【創刊60周年!】卓球レポートを読む 2017年10月号

 

卓球レポートは創刊60周年を迎えたそうである。
60年も続いているスポーツ雑誌というのは他にあるんだろうか。
とにかく凄いことである。

そんな卓レポさん、今月号も、めくってめくってめくり倒してやりました。

10月号の目玉企画はコチラ。

【カラー特集】
世界王者吉村真晴が教える
混合ダブルスの勝ち方
【カラーインタビュー】
吉村真晴「ここで立ち止まるわけにはいかない」

カラー特集は、世界卓球2017混合ダブルスでチャンピオンとなった吉村真晴選手が、レシーブを中心に「混合ダブルスの勝ち方」を伝授するという企画。

混合ダブルスを普通のダブルスと同じだと考えている人は多いかもしれないが、吉村選手は「あまり知られていないが、混合ダブルスにはこの種目ならではの考え方や勝つためのコツがある」と語る。

女子からのリクエストに男子が応えられるかが重要
ダブルスでは互いがどういうプレーをするべきかパートナーとコミュニケーションを取ることが大切ですが、それは混合ダブルスでも同じです。
ただし、混合ダブルスの場合は、男女が同等に主張し合うよりも、「男子が女子の要望をできるだけ聞く」ことが大切だと、僕は考えています。パワーや動きの速さで勝る男子が女子のプレーに合わせるのは比較的簡単ですが、女子が男子のプレーに合わせるのは難しいからです。混合ダブルスでは、男子が女子に歩み寄り、女子が求めるものをできるだけ提供していくことが重要です。
男子が女子に合わせる考え方は、「男子の独り善がりなプレーを防止する」ためにも欠かせません。混合ダブルスでは男子が強引なプレーで得点を狙いがちですが、それでは男子の調子に大きく左右される不安定なペアになってしまいます。
言うまでもなく、混合ダブルスは男子の攻撃力だけで勝つことはできません。男子が強引なプレーで試合を壊さないためにも、男子が女子の要望に応える心構えを持ってコミュニケーションを取ることが重要だと思います。

他にもいくつか混合ダブルスの特徴やポイントを語っているが、それらのことを踏まえた上で、次のページではレシーブの基本戦術を解説している。

吉村選手は混合ダブルスにおける重要な3種類のレシーブについて解説しているが、例えばストップレシーブについては次のように語っている。

3球目を待つ相手が男子の場合はストップが有効
混合ダブルスでレシーブの中心になるのは、ストップです。相手コートのネット際へ短く返すストップで相手の強打を防ぐことが、混合ダブルスにおけるレシーブの基本戦術になります。
特に、3球目を待つ相手が男子の場合は、安易にレシーブを長く返すと強打される可能性が高くなるので、ストップをレシーブの基本にします。
3球目を待つ相手が女子の場合でもストップは有効です。ただし、女子はこちらのストップに対してツッツキで確実につないで来る傾向があり、そのツッツキをこちらが攻めあぐねて相手に主導権を握られるケースもあります。その場合には、ストップにこだわらず、ツッツキやフリックなど長いレシーブを中心に組み立てるようにします。

この企画では、世界卓球2017混合ダブルス準決勝での、吉村選手のレシーブのデータも掲載されており、そのデータを使った分析なども書かれている。

混合ダブルスの経験がない私は、なんと奥深きかな混合ダブルス、と感心しながら読んだ。

混合ダブルスについて語れる人はそれほど多くはないだろう。
ましてや現役バリバリの世界チャンピオンの解説を読める機会は希少。

そんな意味で、ごっつい必読である。

 

目指せエンドライン際の達人

そしてもう1つ取り上げたい企画がコチラ

世界の技から学ぶ
エンドライン際のフォアハンド

相手のボールが台からワンバウンドでぎりぎり台から出てくるケースは多い。そうしたエンドライン際のボールを見逃さずに攻撃できるようになることは、強くなるために欠かせないテーマとなる。
この企画では、トップ選手たちがエンドライン際のボールをフォアハンドドライブで攻撃している連続写真を用いて、そのポイントを解説している。

