回り込みができる人になるために

 

全日本選手権の最終日を観に行く予定であったのに、急な仕事が入ってしまって断れず、大阪行きを急遽キャンセル。上京して以来、全日本を生観戦しなかったのは初めてである。

大阪で食い倒れることも叶わず、最近は練習時間が取れないから打ち倒れることもできず、そんならせめてブログで書き倒れてやるかってことで、本日のテーマは「回り込み」である。

卓球を再開してからというもの、フットワーク練習なんぞはやったことがなく、「多彩なショートとプッシュがあればバックに問題なし!」なんて胸を張りながら、ラリーになるともっぱらショートに頼っている私。

もちろん現役の頃は3球目だろうがラリー中であろうが積極的に回り込んでバシバシ打ちまくっていたけれど、「大人の卓球で大事なのはフォアとバックのバランスさ」とか「大人卓球の妙は経験を活かした後の先(ごのせん)なのだよ」なんてことをうそぶきながら、あまり動かないで勝てる卓球というものを目指していた。

実際にそんな記事も書いてるし↓
打たれる勇気――動かない卓球の源流「ペンドラー」の教え

今さら回り込みなんてしゃらくさいよね。ぶわぶわぶわ。
なんて笑っていた。
が、しかし・・。回り込みを使わないことには自分より上のレベルの人にちっとも勝てないのである。大会やゲーム練習でいろんな人と試合をするようになってそのことがよくわかった。

ちょっと前に、きしもんさんという方と練習をしたんだけれど、きしもんさんが試合動画を撮影し、私との試合も撮ったんだけれど、それをあとで観たときに「ショートに頼りすぎとるなぁ」と、私は自分の卓球にガッカリしたのである。

そのときの動画がコチラ↓

 

せっかくのチャンスをフォアで打たずに棒に振っている感がいなめない・・。

昨年、卓log会で団体戦に出場したときにも、会長のしとーとくんから、「ショートは上手いけど、そのあとの決め球がないですね。ショートでチャンスメイクしたら、フォアで打っていかないと・・」的なことをズバリと指摘され、ぐうの音も出なかった。ぐう。

つまり自他ともに認めるショートマンになっているということがわかり、これではいかんと思うようになったのである。つまりもうちょっと回り込んでフォアで打っていく必要があるってこと。

ではどうやったら回り込めるのか?
ちょいと検索してみると、回り込みに関する「動き方のコツ・打ち方のコツ」ってのがわんさか出てくる。
どれもなるほどと思わせてくれる納得の情報であるけれど、私が思う回り込みに最も必要なものは「回り込む勇気」である。

特に私の場合は、現役の頃に回り込みの練習をさんざんにやりこんでおるので、回り込みに関しての「動き方・打ち方」ってのは体に染み込んでいるわけで、動き方や打ち方のコツがどうたらかんたらというのは、もうどうでもいいのである。
必要なのは「回り込む勇気」これだけだ。

では、回り込む勇気が出ない理由はというと、主に2つ。
・思い切って回り込んで、もしボールがバックサイドに来なかったら・・・
・回り込んで打ったあと、空いたフォアサイドを狙われてしまったら・・・

もうこれは、「逆を突かれたらしょうがない」「一発で決められなかったらしょうがない」という気持ちでもって、えいやっと回り込むしかないわけであるが、しかしなぜかそれができない。

現役の頃はなぜ積極的に回り込めていたかというと、それをしないと怒られるからである。ショートを連続でやろうものなら怒られるという状況では、回り込んで打っていくしかないわけである。

けれど今の私は好き勝手なプレーが許されている自由な小鳥ちゃんなわけで、誰かに怒られることもない。

「私が回り込みを使わなかったら、この棒で思いっ切り殴ってくれ」と誰かに頼むわけにもいかないから、自分で自分にプレッシャーをかけるしかないわけであるが、「自分で自分を殴る」などという芸当はできるはずもなく、いろいろ考えた末、試合で回り込みを使わなかった場合は罰として「自分が大事にしているものを1つ捨てる」という案を採用することにした。

