小さくても強い! 速攻卓球のレジェンド・王涛の「おおいかぶさり打法」

 

90年代に中国代表(ある時期はエースだった)として活躍したのが王涛である。
当時はヨーロッパが強かったのでシングルスで世界チャンピオンにはなっていないが、アトランタ五輪で銀メダル、ダブルスでは世界選手権とオリンピックを制している

私は現役時代に王涛の大大大ファンで、今回久しぶりに動画を観たんだけれど、もう素晴らし過ぎて興奮して頭がクラクラしてしもた。

王涛はサウスポーで、中国トップ選手では珍しいバック表(スペクトル)である。

なんといっても最大の特徴は、圧倒的な速攻卓球である。

王涛は小柄な選手で、私の記憶が正しければ、卓球雑誌に身長163cmと書いてあった。
男子選手において、これほど小柄で世界トップレベルで活躍する選手というのはかなり珍しい。

それではまず、パーソンとの激しい一戦をどうぞ。

 

2ゲーム目の王涛は神がかっている↓

 

パーソンとの身長差が凄いね……。
そしてこのポッチャリ体型、なんとも愛くるしいではないか。

まあそれは置いといて。

まず驚くのはその「動き方」であるが、これは単純に「フットワークが凄い」という表現では説明しきれない凄さがある。

「動いてから打つ」というより、「横に瞬間移動しながら打つ」といった感じ。

驚くのは、ほとんど「ベタ足」(のように見える)ということ。
無駄な足の動きがまったくない。

ベタ足からの瞬間移動。
これって人間業じゃないよね……。

 

絶対に下がらない。下がってもすぐ戻る

ところで、左利き・163cm・速攻スタイル、この3条件といえば、あの人と同じではないか。
さて誰でしょう?

そこのあなた「簡単じゃねぇか、丹羽選手だろ」なんてドヤ顔を決め込んでいるのではなかろうか。
ふん、正解はね、そう、丹羽孝希選手である。

丹羽選手も「速攻卓球界」の貴公子であるが、丹羽選手は意外と台から距離を取って打ち合うことも多いが、王涛はバック表ということもあり、絶対に台から下がらない

もし下がらされたとしても、驚異的なスピードですぐに前陣に戻って来る。
この流れが完璧に身体にしみこんでいて、頭で考えなくても条件反射でさっと戻るようになっているんだろうね。
まさに「パブロフの王涛」状態。

この「前陣への戻り」も速攻選手は見習うべきポイントだろう。

 

おおいかぶさるように打つ

そしてこれほどの速い卓球でありながら、安定感がバツグンというところが凄い。
速攻系の選手はハマり出したら手が付けられないが、ちょっと調子を崩すと一気にガタガタっとなってしまうものであるが、王涛は常に安定した速攻プレーができる。

この秘密はなんなのであろうか。
フォアドライブの打球点が相当早いんだけれど、確実に捉えて打ち損じないその秘密。

ちょっと表現が難しいのだが、「被せるように打つ」といった感じで打っているのが特徴的で、フォアに関してはこの打ち方に安定した速攻プレーの秘密が隠されているような気がする。

ラケットを被せるというよりは、王涛が体ごと「おおいかぶさる」ように打っているといった感じかな?

王涛は打球時にちょっと脇が空いているが、一般的には「脇を閉めろ!」と怒られそうな打ち方なんだけれど、これも被せるようにして打っているから脇が空いているわけで、これは小柄ゆえの工夫ということだろうか、それとも体格は関係なく、超速攻スタイルを可能にするために生み出した打法なのか、あるいはその両方か。

前陣で速攻をする場合、「ラケットの位置を下げない(高く保つ)」というのが大きなポイントであるが、王涛のように「おおいかぶさる」という打ち方をしてみるのもいいかもしれない。

王涛のような打ち方をしている選手は、今の中国代表にも日本のトップ選手にもいないと思うが(劉詩雯がこれに近い打ち方か?)、速攻卓球の秘訣として、改めてこの打ち方に注目してみても良いのではなかろうか。

 

