映画化を希望したい男 元祖超人的カットマン!? リ・グンサン

 

往年の名選手の超絶プレーを味わいながら、その技術に学びながら酔いしれよう、というこのシリーズ。

今回取り上げるのは、北朝鮮の伝説的なカットマンのリ・グンサンである。

90年代の前半頃に世界のトップカットマンとして活躍していた選手である。
私が中学生の頃にブイブイ言わせていた選手なので、私は強いカットマンと言えばリ・グンサンを真っ先に思い浮かべてしまうほどである。

しかし、北朝鮮は当時もやはりほとんど国際大会に出場していなかったので、リ・グンサンが世界選手権やオリンピックで活躍したという記憶はない。
けれど私の記憶では、世界ランキングトップ10以内には入っており、最強カットマンという強烈な印象だけはある。

当時は試合の映像をほとんど観たことがなかったけれど、今回検索してみると、いやぁ、ありましたありました。

リ・グンサンVSワルドナー(1993年)

ワルドナーのカットマン攻略が天才過ぎて、リ・グンサンの凄さが薄れてはいるが、かなりの実力者であることはわかると思う。
後半やけくそになったリ・グンサンが攻撃しまくって追い上げるくだりは必見である。

そしてもうひとつ紹介したいのが、カットマン同士の対決。

リ・グンサンVS松下浩二

 

どや、このカットマン対決とは思えないほどの超絶激しいラリーの応酬。
互いに守っては打ち、打っては守る、まさに超人対超人。

リ・グンサンの守備範囲の広さと高い攻撃力を可能にしているのは、フィジカルの強さによるところが大きいと思われる。
ユニフォーム越しにも、他のトップ選手たちと比べても筋力の逞しさが明らかに違うのがわかる。

攻撃マン並みの攻撃力を備えたカットマンの元祖はリ・グンサンなのではないだろうかと思うのだけれど、とするならば、90年頃から本格的に台頭し始め、現在へと続く攻撃型カットマン達はみな、少なからずリ・グンサンのDNAを受け継いでいるのではないだろうか。

つまり、リ・グンサンは「現代カットマン達の兄貴」といっても過言ではないわけである。

なのにあまり知られていない、リ・グンサン。

リ・グンサンが活躍した期間は短い。
まだバリバリだったはずなのに突然消えてしまった印象がある。
彼がもっと国際大会に出場していれば、良い成績を残していただろうと思うと残念でならない。

パッと咲いてパッと散っていったリ・グンサン。
なんともはかないではないか。

甘美な恋愛卓球映画もいいが、リ・グンサンをモデルにした「非情な運命を背負った硬派な男の卓球物語」なんてのも作ってほしいものである。

高倉健さんが若い時に映画化してほしかったよね。
タイトルは「北朝鮮残侠伝 球斬り唐獅子」

さびれた街の映画館で、ひっそりと上映してほしいものである。

あれだけ凄い選手だったのに、今どこで何をしているのかわからないリ・グンサン。

小さな白球を切って切って切りまくったリ・グンサンは、他国との繋がりを切って切って切りまくっている祖国の現状を、今どんな思いで見つめているのだろうか。

 

8 件のコメント

  • こんにちわ(°▽°)さっそく動画見ました!
    凄まじいフィジカルですね、リ・グンサン。

    なんだか言いたくなりますね、リ・グンサン。
    渋い高倉健さんのキャスティング合いそうです。
    初めて知りました、リ・グンサン。
    何だかクセになる響きだなぁ
    リ・グンサン。

    • つじまるさん
      コメントありがとうございます!
      凄まじいトレーニングを課していることが読み取れる肉体ですよね。
      日本にもこれぐらいのフィジカルを持った選手がほしいですね。
      映画のキャスティングはばっちりだと思いますが、残念ながら高倉健さんは亡くなったので、今なら誰でしょうね…。
      トキオの長瀬くんあたりかなぁw

      リ・グンサン。
      確かにクセになりますね。
      最後におまけの、リ・グンサン。

  • 自分の中で最強カットマンは丁松とリグンサンなんですが
    お互い魅力が強すぎてどちらかを選べと言われると
    …となってしまいます笑
    戦い方も国際大会の機会が恵まれなかったのも似ていますし。
    わずかにリグンサンの方が早いのでまさに兄貴です

    最後のは上手いの一言

    • しんこうしんこうさん
      同感ですっ。
      私も丁松かリ・グンサンです。
      丁松は世界3位になりましたが、その後は出場機会に恵まれませんでしたね。
      悲運の男というのはドラマがあって惹かれます。
      グンサン兄貴の魅力に今の若い人たちが気付いてくれることを祈ります (^^

  • こんな選手がいたのに知らなかったとは、不覚…!
    北のカットマンと言えば妖刀、リ・ミョンスンのイメージが強かったのですが、リ・グンサンも覚えておきます。
    彼はどんな刀に例えられるだろうか…

    • Kさん
      やはり意外と知られていないんですね!
      最近は女子カットマンが強い北朝鮮ですが、元祖はリ・グンサンです。
      カットの切れ味バツグンなんで、日本刀ではないでしょうか 笑
      なぜが和のイメージが似合うリ・グンサンですw

    • カトマンさん
      粒高はバタフライのフェイントロングという情報がありますが、詳しいことはわかりません。

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