団体戦のカギとなるダブルスは「見えない敵」との戦いがポイント

 

男子団体は初戦から激しい戦いになりましたね。

まず、「ポーランドってこんなに強いんかい」と驚いた。

ペン表のベテラン、ワン・ツォンイ選手は、まさに私が理想とするプレースタイルで、日本を応援しながらもワン選手の卓球に釘付けになってしまった。

ディアス選手もめちゃめちゃ強かった。
しかもまだ20歳っちゅうことで、これから世界のトップ選手に急成長し、今後も日本の前に強敵として立ちはだかることは間違いないだろう。

もう1人のベテラン、ゴラク選手もなかなかの実力者で、危うく日本はポーランドに食われてしまうところだった。

 

準々決勝の相手はこれまた強敵の香港。

ここからが本当の勝負になってくるが、やはり団体戦のカギとなるのは「ダブルス」だよね。

ロンドンオリンピックでは、全16試合中、ダブルスを落としたチームが勝利したケースはたった3試合だったというから、いかに団体戦においてダブルスが重要なのかがわかる。

ポーランド戦のダブルスを観る限りでは、丹羽選手の調子がそれほど良くないように見えた。
しかし、格下に負けたことは気にしなくてもいいと思う。

目標は中国に勝って金メダルを取ることである。
極端に言うと、たとえそれまで1勝もできなくても「決勝で中国ペアに勝ちさえすればいい」ということも言える。

吉村・丹羽ペアは、3月のカタール・オープンで馬龍・許昕ペアを敗った。
そういう爆発力のあるペアなわけですよ。

「波はあるけど強い相手に勝つ」
というタイプであるとも言えるわけで、逆にそういうタイプのペアじゃないと、今の中国ペアに勝つことは難しいと思うので、日本は吉村・丹羽ペアの爆発力にかけるしかないと思う。

その爆発力を発揮できるかどうかは、「プレッシャーに負けないこと」がポイントになるかと思う。

ジャパンオープンで馬龍・許昕ペアに敗れた吉村・丹羽ペアは、こう語っている。

ダブルスで馬龍、許シン(世界ランキング3位)組と対戦し、1−3で敗れた丹羽は「威圧感というかオーラがすごくあって、構えられるだけで硬くなってしまう。チャンスボールなのにそう見えなくてミスしてしまったり、何回戦っても慣れない。本当に独特な雰囲気がある」と語る。コンビを組む吉村も、「決定力や安定性が非常に高いので、そういう怖さがすごくある。基本技術が圧倒的に高いので、凡ミスは絶対できないというプレッシャーは常にかかる」と同調した。水谷とともに、リオ五輪に出場する丹羽と吉村も中国選手に畏怖の念を抱いている。

(引用→http://rio.yahoo.co.jp/column/detail/201606190006-spnavi

中国との差は「技術力の差」だけではないようである。
中国選手が発しているこの「見えない敵」との戦いに勝たなければ、日本の金メダルはあり得ないということ。

格下相手には「絶対に負けられない」というプレッシャーがかかり、中国選手相手だと「圧倒的な威圧感」でプレッシャーを感じてしまう。

ここからの吉村・丹羽ペアの戦いは、この精神的なプレッシャーに打ち勝つことが大事になってくるだろう。

観ている方は気楽だが、戦っている選手達は本当に大変である。

けれども、このコンビはきっと何かやってくれると信じている。
決勝まで勝ち進んで、中国ペアを倒せるのはこの2人しかいない。

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