【勝手に卓球イベントを考える】 審判視点の卓球観戦術

 

試合の時は黒子に徹し、特に注目を浴びることもないが、なくてはならない重要な存在、それが審判である。

どれだけ一流になってもその名が私たち卓球ファンに届くことはほとんどなく、もちろん審判員の方々は注目されたいと思ってやっているわけではないだろうが、その経験や考え方は多くの卓球ファンにとってかなり興味深いものであるはずだ。

一般の卓球ファンはもちろんのこと、トップ選手や一流解説者とも違った視点で卓球を観ているだろうし、審判ならではの様々な裏の事情も知っているはずである。

そこで、卓球の審判にスポットを当て、審判視点で卓球のディープな話をしてもらおう、てな趣旨のイベントができないものだろうか、なんて思った次第。

イベント名はとりあえず「審判視点の卓球観戦術」

主役に据えるのは、例えば、リオ五輪の卓球の審判員として開催国ブラジル以外から選ばれた22人に、日本人で唯一選ばれた、山中良子さん(60)のような、国際的に活躍する審判員の方。
卓球審判員 最高の舞台「ベストで臨む」 唯一の日本人、和歌山の山中良子さん

 

あんなジャッジ・こんなジャッジ

このイベントの軸としてやりたいのは「判定解説」である。

卓球の試合では、エッジボールやフォルトの判定をめぐって揉めることがよくある。

人生を決めるような大一番の試合の大事な局面でのエッジやフォルトの判定は、その選手にとっては非常に重要なものであるが、私もよく「こんな大事な場面でなぜフォルトを取るのか」と、水を刺された気分になることがある。
明らかに違反をしているのであれば納得がいくが、何がいけなかったのかわからないことも多い。
しかし、当然審判にしてみれば明確な判定理由があるわけだ。そこを私は聞いてみたい。

そんなわけで、実際に起こった様々な事例を取り上げて、VTRを見ながら、その判定のポイントや、自分ならどう判定するかなどを、現役のトップ審判に解説してもらおうというわけである。

例えば、多くの人が誤審だと思っているジャッジが、やはり正しいものであったということを現役審判が解説する、なんてのはなかなか面白いのではないだろうか。

逆に「これは誤審です」と指摘してもらうのも面白いが、その場合、実際にそのジャッジを下した審判を責めたり吊し上げたりするような形になってはいけないので、そのへんの配慮については十分に考えなければいけないとは思うが……。

 

世界の審判事情

世界と日本でジャッジの基準に違いがあってはいけないが、しかしその国の卓球事情やプレースタイル、そのレフェリーの卓球観や考え方などはそれぞれ微妙に違うだろう。なのでひょっとすると国によってレフェリングにも違いがあるのかもしれない。

「中東系の審判はやたらフォルトを取りたがる」「中国人審判は遅延行為に厳しい」「ドイツ人審判は抗議してくる選手への対応が抜群にうまい」などの特徴があるのだとしたら、ぜひとも聞いてみたい。

 

名物審判に聞く

名物審判みたいな人がいれば、その人をゲストとして招くのも面白い。

例えば、促進ルールになるとリターンのカウントを取るための第三の審判がやってくるが、審判の中には、選手の緊張感を和らげ集中力を高める効果のある、癒しのミラクルボイスでカウントを取ってくれる審判という人がいて、業界では促進ルール要員として重宝されている「促進の神」みたいな人。

まあそんな人はいないと思うが、そんな感じの名物審判なんて人がいれば、ゲストとして招いて話を聞くのも面白いだろうと思うわけだ。

 

トップ選手を招いて

トップ選手をゲストとして招いて、審判とトークをしてもらうのも1つの案としてあるが、ただ普通に話してもらうというだけでは面白みに欠ける。

なので、こんなのはどうだろうか。

その①
フォルトの取り方について物申したい、あるいは疑問に思うことがあるというトップ選手3人と、それに対して審判(こちらも3人)が反論・言い分を主張する、という形で、徹底討論する。

