表と裏の使い分け ~トリッキーな戦型への挑戦~

 

毎度ばかばかしい卓球漫談を一筆。

え~、女房と卓球のラバーは新しい方がいい、なんてことを申しますが、私も半年以上も連れ添った裏面のタキファイアCを新しいラバーに変えましてね。

先日の記事(軽さ重視の裏ソフトラバーを探せ)に書いたように、軽い裏ラバーを裏面に貼ってラケットの軽量化をはかろうってことでね、いろいろ検討した結果「レガリスレッド」にしましたの(厚さは中)。

先日国際卓球(高田馬場店)で購入してね、さっそく練習で使ってみたんだけれど、同じ「中」でも、タキファイアCと比べて「弾み」はもちろんなんだけれど「回転力」も明らかに上回っておるので、「こりゃあ、ええラバーやないの」って大いに満足したわけである。

 

で、極薄ラバーなら無理だけど、攻撃系のラバーであれば、たまに反転してドライブしたりするのもありなんじゃないかと考えていたので、それも試してみたんだけれど、これが存外に楽しくて、ちょっとハマッてしまったのである。

これはもう、もっと積極的に「ペン裏」の部分を出していくのもアリなのではないかと思ったわけである。
つまり「ペン表」と「ペン裏」をコロコロと切り替えながら戦うというトリッキーな戦型ってこと。

劉国梁がそうだったように、たまに反転して裏ラバーで打つというのではなく、どっちが本職なんだ? と相手が戸惑っちまうくらいにコロコロと切り替えるって戦法。

この戦い方にはいくつかのバリエーションがある。

その①
1ゲーム目はペン表、2ゲーム目はペン裏、3ゲーム目はまたペン表、的な戦法。

その②
1つのゲームの中で、前半はペン表、後半はペン裏で戦う、的な戦法。

その③
2~3点おきにコロコロと切り替えて、相手を撹乱させながら戦う。

どのパターンにしろ、割合としてはさすがに本職のペン表の方が多くなるだろうとは思う。
6:4、あるいは7:3くらいにはなるだろうね、たぶん。

それに裏ラバーで攻撃するといっても、あくまでも「ペンドラ」ではなく「ペン裏」だからね。
ゴリゴリのドライブマンではなく、「ドライブでチャンスを作ってスマッシュで決める」的な感じの。

なのでレガリスレッドがミート打ちにも適していることを願いたいが、この性能でこの軽さというのは他のラバーでは代えがきかないかもしれないので、あまりミート打ちに適していなかったとしても、そこは練習して技術力でカバーするしかなかろうと思う。

そんで、この戦型をやるなら、ラバーの厚さは「中」ではなく「厚」にした方がいいのではないかと思うんだよね。
今はレガリスレッドをグリップの付け根から貼っているんだけれど、これを1.5㎝くらい空けて貼れば、「厚」にしても今と変わらないくらいの重量になるのではないかと思うのよ。

購入したばっかりで「厚にしときゃよかったかな」なんてちょっこし後悔しちゃったりしてるんだけれども、まあとりあえず「中」でレガリスレッドに慣れておいてから「厚」を使えばいいやってことでひとつ。

 

上記のような戦型は、トッププレーヤーの中ではやっている人はいないが、極めればオモチロイ戦型になるのではなかろうかと思う。

プロレスラー・武藤敬司は、試合によって善玉の武藤敬司と悪玉のグレート・ムタを使い分けていたが、私がやろうとしているのは、素で登場した武藤敬司が途中でペインティングをしてグレート・ムタになり、また途中でペイントを落として武藤敬司になり、後半でまたまたグレートムタになって……という戦法である。

どや、相手が戸惑うこと間違いなしじゃないか。

用具がいろいろあって「自分なりの戦型」を追求できるのが卓球の良さなわけだから、やりたいと思ったらチャレンジあるのみである。
ギオニス(ギリシャ)のように、「フォアはドライブ、バックはカット」みたいな独創的な戦型なんてめちゃんこ面白いもんね。

 

