卓球王国を読む 2018年7月号

 

今月号も、表紙から裏表紙まで、くまなく読み倒しました。

 

卓球王国 2018年 07 月号 [雑誌]

 

表紙を飾るのは、おらが日本の卓球5人娘(恐ろしいほど華があるなぁ)。

そんな7月号の目玉特集はコチラでる。

【超速報】
2018年世界卓球選手権 ハルムスタッド大会(団体戦)

記憶に新しい世界卓球ハルムスタッド大会の大特集である。

予選から決勝戦までの激闘の振り返りはもちろん、「日本男女監督コメント」「平野早矢香の眼」「世界卓球の舞台裏」、さらには、第1回世界選手権から現在までの団体でベスト4に入ったチームを一覧で掲載する「1926-2018 世界選手権(団体)ベスト4 一覧」など、80ページ以上の大ボリュームである。

寝かせたカレーは旨いというが、世界卓球が終わり数日が経ち(寝かせて)、改めてこれを味わうというのも、卓球の大人な楽しみ方と言える。

 

印象深かったところを1つだけ挙げると、「世界卓球の舞台裏」の中で紹介されていた、開催国スウェーデンのボランティアスタッフの温かさにつてのくだり。

今大会の開催地は、スウェーデンの西南部にあるハルムスタッド。パーソンの生まれ故郷だ。人口6万人の小さな町での開催は世界選手権史上、最小の町での開催となった。一番の問題は宿泊施設がなかったことだ。市内には3、4軒のホテルしかなく、20キロ、30キロ離れた町のホテルやペンションを借りて会場まで通う関係者も多かった。
その不憫さを補って余りあるくらいに、ボランティアなどのスタッフの温かさには感じるものがあった。どの大会でも取材をしていると、イライラしたり、トラブルに遭遇することは多い。しかし、この大会ではそれもほとんどなかった。
(中略)
試合も大いに盛り上がった。スウェーデンの人たちの卓球への理解の深さと、彼らの懐の深い民族性に触れた大会だった。

卓球への理解と愛情があれば、これほど小さい町でも世界卓球が開催できるということである。夢が広がるではないか。

そういえば、王国のWEBサイトで、肥大化する世界選手権の開催地が限定されるため、大陸ステージ(大陸予選)を導入するという記事があった。
2021年大会から実施される予定だそうだが、これが実現したら、世界中の小さな町での開催が可能になるということ。

私も田舎者なので、我がふるさとにも世界卓球を招致できるかもしれないと妄想が膨らみ、ニンマリしてしまう。
けれどハルムスタッドのように、地域が一体となって卓球を盛り上げることができるかといえば・・・。うーん、やはりハルムスタッドの情熱はすごい。

 

シリーズ初のペン選手登場

もうひとつ注目したいのはコチラの企画

徹底解剖! 強者のスーパーテクVOL.11
宋恵佳の裏面テクニック

このシリーズも今回で11回目なんだけれど、意外にもペン選手は初登場。
テクニックを披露するのは、中国電力の宋恵佳(そう・えか)選手。

国内屈指の裏面打法の使い手である宋選手が、裏面でのバックドライブ、バックミート、チキータ、裏面とフォアドライブの切り替え、そして悩んだ末に修正したというグリップまで、余すことなく解説する。

この中で宋選手は、ロングボールに対する裏面ドライブのポイントを次のように話している。

(前略)
相手のブロックなど、ロングボールを裏面ドライブする時に気をつけていることは、ラケット面をかぶせすぎないようにすることです。ラケット面をかぶせすぎるとインパクトでボールを薄く当てることになるので前に飛びません。ラケット面はあまりかぶせずに、最初からこすろうとしないで、ボールがラケットに当たってから回転をかけるイメージでスイングしています。また、インパクト後のラケットは前ではなく、上に振るようにしています。こうすることでボールに回転をかけることができてドライブが安定します。
裏面ドライブでミスが出るのは、手首を使い過ぎて、ラケットがグラグラしてしまう時です。私は手首を固定して、ひじを支点にして前腕で小さく振るようにしています。

 

「インパクト後のラケットは上に振る」これはかなり重要なポイントだと思う。
どうしてもロングボールに対しては前方向にスイングしてしまいがちだけど、上に振れば回転がかかって安定もするってこと。私もそうだけど、意外にこれを意識していない人は多いのではなかろうか。

私も何度か裏面に挑戦してなかなかうまくいかなくて悔しい思いをしている1人だが、今回の宋選手の解説記事はかなり参考になった。
裏面打法を身につけたい人は1文字残らず読み倒すべき特集だと思います。

そんで今月号では、「選手に聞いた 用具のこだわり」にも宋恵佳選手が登場。
昨年から『キョウヒョウ』を使い始めたことで総重量が重くなった(約185g)そうだが、「重くなっても私はすぐに慣れるので、重量はあまり気になりません」とのことで、非力な私には羨ましい限りだよなぁ、なんて思ったりした。
こちらも合わせて読むとなお参考になること間違いなし。

 

こんな感じで、今月号も大いに勉強になった卓球王国。

今月号には、別冊付録として「日本卓球リーグ選手名鑑2018」が付いていた。
私は先日初めて日本リーグの試合を観戦してハマったが、次回はこれを持っていこうと思う。

それにしても、今月号の「壮絶! フェアプレー合戦」と題した伊藤条太さんのコラムは、いつも以上に奇天烈で凄味があった。
条太さんのブログで「そのうち雑誌に書くのでお楽しみに」と予告していたネタであるが、普通の雑誌なら編集者に却下されるであろう妄想全開のおふざけ話は、条太ファンならずとも読む価値がある。

以上、7月号でした。

 

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