卓球王国を読む 2015年8月号



8月号の注目企画はコチラ『馬龍の強さ!〜世界王者を徹底分析〈前編〉』

今月から2回にわたり、馬龍の強さの秘密に迫る企画で、馬龍のインタビューや技術分析など、馬龍ファンならずともヨダレが垂れちゃう馬龍づくしのおいしい企画である。

ここでは『馬龍 王者の技術』の中に書かれていたコラムをご紹介。

馬龍を育てた中国卓球の「初期設定」
「速いボールを打て」とは言わない!
 中国で初・中級者を指導する場合、まず要求するのはボールの速さではなく、回転をかけられるようになること。スピードが出ない粘着性の裏ソフトラバーで、体重移動と腰の回転を使い、しっかり回転をかけることでボールを飛ばし、正確にコントロールすることを覚える。打球点は常に頂点で打つのが基本だ。
日本では打球点の早さ、打球のスピードを早い段階から要求する指導者もいるが、小さい「合わせ打ち」のスイングが初期設定になってしまうと、ジュニア以降の年代では勝負できない。切れた下回転のボールが打てず、中陣での打ち合いに弱い選手になってしまう。
用具の発達で小さい選手でも速いボールが打てる時代になっているが、将来を見据えた指導とフォーム作りが大切だ。


馬龍のフォアハンドはめちゃくちゃ豪快であるが、しっかりと体重移動と腰の回転を使って打っているからこそあれほどの強烈なドライブが打てるのである。

それは、小さい頃からそのような打ち方ができるような中国卓球の指導法があったからだ。

う~ん、確かに弾み過ぎるラケット(ラバー)に頼って手打ちになってる小・中学生ってたまにいるよねぇ。

私は現役時代はペン表であったが、後陣から大きなフォームで打つ練習をよくやらされていた。
「大きなフォームで打てれば小さなフォームでも打てるが、その逆はできない」と指導者は言っていたが、まさにその通り。

小・中学生の皆さん、体重移動と腰の回転をしっかり使って打てる練習を重ねましょうね!

今月号の目玉はこの馬龍特集なのだが、私が最も興味深く読んだのはこちらの特集だ。

 

「世界のトップ選手の用具を考察」

世界選手権で活躍したトップ選手たちはどのような用具を使っていたのか? 気になりますよねぇ。
この特集は、蘇州大会の用具事情を分析するというもので、色々な選手の用具を知ることができる。

「中国選手」「中国以外のドライブ型」「表ソフト」「カットマン」
この4つのカテゴリーで構成されているのだが、最も面白いのはやはり中国選手のラバー事情。

中国選手は昔からフォアに粘着系ラバー、バックに日本製ラバーを貼るというのが定番なのだそうだが、
蘇州大会では変化が見られたのだという。

最強・馬龍は F:粘着×B:粘着
 男子シングルスで優勝した馬龍は、大会前にバック面も中国製粘着性ラバーの『キョウヒョウ』に変更した。馬龍は優勝後に語っている。
「15年の1月にバックのラバーを劉国梁監督の勧めで変えた。今、両面に『キョウヒョウ』を貼っている選手はぼくしかいないだろう。最初の練習では慣れなくて、やりづらく感じたけれど、実戦になったら難しさはなくて、逆に相手が粘着のリズムやボールに対応できなかった。この挑戦も自分にとって優勝できた要因のひとつだ」(馬龍)
馬龍は張継科や樊振東のように強烈なチキータで攻めるタイプではない。粘着性ラバーが得意とするストップやツッツキ、打球点の早いバックドライブは、馬龍の前陣プレーにジャストフィット。バック技術の質が上がり、強烈なフォアにつなげるための起点となった。また、馬龍は以前に比べてブロックの頻度が減っており、上回転に対してはカウンターで振っていく。常にバックでかけ返せる技術力があってこその両面粘着なのだ。


出ました「キョウヒョウ」。
中国選手御用達の粘着性ラバーだけど、両面にキョウヒョウを貼っているのは馬龍しかいないんだね。

日本人選手はテナジーが多いけど、両面キョウヒョウを貼った粘着性ラバーの使い手が出てきても面白いなと思うけどねぇ。

最後に「カットマン」の頁から一人ご紹介する。

最強の表ソフトカットマンは『スペクトル』
 女子最強のカットマン・武楊は、鉄壁のバックカットを軸に2大大会連続でベスト8に進出した。バック面には攻撃型の木子と同じく『スペクトル』を使用している。『スペクトル』はナックルカットが出しやすいため、変化幅で点を取る中国のカットマンにも人気があり、武楊はカットでチャンスを作り、フォアドライブで仕留めるのだ。
一方、表ソフトのカットマンでもイバンチャンは、回転量を重視した切るカットが中心になるため、スピン系の『チャレンジャー・ATTACK』を使用している。変化幅で取るのか、回転量で取るのか、トップ選手は自分のプレーに合わせてチョイスしている。この点は大いに参考にしたい。


私が現役時代に使っていたのも「スペクトル」であるが、カットマンで使う選手が出てくるなんて、心底びっくりである。

それにしても、新しいラバーがどっしどし誕生している中で、今もなお愛され続けているなんて、すご過ぎるぞスペクトル。

私はスペクトルが大好きである。
シェークの人は片面だけなので裏ラバーとの二股だが、ペン表だった私はスペクトル一筋なので愛着もひとしおなのですよ(途中スピンピップスに浮気をしたが一週間で別れた)。

いやほんとに、スペクトル愛好家だけで集まってお酒を呑みたいくらいですよ(集まるわけねぇだろ)。

まぁとにかく、スペクトルには今後も頑張ってもらいたい。

我が愛しのスペクトルがこれからも世界で活躍し続けることを祈りながら、本日はペンを置きます。

ではまた。

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