短いボールはプッシュすべし。シェークに負けないペン流の台上


「ペンはバックハンドが振れないからシェークよりも不利だ」なんていう失礼な発言を最初にした人はいったいどこの誰であろうか。

あまりに多くの人が言っていることなので、犯人捜しをするのは極めて難しい(たぶん森喜朗元総理あたりじゃないかと思うんだけれど)。

まあ、それはいいとして。

私が最近考えているのは「台上のボールをいかにバック系の技術で攻撃的に返球できるか」ということである。

片面ペンの選手や、私のように裏面を貼っているが使いこなせていない、なんちゃって裏面選手の場合、バック側へのストップやショートサービスに対してのバック系の技術というと「ツッツキやストップだけ」になってしまう傾向がある。

チキータやバックフリックなんていう技術はできないわけで、つまり相手としてみれば「台上ボールの返球パターンが乏しいやりやすい選手」ということになる。

やはりこうしたところが「ペンは不利だ」なんて言われてしまう要因であるということか。

そう言えばお釈迦さまが生まれてすぐに「台上変化ペンはマジ損」と言ったとされているが、あれはつまり、「片面ペンはバックハンドが振れない分、台上の変化のバリエーションが乏しいからシェークより不利だ」と言いたかったのであろう。

太古の昔からペンの不利が指摘されていたなんて、全国のペン選手には何とも悲しい事実ではないか。

※訂正 お釈迦さまが言ったのは「天上天下唯我独尊」でした。

 

話が脱線したので元に戻すと、

私は決してペンは不利ではないと強く信じている生粋のペンホルダーっ子であるので、一般的なペン選手があまりやらないようなバック系技術の探求に余念がないのである。

そんな技術の筆頭として私が考えているのが「台上のボールをプッシュする」という技術である。

バックサイドへのストップやショートサービスに対してプッシュして返球する、ということであるが、これができればペン選手としての戦術の幅がグッと広がる。

 

ポイントとしては、前進回転をプッシュする時と違って、腰を入れて打つとか、ラケットを引いて(テイクバックを取って)打ってはいけないってこと。

ラケットを引かず(テイクバックを取らず)に「下から上方向へちょっと擦りながら前に押す」と入りやすいと思う。

あるいは、「ラケットを横方向に動かしながら(サイドスピンをかける感じで)プッシュする」という打ち方もありだ。

基本的にはこの2種類の打ち方でいけるんではないかと思う。

軽めに打球して確実に返球してもいいし、強めに打球してより攻撃的にいくのも良しだ。

 

で、最近この技術についていろいろと考えていたところ、良い動画を発見。

先日行われた吉田海偉選手と徐輝選手の試合なんだけれど、吉田選手の台上のプッシュ技術に注目してもらいたい(動画の前半に3回ほど)。

 

実に見事ですね。

この技は一発で決めるという目的で使うものではなく、あくまでも「繋ぎの技術」であって、ここからラリー戦に持ち込んで仕留めるまでが1セット。

これをものにしたらペン選手として1段も2段も上のレベルで戦えること間違いなしである。

 

ちなみに私は現役時代、台上だけでなく、バックに深く来たツッツキに対してもプッシュで返すという荒技を練習していたが、さすがにこれは試合で使うまでにはならなかった。

だけどこの技術をものにできたら、ペンの新しい可能性が広がるのではないかという気がしないでもない。

今後の課題として、こちらもちょこちょこ練習していきたいと思う。

 

 

24 件のコメント

  • 吉田選手を久しぶりに観ましたけど、随分戦い方が変わったんですね。
    クレバーな感じ。
    パワフルな何志文みたいです。
    バックプッシュはちょうど自分も同じような事を考えていました。
    一時期やってて、割と点を取れた印象でした。
    自分の場合はプッシュとバックハンドの中間みたいな不思議なものになってしまうのですが…。
    裏面もそうですがペンでバック側の球を攻撃すると相手がビックリするのですごく楽しいですねw

