卓球レポートを読む 2015年8月号


発売からだいぶ経ってしまいましたが、卓レポ8月号読みました。

 

今月号の目玉はなんつってもコレだね


【カラー特集】女子ジュニアナショナルチーム 躍進の理由
 
ミウミマをはじめ黄金世代とも呼ばれる選手たちの成長を支えている女子ジュニアナショナルチームの合宿に潜入し、彼女たちの強さの秘密に迫る、という企画。
 
女子ジュニアナショナルチーム(以下、女子JNT)がユニークなのは、その指導体制。
女子JNTの監督は呉光憲さんだが、メンバーそれぞれの母体コーチも合宿に参加しているのだ。
女子ナショナルチームが村上監督の指揮のもと母体コーチ制で成果を上げており、女子JNTもそれを踏襲しているのだが、女子JNTはより深く母体と選手にコミットしようとしているのだという。

呉光憲監督は次のように語る。

 

 私は、基本的に選手たちに伝えるべきことがあれば、直接伝えるようにしています。それと同時に、母体コーチに強化の意図を伝えることも欠かしません。
  というのも、JNTの合宿だけで私が練習メニューを組んで選手に課題練習に取り組ませても、年に数回の合宿でやるだけでは不十分で、意味がないからです。
  それは練習の内容についても、体力トレーニングについてもいえることです。例えば、瞬発力が足りない選手には、瞬発力を向上させるための練習やトレーニングを指導します。そして、学んだことを母体に帰ってからも必ずやってくださいと選手とコーチにお願いするようにしています。

 

母体とのコミュニケーションがうまくいかなければ、選手は自分のコーチと代表監督の意見の間で板挟み状態になっちゃうもんね。

 
それにしても、呉光憲監督は韓国出身で、母体コーチは中国人が多くて、女子JNTのコーチは日本人、という環境でやっているなんて実に面白いですな。
 
これがうまく機能したら凄い選手がたくさん輩出されるでしょうね、きっと。
 
この特集の前半は呉光憲監督のインタビューがメインで、女子JNTについて詳しく語っているんだけど、興味深い話がたくさん読めるのでほんとオススメですよ。
 
そしてこの特集の後半は、選手たちが取り組んでいる練習の具体的な内容とそのポイントを、選手本人と母体コーチのコメントを交えながら紹介している。
 
伊藤美誠、平野美宇、早田ひな、佐藤瞳、この4選手が行っている練習メニューを、一人につき2~3つ紹介しているのだが、その中からちょっこし抜粋します(イラストは載せられませんが、文字だけでも十分わかります)。

 

伊藤美誠の練習メニュー①
 
  下に紹介しているのは、バック側からクロス(右利きの相手のバック側)にバックハンドで連続して打球する練習だ。バック面に表ソフトラバーを貼るシェーク異質型の伊藤は、毎日欠かさずこの練習を行っているという。
「この練習をするときは、相手のバックハンドドライブのバウンドの長さやスピード、回転に変化をつけてもらいます。いろいろなボールへの対応力を高めるためです」と伊藤。
  裏ソフトラバーに比べて摩擦力が弱い表ソフトラバーは、打球面や打球タイミングわずかな狂いがミスにつながりやすい。多様なボールへの対応力を磨くことは、表ソフトラバーを使う選手にとって必須テーマだ。伊藤の多彩で威力のあるバックハンドの下地には、この練習がある。

 

平野美宇の練習メニュー②
 
  平野が師事する劉潔コーチは、平野の長所と課題について次のように分析する。
「(平野の)強みはミスが少なく、技術の偏りがないことです。特に苦手な技術がありません。一方、課題はまだパワーが足りないこと、そして、プレーが単調になりやすいので、ボールに緩急をつけられるようになることです」
  下に紹介しているのは、平野がバックハンドドライブのコントロールの強化を目的として行っている練習だ。サービスを出した後、バック側に来たレシーブをバックハンドドライブし、バック側に来たボールに対して、バックハンドドライブをフォア側2本→バック側1本の順にコントロールする。平野はこの練習で、打球に威力を出すことと、緩急をつけることを強く意識しているという。
  強くなるためには、自分が動くだけでなく、この練習のように相手を動かす練習も不可欠になる。そうすることで打球のコントロールがよくなるので、ラリーの主導権を握るチャンスがより増えるだろう。

この平野が行っているバックハンドドライブのコントロール強化の練習だが、
今月号の「邱建新の強くなるシステム練習」の中でも、「コースを打ち分ける練習でバックハンドドライブのコントロールを身に付ける」という目的の、同じような練習メニューが紹介されていた。
 

コントロールを磨く練習をする時には、「その打球が最も正しい判断なのか」ということを意識しながら行うことが大事だと邱建新さんは言う。

「コースを狙うことだけに気を取られずに、ボールが甘ければ強く打球し、厳しければ安定性を重視して打球する」といった判断が大事だということです。

バックハンドドライブをどのコースにも自在に緩急をつけて打てるようになれば、相当強力な武器になるね。皆さんもさっそくこの練習を取り入れてみてはいかがだろうか。

 

というわけで、卓レポ9月号は女子ジュニア特集がとても面白くてためになった。

写真もたくさん掲載されていて、合宿の雰囲気も伝わってくるしね。

あと水谷隼選手のナックル性ブロックの解説も相変わらずよかった。
これについてはいずれ改めて書こうと思っております。

そんなわけで、以上、今月もスンバラシイ内容の卓レポについてでした。

ではまた。

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