「パワーがなくても小柄でも勝てる」ことを王涛は証明している。

丹羽選手も「小柄であることは不利でしかない」と言っていたが、同じ悩みを持つ選手も多いかと思う。
そんな選手は、バックを表にして速攻卓球を目指すというのもひとつの選択肢として有効なのではないだろうか。

 

そんなわけで、久しぶりに王涛の卓球を観て興奮がいまだ醒めない私であるが、プレースタイルといいポッチャリ体型といい、超個性派選手・王涛の魅力や奥深さはまだまだ尽きない。

だいたい王涛の最大の武器といえば、変幻自在の球質と鉄壁のブロックで相手を翻弄する「バックハンド」なのである。

今回はバックハンドについて触れることはできなかったが、王涛がバックハンドを含めていろいろな技術を実演・解説している動画を発見したので、最後にそれを紹介します。

8 件のコメント

  • まさに自分世代。
    ヨーロッパが強かった古き良き卓球ですね。
    もちろん今の卓球も大好きですよ。
    王涛対田崎戦を動画サイトでたまに観ますが、小柄な二人が飛び回っている姿は圧巻です。
    思えば田崎選手の卓球に憬れたのが間違いの始まりでした…w

    そう言えばまったく私ごとですが、ついに夢の自宅卓球台の設置に成功しました。
    これで友達がいなくても強くなれると証明してみせますw

    • つぐさん
      90年代の卓球は革新的な技術も多くて色あせることがないですよね。
      改めて勉強させられることが多い時代です。
      王涛対田崎戦は伝説の一戦ですね。2人のファンである私がいま観たらめまいがして倒れるでしょう。

      そ、それより、自宅卓球台の設置だなんて! 羨まし過ぎるではないですか!
      いいないいなぁ。
      今度招待してください(笑)

  • もう今後はああ言う速攻型の選手は世界的には出てこないかもしれませんね。
    オールラウンドな時代だからこそ時代に逆行するような、スカッとするフォアハンドを使いこなす速攻型が現れてほしいものです。

    自宅卓球台はファミリー用を改造したもので、大体規定の4分の2.5くらいの大きさです。
    六畳間にギリ納まりました。
    当然背中のすぐ後ろはふすまです。
    まさしく前陣速攻型だけに許された練習台と言えますw

    1球練習を誰にも迷惑かけずいくらでもできるのが最高です。
    裏面ドライブのコツが分かってきました。
    ご近所迷惑にならないようにスリッパで静かに練習するのもコツです。

    • つぐさん
      最近の中国選手は鍛え上げられた肉体を武器に両ハンドドライブを振りまくるパワー卓球の傾向がありますからね。王涛的な速攻卓球は男子ではなかなか出てこないかもしれませんね。
      でも楽しみに待ちたいです (^^

      私も自宅でなんとか1人練習できないものかと考えていますが、なかなか大変です(音の問題がありますから)。
      スリッパを代用品にするのはいいアイデアですね。
      1人練習ができる台があるのはほんとに羨ましい限りです (^^)!

      • 近年だと森田選手や川口選手あたりが最後でしょうかねー。
        でも楽しみに待ちたいと思います。
        自分が指導者なら恐らくシェイクハンドドライブ型をすすめると思いますがw

        リターンボードを作る予定ですが、安いマシーンを買ってしまおうかと本気で考えてます。
        そしてスリッパでは打たないですけどねw

        • つぐさん
          今年の全日本ジュニアで速攻タイプを探してみたいと思いますが、ペン表はいないでしょうねぇ。
          せめてシェークのバック表がいればいいですけど。

          マシーンを購入して1人練習できたらもう完璧ですね。
          最近のやつは小さいのでも高性能ですからね (^^)

  • 今の時代は少し厳しそうですよねー…
    表が有利になる様なルール変更にをしてほしいものです

    • シンタロー
      表ソフト選手が増えるような制度を作るのはありかなと思いますね。
      昔あったような「チームに1人は表選手が必要」とか。
      でも、無理やり表にさせられる選手がいたりなんかしたら、と考えると……。

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