紹介されているのは馬龍、張継科、樊振東、オフチャロフ、張本智和の5選手。

打球が正確になるよう、右足を前に踏み込み、低い姿勢で準備。
相手のストップを攻撃できると判断したら、右足を前に踏み込み、「右足前のスタンス(足の構え)をつくる」ことが、バックスイングを取るときのポイントだ。そうすると、体が台に近づくので、打球が正確になる上に、ラケットをスムーズに動かしやすくなる。
バックスイングを取るときは、右足を踏み込みながら「姿勢を低くする」ことも重要だ。姿勢を低くするとボールの高さに目線が近づくので、打球がより正確になる。姿勢を低くしても体のバランスが崩れないように、踏み込んだ右足でしっかり踏ん張ることも大切なポイントだ。
右足を踏み込んで姿勢を低くしながら、上体を右に大きくひねり、ラケットを低い位置に引いてバックスイングしよう。

私はこの打ち方をやることがないので、なるほどと思った。
右足前で打つっていうのはかなり難しいからね。

だけど確かにトップ選手の試合を観ているとこの技術をしっかりとマスターしており、要所で使っているのがわかる。
一般選手もぜひともマスターしたい技術である。

この企画では他にも、スイング時の体の使い方やラケット面の角度など、いくつかのポイントを紹介しているので、じっくりがっつり、要チェックである。

 

そんなわけで、今月も勉強になった卓レポであるが、冒頭で触れたように創刊60周年ということで、今月号には「60周年記念ステッカー」が付いていた。

誰のデザインか知らないが、日本のトップ選手にメタリックな鎧をまとわせた姿を描いておって、なかなかカッチョ良かった。

以上、10月号でした。

 

6 件のコメント

  • 男子の「速い」ボールと女子の「早い」ボール。お互いが普段取り慣れていないボールにどう対処できるか、そしてそのためにどうパートナーをサポートできるか。混合ダブルスは最終的にはここに帰着すると考えています。
    長い上回転系、長い下回転系、短い上回転系、短い下回転系… どんなボールを送ればパートナーの好きなボールが返ってくるのか、どんなボールを送ればパートナーの苦手なボールを避けられるか、と頭を働かせる必要がありそうです。

    • Kさん
      まさにそのようなことを吉村選手は言ってますっ。
      普通のダブルスより頭を使う種目ということですよね。
      卓球の面白さの新たな魅力は混合ダブルスにあるのかもしれません。
      東京五輪で採用されたので、これからますます注目される種目になってもらいたいですね!
      中国のトップ選手が混合ダブルスの戦術をどのように考えているのか気になるところです。
      中国がもっと力を入れてくれると混合ダブルスはさらに面白くなりそうです。

  • 僕も混合ダブルスの経験がないので、その魅力を知りません。
    でも奥が深そうで面白そうですね。
    パートナーがいれば試合に出てみたいです。

    • ラケットマンさん
      一度でいいから経験してみたいですよねぇ 笑
      夫婦ペアとかで出られたら最高なのかもしれませんね。
      勝ち負けを超越した面白さがありそうですw

  • 東京五輪で混合ダブルスが採用されたから
    インターハイなど年代別の大会でもドンドン採用して欲しいです
    ただ、正直中国が混合ダブルスを組んだら普通の男子ダブルス
    みたいになりそうです

    • しんこうしんこうさん
      インターハイの混合ダブルスも面白そうですね!
      中学生ぐらいから混合のスペシャリストを育てていくのもアリかもしれません。
      中国の混合ペアはまさに普通の男子ペアくらいの実力がありそうですね。
      いっそのこと、男子同士・女子同士・男女、すべてありのごちゃ混ぜダブルス大会をやってもらったらいいかも 笑

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