  • バック前に浮いたボールなんとかしたいですよね。吉田海偉の動画参考になりました。卓球を年甲斐もなく始めたころ、近くの小学校の日曜開放で相手をしてくれた60歳ぐらいのおじさんですが、お互いバックバックでつっつきをしていると、いきなり手首のスナップをきかしたバックハンドプッシュをかまされたことを思い出しました。同年代のおばさんと試合をしましたが同じような技を使われました。25年ぐらい前のことですが、鮮やかに思い出します。当時のペンラケットプレイヤーにとっては一般的な技だったのか謎です。
    バック系の技術で参考になるのは、ブラジルのカズオ・マツモトさんです。バック前のつつきを手首を柔らかく使って前進回転に代えて返球しています。参考になります。
    台上変化ペンはマジ損のナンセンス地口、大笑いしてしまいました。笑いはナンセンスにかぎります。

  • つぐさん
    吉田選手の戦い方、かなり変わりましたよねー。
    吉田選手のプッシュってめちゃくちゃ速いんですよね。最高にシビれます。
    今の戦い方の方が私は好きです(^^)
    つぐさんの「プッシュとバックハンドの中間みたいな不思議なバックプッシュ」ってのは良いですねぇ。
    「なんだその技は!?」って相手に思わせやすいのがペンの特権かもしれませんね。

  • ペンドラ直ちゃんさん
    20年以上前のペンプレーヤーの方々はバック系の技術の使い手がたくさんいたんでしょうね。
    今の50代60代の人たちに話を訊いてみたら大きなヒントが得られそうですね。
    カズオ・マツモト選手のバック系の台上技術の上手さは知りませんでした。今度そこに注目して動画をチェックしてみたいと思います。
    そしてくだらないコボケをお褒めいただき、ありがとうございます!
    非常に嬉しいです(^.^)
    私も小説や映画、お笑いはナンセンス・不条理が大好きです。

  • 私はバック前のストップやショートサーブに対しては、基本的には回り込んでフォアで処理することを考えます。
    とは言え、回り込みが間に合わないことが少なくないです。むしろそっちのほうが多いくらいです。
    この前、卓球教室でこのような球をバックで処理する方法を練習しました。
    プッシュのような感じで打つのですが、打球の瞬間、ラケットを返す(捻る?)というもの。
    バックフリックの一種だと思いますが、ストレートを狙うと効果的とのことでした。
    あと、相手のバックサイドを切る高速ツッツキも効果的ですね。

  • ベーゴマさん
    回り込みってほんとに難しいですよね(>_<) 回り込みが間に合わない時のためにバック系の技術は必須ですね。 おっしゃるようなバックフリック的なプッシュも非常に有効な技だと思います。 ラケットを返すようにしてパンッと弾くとスピードボールが打てますね。 それをストレートに打たれたら、確かにかなり効きそうです。 私もストレートを意識して練習してみます(^-^)

  • 日本式ペンの選手がたくさんいた時代、当時の選手たちのバック技術が優れていたか?
    もしそうであれば、ここまで日本式ペンの使い手が減ることは無かったでしょう。
    オールフォア信仰というのがどれだけ罪深いものか、私たちは今になって知らされている
    訳です。

  • 不滅の表使いさん
    今となっては比較するのは難しいですが、昔の片面ペン選手は今の両面ペン選手にはない特徴的なバック技術があったのではないかという気がします。
    そうした技術を見直した上で、新しい日本のペンスタイルを構築できれば面白いのではないかと思います。

  • 初めて投稿させていただきます。まだまだ弱い自分ですが、ペン片面はバックサイドが不利という思い込みは捨てたいと思います。以前は台上技術はペンが有利と言われていたのに今は逆。サービスに関しても同様ですね。シェイクの選手は見事に創意工夫でかつての不利を克服し更には長所にすら進化させました。ペン片面にもやれることはまだあると思いますし、従来の技術の精度を高めることでも大きな成果を得られると思ってます。
    韓国の女子ペンドラ文炫晶(ムン.ヒュンジョン/MOON Hyunjung)選手の動画は、いわば基本の極みだと思います。2005年世界選手権上海大会 文炫晶vs王楠の試合をおすすめさせていただきます。

    • てぐすさん
      初コメントありがとうございますっ。
      ほんとそうなんですよね。
      チキータが生まれたことによりペンの台上の有利さがかなり薄れた感がありますね。
      とても歯がゆいですが、台上プッシュやサイドスピンツッツキなど、ペンならではの技術でギャフンと言わせたいですね。
      文炫晶選手の動画さっそく観ました。
      玄静和に強烈なフォアドライブを足したようなスタイルで、お手本のような卓球ですねぇ。
      個人的に男女ともに韓国のペン選手には期待していますが、片面ペンでバックハンドをガンガンに振るタイプが出てきたら泣いて喜んじゃいますよ、私は 笑
      文炫晶vs王楠の試合もあとでチェックしときます!