それから数日後、練習で少し格上の人と試合をやった。
自宅に帰ってから私は、細川ふみえの直筆サイン入り卓上カレンダーを、泣きながら捨てました。

20 件のコメント

  • 回り込みで重要なのは回り込む勇気。
    すごく分かります。
    私もこの勇気が足りなくて回り込みが上手くいかない事が多いです。
    特に私がやりがちなのは迷ってしまい回り込みの決断が遅れることです。
    結果、回り込みながら打つ感じになってしまい打球が安定しません。
    飛び付きは飛び付きながら打っても良いけど回り込みは回り込んでから打つようにしないと上手くいきませんね。
    (回り込みでためを作ってそこからさらに前に踏み込んで打つ感じですかね)

    • ベーゴマさん
      コメントありがとうございますー。
      そうなんですよね、判断に迷ってしまうと動きながら打つハメになって、中途半端な打球になりますよね。
      回り込むときは「バックに来る」と信じて迷わず素早く回り込むのが大事ですね。
      ササッと回り込んで、一撃必殺で踏み込んで打つ、これが最善だと思います。
      しかしなぜか試合になると安定感のあるショートを使ってしまうという・・。
      勇気ですね、これはもうやはり勇気を出すしかありません 笑

  • 『回り込み』それは自分にとっては条件反射(苦笑)。回り込みが出来るボールが来ると、ダボハゼのように回り込んでしまいます。
    でも、それは釣るためのエサであることも。結果、がら空きのフォア.サイドに返され撃沈 ( ;∀;)

    蒋澎龍のような強烈な必殺のショート(プッシュ)が欲しい。いや、贅沢は言いません。チャンス.メイク出来る安定したショートが欲しい。

    ナルコさん、試合で回り込みを使わなかったら大事にしているものを1つ捨てるとのこと。今度回り込みをしなかったら、ナルコさんのショートを私にいただけませんか(笑)。

    今度試合で回り込みを使わなかったら、私“てぐす”に堅固なショートを譲渡する。どうでしょう(笑)。

    以上、実際は回り込みが間に合わず「ホゲゲ」な結果になることがほとんどの“てぐす”がお送りしました。

    • てぐすさん
      なんと、バックにボールがくると勝手に体が反応しちゃうわけですね。
      毒針のついたエサだとわかっちゃいるけどついついパクっと・・。
      まさに「パビロフのてぐす」状態ですね(笑)
      しかし回り込めずに後悔している私よりよっぽど素敵ですよ。

      なぬ!? 回り込みできなかった場合に捨てるものが「ショート」ですと!?
      私の最大の武器ですから・・さすがにまずいですねぇ。
      てぐすさんの最大の武器と交換ということでしたら承知しましょう。
      いまのところ、次に捨てるのは、修学旅行のときに買った木刀が候補です。

      ていうかですね、実際は回り込みがほとんど間に合っていないのですね!?
      これはもう「パビロフのてぐす」を捨てることを強くおすすめします(笑)

  • こんにちわ。
    ミドルに構えて動かす両ハンドマンになるはずが、コーチにフォア前フリック→回り込みフォアドライブの多球練習とか恐ろしいことをやらされている者です。
    おかしいな…。
    教わってみると、まず回り込みの身体の動かし方そのものが違う事がわかりました。
    違うというか昔教わった打ち方が現代的ではなくなっていると言うことですね。
    まず信用に足る技術を身につける。
    次に相手のラケットの面を見てコースを判断せよ、とのことです。
    あとは試合の流れと相手の癖ですかね。
    最後は、一か八か。
    馬琳は回り込む時は完全にヤマをはって相手のフォームとかに関わらず迷わず回り込む事があるそうです。
    それでもしフォアに送られても仕方が無い。気にしない。
    その代わりヤマが当たってバックにきたら全力のスイングで一撃で葬り去る。
    最後はやっぱり思い切りですかね。
    ちなみにコーチの前でヤマで回り込んで外すとかなり怒られます。
    同じ中国人でも考え方が違うものですね(T_T)
    今は確率の卓球が主流なんだそうですが。

    • つぐさん
      「ミドルに構えて~恐ろしいことをやらされている者です」←これ思わず笑いました(笑)
      河野満を目指すはずが許昕に・・。
      今は回り込みの身体の動かし方が違うのですね。昔の三歩動という考え方が今の時代に合っていないのかもしれませんね。
      技術・面の向き・流れ・癖、いやはや、回り込みと言っても奥が深いですね。
      ツッツキに対してならある程度は予測して回り込めますが、ラリー中だとどうしても一か八か的になっちゃいますね。

