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【カラー特集】次世代プレーヤーの必勝スタイル
これからの日本卓球界を代表する次世代の選手たちのレベルの高さが際立っていた、今年の全日本選手権大会ジュニアの部。
そんな若きプレーヤーたちの技術と戦術に焦点を当て、これからの「必勝スタイル」を探っていくという内容だ。
取り上げられている選手と技術はコチラ
ジュニア男子優勝 及川瑞基のプレー
①フォアハンドドライブ
②チキータからの4球目バックハンドドライブ
③バックハンドドライブからフォアハンドドライブへの切り替え
ジュニア男子2位 三部航平のプレー
①フォアハンドでループドライブ
②フォアハンドの連続攻撃
ジュニア女子優勝 伊藤美誠のプレー
①フォアハンドドライブ
②フォア側に不意に来たボールへの対応
③ループドライブからのバックハンド
ジュニア3位 平野美宇のプレー
①バックハンドドライブ
②ミドルをフォアハンドドライブ
③フォアハンドドライブ
ジュニア女子2位 早田ひなのプレー
①エンドライン際のボールに対する攻撃
②回り込みフォアハンドドライブ
これらの技術を、元全日本王者の渋谷浩さんが連続写真を使って解説している。
ジュニアのトップ選手たちがどのような技を身に付け、試合の中でどのように使っているのか、同世代やもっと下の小学生世代の選手には大いに参考になる内容である。
渋谷さんは、ジュニア男子・ジュニア女子、それぞれの傾向と課題を語っているが、ここではその中からジュニア女子の課題を紹介する。
逸材がそろうジュニア女子ですが、その一方で彼女たちには共通する課題が見えます。その課題とは、「フォア側2度突きへの対応」です。バック対バックのラリーが多い女子の試合では、フォア側を突かれた後、バック側へすぐに戻ろうとする傾向があります。この傾向を逆手に取られ、フォア側に2球続けてボールを送られると、うまく対応できないシーンが目立ちました。
フォア側2度突きは中国選手が多用する戦術である一方で、この戦術に対する中国選手の対応も完璧です。将来、彼女たちが中国に迫るためには、フォア側2度突きへの対応力の強化が大きな鍵になるでしょう。
そして、もうひとつご紹介するのは、「チキータ」についての記事。
野田学園の橋津監督の連載、『橋津式戦術ファイル』の中で橋津監督は、
昨今の卓球界において、レシーブの主流となっている「チキータ」であるが、チキータは一時的なトレンドではなく、今後ますます重要で効果的なレシーブになっていくと語る。
野田学園では、4前からチキータを用いたシステム練習を行っていたそうで、今月号の連載ではそのやり方を紹介している。
まず、サービスを出す選手は、フォア前からミドル前に下回転や横回転のサービスを出します。レシーブする選手はチキータかストップをオール(全面)に行い、そこからフリーになります。サーバーはレシーバーの読みや動きを見て、チキータレシーブを封じるためにバック側にロングサービスも使用できます。もちろん、レシーバーはそれにも対応しなければなりません。
この練習では、サーバーとレシーバーの双方にかけ引きが要求されるので、技術的なことだけではなく、心理的な部分を身に付けることができます。同時にチキータに対応する練習も行えます。野田学園では毎日の練習に入れていて、右利き同士、右利きと左利き、左利き同士というように全てのパターンで行うようにしています。最近では、ロングサービスのコースをフォア側やミドルを追加して、ショートサービスの回転も逆横回転など、よりバリエーションを増やして行っています。
今月号では他にも、「戦型別 STEP UP LESSON」で、チキータのやり方が掲載されている(モデルは高木和卓選手)ので、こちらもぜひ参考に!
高木和卓選手のチキータは、卓レポ.coにも動画があるよ
最後に、私が今月号の中でぜひ読んでもらいたいと思う記事を紹介する。
【カラーインタビュー】藤井寛子『淑徳大学時代「世界が見える」までの4年
藤井さんは卓球センスも運動能力もない(本人談)そうなのだが、人一倍の努力で日本代表にまでなり、全日本チャンピオンにあと一点(10-8から2本連続でレシーブミスをして逆転負け)というところまで登りつめた。
四天王寺時代の恩師大嶋監督は、「命懸けで情熱を注いだ四天王寺のバトンを託せるのは、彼女しかいない」。と、その人間性にほれ込む。
強くなりたいがセンスや才能がないから自分には無理なんじゃないかと諦めかけている選手もいるかもしれない。
そんな人にはぜひこの藤井さんの記事を読んでもらいたい。
先月号には前編が掲載されているので、気になった方はそちらも合わせて読んでみてください!
ではまた!
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