私はピカソが大好きなのであるが、ピカソの独創的作風は、いろいろなスタイルを試すことによって産み出されたものなのである。

ピカソの作品は、時代によってまったくといっていいほど様式が異なることで有名です。青の時代、バラ色の時代、キュビスムの時代、新古典主義の時代、シュルレアリスムの時代などが有名ですが、キュビスムもいくつかの段階に細分化することができます。分け方によっては10段階くらいに分類できるでしょうか。
(中略)
これは飽き性の人が次々と違うものを試すのとは大きく異なります。そうではなくて、ピカソの場合、あるスタイルを極めると、その後、次のスタイルに発展させたくなるのだと思います。ですから、違うスタイルであるにもかかわらず連続性があり、発展性があるのです。
行き詰まっているならまだしも、うまくいっているのに自分のスタイルを変えるというのは、勇気のいることです。ふつうだったら、そのまま自分のスタイルの中に閉じこもってしまいがちです。ところがピカソは、成功にこだわることなく、常にチャレンジしていきました。
そこには自分のスタイルを発展させたいという強い思いがあったように思われます。成功している人に共通するのは、この発展への熱い思いと、それを実現する勇気です。
(『ピカソ思考』/著:小川仁志)より)

 

というわけで、ややトリッキーな道へ突き進もうとしている私も、卓球人生における、シュルレアリスム時代の幕が開いたと言えるのかもしれない。

 

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12 件のコメント

  • レガリスレッドはミート打ちもやりやすかったですよ!(自分は)
    やはりあくまでも点数間での切り替えなんですね。自分の友人には表と粒でグルグルワンプレー中に回して戦う中ペンがいました。
    卓球人生のシュルレアリスムですか(笑)
    何か独創的なことに手を出すと、勝ち負けの結果はどうとしても初心に戻って楽しめますよね。自分も卓球界のサルバドールダリを目指して練習頑張りたいと思います(笑)

    • 卓球主義さん
      お、ミート打ちもやりやすいですか!
      まだそこは本格的に試してないですが、楽しみです。
      昔はペン粒高の反転スタイルはトップ選手にもいましたが、最近はほぼ見ないので貴重ですね。
      トリッキーなスタイルはうまくいかないとボロボロになりそうですが、少なくとも楽しめますからね(笑)
      ダリめっちゃいいですよね。
      ダリ的・ピカソ的な独創性で戦型を追求していきたいものです。
      なんだかんだでモネのようなやさし~い「印象派」的な戦型にならないように頑張ります(笑)

  • 僕も明日ラバー変えますよ!
    バックをラウンデルからヴェガヨーロッパDFか
    ラウンデルソフトかで迷ってます笑

    • シェーク裏裏野郎さん
      新しいラバーにする直前のワクワク感、たまりませんよね!
      裏ソフトユーザーは種類が多すぎて大変そうだなぁと外部から眺めていましたが、私もついに片足を突っ込んじゃいました(笑)
      ヴェガシリーズは最近表ソフトが出たので気になってます。
      試したい欲求の高さと練習量がぜんぜん追いつきません(笑)

  • レガリスレッド気に入っていただけて嬉しいです(私が作ったわけではないですが)
    こんなに軽くて、しっかりした性能で、バック面で使った人はだいたい気に入るラバーなんですが、あまり知名度がないのが不思議です。こんなに安いのに!安いから逆に敬遠されてるのかもしれませんが。
    ミートは、スピンテンションの中では最もやりやすい部類だと思います(スピード系に比べたら微妙ですが)

    確かに、ここまで軽いとアツでもいいかもしれませんね。ラバー間隔をあけるのは、ラケット形状によっては先重になって体感重量が変わらない場合も多いので、ご注意を。

    • ワイハさん
      ワイハさんのコメントがほぼ決め手となりました(感謝)。
      確かにもっと浸透すべきラバーですよね。
      学生さんには特にこの値段は魅力のはずです。
      安さゆえの敬遠というのはわかる気がします。高いと性能もいいだろうと感じてしまうんですよねぇ、不思議と。
      ミート打ちもやりやすいとのこと、朗報ですw
      これだけの回転量が出せてミートが打ちやすければ言うことなしです。