      馬琳のヤマをはった回り込み全力ドライブ、いいですねぇ。
      やはり男はこれですよね。
      それにしても、ヤマをはって失敗して怒られるのは辛いですね・・。
      中国人コーチは頭を使うことに長けているというイメージがありますが、やはり卓球は考えながらやらないとダメってことですかね。
      確率の卓球とはまた難しいですね、我々一般卓球人には・・笑

  • “パブロフのてぐす”(苦笑)。見境なく食いつく“パブロフのてぐす”は捨てたいです。回り込んでいいボール、回り込めるボールの見極めが出来る“分別あるてぐす”を目指します。

    最初に観たペンホルダーの選手が吉田海偉選手、そして柳承敏選手。無知で素直な(?)自分は「ペンホルダーってこういうもんなんだ」と思ったのです。

    卓球王国ゆうさんのブログを読んで愕然。柳承敏、吉田海偉の両選手とも“目指すのではなく観賞に留めておくべき”とあるではあるではありませんか。確かに素人にはあんな卓球は出来ませんが、やっぱり憧れではあります。

    今年はショートの時にラケット.ヘッドが下がってしまう悪い癖を修正して、もう少しバランスのいい卓球を目指したい。
    ショートで相手を崩し、振り回し、バック.サイドに甘いボールが来たら思い切り回り込んで……。あれ?結局回り込もうとしている自分です(笑)。

    手痛い目にあうことがあっても、回り込みフォア.ドライブが決まった時の快感は正に禁断の蜜の味。やめられません。

    追伸: ショートの強化改善は真剣にやりたいです。もちろん“回り込まない判断力”も含めて“回り込み”の改善強化もやります。

    • てぐすさん
      パビロフ状態から脱却し、ぜひ「分別あるてぐす」を目指してください(笑)

      ヒナドリが最初に見たものを母親だと認識するように、最初にとんでもないペン選手を見たために脳内に刷り込まれてしまったのですね 笑
      吉田選手とユスンミンはまさに真似のできない怪物卓球ですが、私も大好きなので参考にしています。
      韓国ペンドラはフィジカルが半端ないですから、非力な私には絶対に無理なんですけどね・・。
      吉田選手のショートや台上、サービスからの3球目などはかなり参考になるので教科書としてはおすすめです。

      ショートで相手を崩してから回り込む、これは理想的な戦術だと思います。
      思い切って回り込む勇気と判断力、この2つのバランスを磨いていきたいものですね。
      ショートに関して言うと「サイドスピンショート」もおすすめです。
      チャンメイクとしての効果はかなりありますから。
      私もショートからの回り込み、という連携をやりこんで、身体に覚えこませてみますw

  • 最近私の足りない物がハッキリしました。瞬発力と判断スピードです。だから裏をかかれると全くついていけないのです。しかし、これは中年からやってどうにかなるものなのか…こんばんは、ゼロノスです。
    回り込み、私も練習させられまっせ。モップと台拭きが欠かせません。何で回り込まなアカンのか、聞くとペンだからとコーチ。イヤそれは回答になってない!でしょう?
    これには自分なりに答えを持っていますが、お聞きください。回り込みをするとズバリ、強い球が打ちやすいから〜!な~んだ。そんな事は皆知ってるよ。でもあえて、そんな事を考えますと、回り込んだ姿勢は、右利きならば自然に右側に開く姿勢になります。(よね?多分)ふところが深い、スマッシュやパワードライブを打つ姿勢。この姿勢に対し、ボールは向かって来るベクトルです。待ってました!と打てるわけです。しかも台から近く、高い打球点を打てる。リスクに対するリターンは大きいと思います。
    ですから、回り込むなら絶対、強打を良いコースに決めなければいけないのです!中途半端はだめです。強打が決まれば相手はナントカ返すだけです。そんな返球ならほぼほぼバックにきます。またまた待ってましたと打つ!練習あるノミ!
    回り込まれて強打されるとわかったら、レベルによりますが、バックへの安易な返球は減るでしょう。戦略的にも優位に立てます。
    なんて言ってみましたが、私の足りない物がハッキリした今、パターン練習ならともかく、オールじゃまず決まりません。でも決まると気持ちいいですよ!私の回り込む理由はそれだけです。

    • ゼロノスさん
      そ、それは多くの大人に足りていないものかもしれませぬ。
      「まだ間に合う! 40代から鍛える瞬発力と判断力」なんていう本がないという事実から考えると、中年から鍛えるのは難しいのかもしれませんね・・(悲)