  • プッシュはシェイクでも出来なくも無いですがペンの方がやりやすく威力が出ると感じています
    只弾道がどうしても直線的に成らざるを得ないのでドライブと比べると入り辛いのは否定仕切れません
    最近の台上技術は発達していて台上ドライブ、台上チキータ、逆チキータなんてのも有りますから
    それでもペン使いにとっては有効な武器なだと思います

    • つばきさん
      まさにおっしゃる通りですねぇ(しみじみ)。
      よっぽど威力がないとプッシュは返されやすいですし。

      シェークの台上は多彩でやっかい。
      それでもペンプッシュは強力な武器だと信じたいですね。
      プッシュ以外の技術も開発せねばいかんですけどね・・。

  • そもそもペンは難しいから使う人が少ない
    使う人が少ないから開発しにくいんだと思います
    やっぱりどこ行ってもまず最初にシェイクを持たされますから
    ペンの利点は相手にとって取りづらい裏面(ここ真正面で裏面すると球質がシェイクのバックハンドと大差無いのでボールの横側を打ってサイドスピン気味に打つ方が効果的です)とサイドスピンショートとフォアハンドとプッシュですね
    後は正直思い付かないです

    • つばきさん
      メーカーとしても需要が少ないものを開発するのは商売上きびしいのかもしれませんね。
      ペンの利点はおっしゃるようにいろいろありますが、マスターするのが難しいといった難点もありますし、シェーク全盛の中で、卓球を始めようとする人があえてペンを選ぶ勇気は出にくいですよね。
      そこを「自分はペンだ!」って言ってくれる人が出てくることを祈りたいですね。

  • やっぱり需要はシェイクですからね
    どうしてもペンは踏み込み難いんでしょうね
    ペンは許シン選手も語ってましたが「ペンは強い意志を持った人間で無ければ使いこなせない」だと語ってました
    この言葉の重みは大きいです
    本当に強い意志が必要ですね
    特にこのシェイクドライブ全盛期の世の中だと尚更必要です

    • つばきさん
      シュシンの言葉はシビレましたよねぇ。
      裏面が振れるトップ選手でさえそういうことを言うってのが、いかにペンが厳しい時代なのかわかりますね。
      シェークドライブ全盛の時代にペンを貫き通す意思は滝業でもしないと身に付かないんじゃないでしょうか 笑

  • 普通の人はシェイクを使いますから
    フォアでドライブ、角度打ちが可能になりバックはバックハンドと言うバックで打てる事が可能になりドライブ可能、ブロックもしやすくしかも差別化と言われた台上すらもチキータが開発されて一般市民に広まった今では隙きが無くなりました
    弱点はミドルだけですね
    その利点を敢えて抜いてそれでも自分はペンを使うと言う強い意志が必要ですね
    しかも戦型が全て難しいです
    片面ペンドラだと動き回らないといけませんし選手生命は短いです
    両面使いならシェイクと同じになりますが裏面が難しいと言う事実
    ペン表速攻ですとこの裏ソフト全盛期だと中々大変ですよね
    ペン粒は中国で語りましたが日本では見込めないかと

    • つばきさん
      まさにシェークの弱点はミドルだけだと言えますね。
      おっしゃる通りチキータが開発された今となっては、もはやペンの台上の有利さはありません(悲)
      チャンポンロンのような強烈プッシュ&バックハンドを振れる選手でないと、片面が世界で勝つのは難しいでしょうね。
      ペンのバックハンドは、入れば相手が返しにくいという利点はあるかと思いますが、いかんせんマスターするのが至難の技ですから・・。

      表ソフトの利点もよくわからなくなってきている今日この頃ですが、「ペンの裏表」という戦型を目指そうとしていたことをいま思い出しました・・。これは反転してペン裏になったりペン表になったりするってやつですが、このスタイルはかなり難しそうです・・。

