっちゃ悔しいだろうな」と内心ドキドキしていました 笑
ちなみにそのとき頭に浮かんだのは、横浜の世界卓球で水谷・岸川組のダブルスがエッジ判定でモメたシーンでした。メンタルを崩さず見事勝ちきった名シーンがふと浮かびました。
私とは規模が違いますが 笑
審判ロボの開発は実際にはかなり難しいそうですねぇ。
どちらに点が入ったかを判断するなんて果たしてできるのか・・。
もし実現しても一般人には手が出せない値段でしょうねw
カウントをごまかすオジサン笑わせてもらいました(笑)。カウントではありませんが、自分が気になるのはきちんとサーブトスを上げない人です。多分ルール改正前のまんまやってるんだと思いますが、ベテランの方に多く見られます。悪気は無くてもルールは守ってほしいものです。
審判をしてる時にトスの高さを注意したあと、気をつけていても上がらない人には何
何も言えません。その人なりに気をつける姿勢がわかるからです。
「今までそんなことは言われたことが無い」と逆ギレされた人にもそれ以上何も言えませんでした。気が弱い自分を反省。今後もルールの改正があるかも知れませんがしっかり対応していきたいと思います。
追伸、やっぱりちゃんとトスを上げてほしいですね。
てぐすさん
ありがとうございます~。
トスを上げない人いますよねぇ。トップ選手でも上がってない選手がいますからね。
あと、真上に上げないのも気になります。
「フリーハンドでインパクトを隠してはいけない」というルール変更には私も戸惑いました。いまだに違和感があります 笑
長年の習性を変えるのは大変ですが、しっかり対応しないといけませんね。
逆ギレなんて言語道断ですね。
まあ、私としてはこれ以上大きくルールが変わらないように祈りたいですが 笑
ナルコさんこんにちは。いつも楽しく見させてもらっています。前にアーレストカーボンの記事がありましたよね?ボクもシェイクとして使っています。(ラバーは赤面はラクザXソフト黒面はフェイントロング3なんですが)黒面の粒高を変えたいんですが、カールPHとカールP2の特徴を教えて下さいますか?
異質な中学生さん
いつもお読みいただきありがとうございますっ。
すみません、粒高は使ったことがないです・・。
お力になれず申し訳ないです・・。
「騙点」とタイトルにあったので、てっきり打球点を巧妙に隠したロビングとかの戦法かと思いました笑
こすい手を使う人もいるんですね。
私の入ってる部には、エッジかサイドか際どいところに入ったらいつも、強く主張するのではなくとりあえず「すいません」と手を上げる人がいます。
サイレントカウントと同じように悪気があってやってるのかが分かりづらいので、注意するにできません笑
卓球主義さん
まさかそんな紛らわしさを提供してしまうとは!?
申し訳ないです 笑
エッジかサイドか微妙なときに「すいません」と言う・・・これは凄い戦法ですねぇ。
やはり若干の悪意を感じますなぁ・・。2回連続でやったら確実でしょうね。
あと、レシーブミスした瞬間に「レット!」って手を上げる人。
これも若干、悪意のにおいがします 笑