      ペンだからフォアで打て、ペンだから積極的に回り込めというのは辛すぎますよね。私もそれには異議をとなえたい派です。
      回り込みの理由は「ペンだから」ではなく、仰るように「強い球が打てるから」です。
      まさに三田村邦彦もびっくりの、一撃必殺の仕事人になるために回り込むわけです。
      その後の展開も戦略的に優位に立ちやすくなるというのも納得です。

      し、しかし、ゼロノスさんにおかれましては、オールじゃ決まらないとのこと!?
      お察し致します・・。
      でも回り込む理由が素晴らしい。
      「決まると気持ちいいから」だなんて。
      男の卓球はこれですよ。
      気持ちいいスマッシュを決めて美味しいビールを呑む。
      これに勝る幸せはありませんから(笑)

  • 回り込みが皆無の私からすると、強いプッシュが打てれば得点力はあがる気がします。
    また私が今練習しているのは、フォアで打つ際、しっかり体を入れる脚の運び、フットワークのいいナルコさんには無用な話かな汗

    にしても、きしもんさん強いけど、ナルコさんショート上手いですよねσ(^_^;)

    • 椎茸さん
      現役時代はもっと強烈なプッシュをやってたんですが、今はあまり使えなくなっちゃてるという現実が・・汗
      私も「強烈プッシュがあればシェークのバックには負けない」と常々思っているのですが、いつの間にブロック主体になってしまったのか・・笑

      ショートだけは自信があるだけに頼ってる状態ですが、やはり回り込みと同時に一撃必殺のプッシュを練習し直さないといけないのかもしれませんね。
      よし、まじでやります。地獄のプッシュ練習!

    • 椎茸さん
      く~。
      これ以上やると死んじゃいますね 笑
      ではとりあえず、1人で「鬼プッシュ練」に励みます(>_<)

  • 『T観』(越谷市民総合体育館 T.T.彩たまvs岡山リベッツ)のコメントに、同日は自分も試合だったと記したので、その後のパブロフのてぐすはどうなったのか、皆さん興味は無いかと思いますが、こちらに書かせていただきます。
    結論から言うと、条件反射は簡単に直りません(笑)。
    回り込めずボディーに直撃なんて場面もございました。笑ってやってくださいませ。でもですよ。クロスにストレートにドライブを叩き込むなんて場面も思いの外多くございまして、これは実は苦手なショート、プッシュに取り組んでいる成果が、多少なりとも出ているのかもと思っております。
    ただ、ゲーム間に「そんなに回り込まないでショートを上手く使えばもっと楽に展開出来るよ」とお告げ(by松本薫さん/笑)じゃなく、アドバイスをもらい「わかった」と返事をしたものの、結局勝った試合も負けた試合も汗だくという結末になったという次第で、冒頭に書いた通り未だ“パブロフのてぐす”にございます。

    何だか変な口調になってしまいましたが、やはり回り込みも単独で考えるより連携が大事なんだとあらためて実感した試合でした。もちろん回り込む時の思い切りは重要ですが。

    追伸: プッシュでストレートをノータッチで何本か抜いたのは快感でした(^o^)

    目の前で中ペン表ソフトの選手がショートで止めまくり振り回し、スマッシュをバシバシ決める姿を観たのが刺激になったのかも知れません。

    • てぐすさん
      パブロフのてすぐ兄貴の近況、お待ちしておりました。
      やはり長年の習慣は簡単には直りませんでしたか 笑
      お察しいたします・・。
      しかし収穫もあったようで何よりです。クロス&ストレートにドライブをバシバシ打ち分けるなんて、なかなかできるもんじゃないですから、すんばらしい収穫だと思います。
      ショートでチャンスを作ってからのスマッシュ、この連携こそがペンの醍醐味であり生きる道でもあります。
      連携と思い切った回り込みをうまく融合したスタイルになるといいですね。

      今回はペン表選手に刺激を受けたとのことですが、ひとまずパブロフ状態を脱するために、ショートの上手い選手(無理に回り込まない選手)の動画をひたすら観つづけて、新たなイメージを頭に定着させるという方法もありかもしれませんね。
      いま定着しているパブロフ脳を新たなイメージで上書きするということです。
      「バックに来たらまずプッシュ!」という、新パブロフのてぐすに生まれ変わりましょう。
      まあ、積極的に回り込んでいく姿勢は男らしくて格好いいんですけどね(笑)

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