  • 議題とは違いますが最近の表は表を使っているのか裏ソフト使っているのか解らなくなっていますね
    なんというか表ソフトの特権は回転の影響を受けにくい、ナックルがでやすい、球離れしやすくスピードがでやすい、ナックルが打ち易いの4つなんですが最近の口論で上がっているのは結局ドライブの掛けやすさがほとんどです
    だから表ソフトでもドライブが掛けやすくて飛び易いラバーが勧めれます
    モリストspとかインパーシャルとかスーパースピンピップスレッド、ブルーとかですね
    逆にスペクトルとかは2chの表ソフトスレでは回転不足言われています
    そこまで回転を求めているなら裏ソフトで良くね?と思って聞いてました

    • つばきさん
      回転系の表を使うなら裏でいいかなと私も常々思っています。
      回転量なら裏のほうが優れているわけですから。

      もはや裏も表もあまり関係なくて、スタイルの問題のような気がしますね。
      「ペン表」も「ペン裏」も、ミートを主体にしたスタイルなら同じ戦型だと思います。
      ただ、表で会心のミート打ちをした時のパシンっという爽快感は表ならではの気持ち良さだと思いますね 笑

  • narukoさん、こんばんは。
    単板ラケット&アロンアルファのぴです。(笑)

    全日本真っ只中、narukoさん大阪まで出向かれるのですね・・(楽しんで来て下さい!当方、チケット確保をしたものの、結局断念・・)
    個人的には「丹羽孝希VS水谷隼」は待ち望んでいた、最も見たい対戦です。(あぁ生観戦・・)

    リオオリンピック後に実に30年振りに卓球観戦をした当方、もはや「ペンホルダー」は絶滅したのかとさえ思っておりました。
    何かの番組で宮崎義仁氏が「手首の可動域はペンホルダーが勝るのですが、子供は手首の力がないから、シェイクハンドのほうが扱い易いんです」の説明に妙に納得をしたものです。当方が卓球を始めた中学校の部活動では、どの学校もペン7〜8割、シェイク2〜3割といった感じでした。しかもシェイクはカットマン比率が比較的多かったような・・(まだ、ラバーの両面が同色だった頃です!)

    そういえば当時、ペンホルダーでもバックハンドもどき(ショートやプッシュではなく、フルスイングです)の練習を下手ながらしていたこともありました。

    • お馴染みアロンアルァのぴさん(笑)
      こんばんは~。
      ちょうどいま全日本を動画で観ていたところでした。
      ネットで観られるとは、つくづくいい時代になったと感じます。
      その全日本ですが、最終日に観戦に行く予定でしたが、急遽重要な仕事が入っちゃいまして、断念ということにあいなりました・・(悲)
      そんぶん、ネットで観まくりの毎日です。
      ぴさんはチケットを確保したのに行けなくなったとのこと、心中お察しします。
      来年こそはお互いに生観戦しなきゃですね。

      ペンはめっきり減っちゃいましたね~。
      しかし、昨年の全日本カデットでペンホルダーの選手が優勝しまして、私は個人的にその選手に期待しております。

      子供にとってはシェークのほうが確かにやりやすいでしょうねぇ・・。
      ペン裏裏だと重量も重たいから子供はなかなか振り回せないですしね。
      私の現役の頃は7:3でシェークが多かったですが、ペンもけっこういて面白かったです。
      両面同色は禁止でしたが、カットマンもけっこういました。
      ペン選手も3割くらいほしいですが、低年齢化している現代では難しいのでしょうねぇ・・(悲)

  • narukoさん

    こんにちは、アロンアルファの(笑)ぴです。
    全日本断念、残念でしたね・・
    当方、全日本ダブルス中継視聴中、水谷・大島ペア敗退(涙)・・

    それにしても、女子は大混戦ですね。
    特定の選手が連覇を続ける状態より、チーム日本としては全体のレベルが上がるとはいえ、馬場監督がチーム構成に悩んでしまいそうな・・(大きなお世話ですね)←ちなみに当方水谷さんファンです、誤解なきよう・・(笑)

    • ぴさん
      もはや「アロンアルァのぴ」がユーザーネームですね(笑)
      全日本の熱さは半端ないですね。
      女子の波乱には驚きました。
      ミウちゃんファンの私としては残念でしたけど、木原ちゃんも好きなんで、ほんとに期待したいですね。
      私は今日の夜に動画で確認するのでまだ結果は知りませんが、早田ひなちゃんが優勝するんじゃないかという予感があります。

      いやほんと、オリンピック代表争いが混戦を極めそうですね。
      世界ランキング20位以内の選手は全員出場できるというルールに変えてほしいものです(笑)

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