      ラバーの貼り方次第では体感重量が変わらないなんてこともあるんですね(驚)。
      ではそのへんはショップに行って店員と相談しながら慎重にやってみます。
      グリップもちょっと削ろうかと考えてますが、これまた自分でやるのが不安 でいっぱいです(笑)

  • 僕が知ってる中で一番トリッキーな戦型は
    ・ペン粒
    ・ペンドラ
    ・両ハンドカット
    ・両ハンド攻撃
    織り交ぜてくる感じですかね笑
    それも4点位でコロコロ変えてきて全然的が絞れずに苦戦しました
    これはどうでもいいんですが
    最近裏裏のカットにしようか悩んでます
    意見を聞かせてください

    • しんこうしんこうさん
      おお、そんなオモチロイ選手がいるんですか。
      魔術師ですね(笑)
      それで強ければめちゃくちゃカッコいいですけどね。

      裏裏カットへの転身は勇気がいりそうですね(難易度が高い印象です)。
      フォアとバックでまったく性質の違うラバーを使えば裏裏でも面白いスタイルになりそうな気がします。
      これなら反転しながら球質に変化をつけて惑わすこともできますしね。
      あるいは両面バリバリの攻撃ラバーで両ハンドを振っていくカットマンとか。
      いずれにしても「攻撃」の割合を増やすことが前提となるのではないでしょうか。
      上級者のドライブを裏裏カットで粘るのはかなり難しいと聞きますし。

  • 上級者のドライブマン、特に男性のドライブは早すぎますし回転が掛かり過ぎていますよ
    防ぎきれませんし返しきれません
    打ち抜かれて終わりになります
    RPGで言ったらこっちのHPが100だとしてラスボスダンジョンの敵の攻撃ダメージが80前後ってとこです
    だったら最初から殴って倒せつまり男性卓球で言えば打ち抜いて点を取れと言う考えになります
    特に高校、大学生、後は年配者のドライブは強烈過ぎます

    • つばきさん
      まっことみんなえげつないドライブですよね。
      何度もノータッチで抜かれますし、ゆっくりなドライブでもめちゃめちゃ回転がかかってるのでオーバーミスになっちゃいますし・・。
      おまけにチキータも回転が凄すぎてほとんど止められません・・。

      確かに年配者でもたまにとんでもないドライブを打つ人がいて、めちゃくちゃビビるとともに尊敬しますね。

  • こんにちは。
    いつも楽しく拝読しております。

    ギオニス選手ですが、今凄いですね!

    卓球に限らず、表と裏があるとするならば、その両面を使い分ける、両方を使いこなすようになれば
    どう考えても強いとは思います。

    もしラバーの種類が表裏だけでなく、側面2面が追加されれば、もっと可能性は広がりますよね。

    複数のラバーを、市松模様に貼り合わせたりして。
    インパクトの瞬間に、どのラバーに当たったかを判断して、処理したり。
    なんて、色々と考えちゃいました。

    自分もばく然と今、両極面にある技を使いこなせたら、カッコイイなぁ、と思っています。

    わたくし良く勘違いされるのですが、打つ球はストレートですから!
    ストレートですから!←しつこい

    それでは、また楽しみにしています!

    • 悩める卓球ちゃんさん
      いつもお読み頂きまことにありがとうございますっ。

      えっ、ギオニスって今すごいんですか!?
      しばらくウォッチングしてないうちにどうなっちゃったんだい!?
      いやあ気になりますね。

      ラバーを複数貼り合わせるのは私も考えたことあります。上半分が裏で下半分が表ってやつ。
      そんなことになったら複雑すぎて観る競技としての魅力はさらに下がりますね 笑

      側面の細いところにラバーを貼って打つのは究極の技ですね。
      側面に粒高を貼ってたまにいやらしいたまを出したりすれば悪魔的なマジシャン卓球になりますね。

      ワルドナーくらいの天才なら可能かもしれませんよ 笑

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