その②
試合に大きな影響を与えた判定のあった試合を取り上げ、その当事者である選手と審判を対面させて、その時の判定についてあれこれトークを繰り広げてもらう。

①も②も、ヒートアップして喧嘩になったりしないようにしなければいけない……。

 

ほかにも、どうすれば国際大会の審判になれるのか、日頃どのようなトレーニングを行ったり、研修を受けたりしているのかなど、話してもらいたいテーマは尽きない。

 

審判によるミスジャッジや好ジャッジは試合に大きな影響を与えることもあり、それはまさに選手と一緒にゲームを作っているとも言えるわけで、その存在は大きなものである。
そんな審判からの視点・目線によって卓球の魅力を掘り下げてみることで、卓球観戦がより面白くなるのではないだろうか。

野球やサッカーの審判なんかは、憧れてその道を目指す人も多いようだけれど、卓球も、どんどん人気スポーツとなっている一方で、審判をやってみたいと思われるようにもなれば、また一段と卓球というスポーツの魅力が増すのではないだろうか。

そのために、審判主役のイベントなんていかがかしら?

なんて、思ったりなんかして。

 

 

8 件のコメント

  • 確かに、選手はよくありますが、審判にスポットライトを当てるのは新しい視点ですね。プロでもない限りは、プレイヤーだって最低一回は審判したことあるはずですし、今まで無かったのが逆に不思議です。

    • 卓球主義さん
      独自の卓球観を持っていたり、面白いキャラクターの人も探せばいるでしょうし、いろんな審判員を発掘できれば楽しいイベントになるような気がします。
      卓球のイベントってあるようであんまりありませんからね。
      いろんな催し物が開かれたらいいなあとよく妄想しております( 一一)

  • 審判にスポットライトをあてるのも面白いかもしれませんね。
    サーブの判定が厳しい審判だと妙な緊張感があります。
    あと、大会なんかで自分が審判すると意外と大変だと思います。
    ジャッジしながらも得点もつけ、ゲームの合間に記録もつけなくてはならない。
    試合しているのが次の対戦相手だったりするとその分析もしたいし。
    スマホの得点ボードアプリは便利ですね。
    さすがに画面が小さいと厳しいのでタブレットくらいじゃないと実用的ではないと思いますが。
    これを有効に使えれば審判の手助けになるのではないかと思います。

    • ベーゴマさん
      自分が審判をしているときに微妙なエッジなんかがあると嫌な汗が出ますね…(汗)。
      確かに次の対戦相手がやっているなら分析もしたいので集中力が散漫になるので、審判役は大変です。
      スマホの特典ボードアプリなんてあるんですね! まったく知りませんでした。
      タブレットサイズで機能が充実すれば、一般の大会にも使えて便利かもしれませんね。
      国際大会なら卓球台にチップを埋め込んで、エッジの判定を瞬時に行うなんていうこともいずれできるようになるかもしれない、なんて思います (^^

  • 相変わらずユニークな発想ですね
    と云うか在るべきですよね
    なぜ無いのでしょう
    いや、若しかしたら在るけど知られていないだけかも……

    • シンタローさん
      ありがたいお言葉、恐れ入ります。
      おっしゃるように、もしすでにあるのだとしたら、ひょっとして地味すぎて成功しなかったのかもしれませんね……。
      ぜひエンターテイメント性のある審判イベントを実現してもらいたいものです(誰がやるんだろうか……)。

  • 自分は大会で審判をしてても何故か審判をしている試合が優勝候補対優勝候補というような試合が多く、(9割近くですね。そんなに大会に出てませんが…)ついついその試合に見入ってしまってしまうので、審判の方はそういう事もなく、的確に判断できることがとても凄いなと思っています。そのため審判に視点を当てることでどういう所に注目して試合を見ているのかということを知りたいです。

    • ターゲットブルーさん
      優勝候補対優勝候補の試合ばかりをさばくとは、なんとも凄いですね。
      それは見入ってしまうのもわかります。
      自分が重要な試合の審判なんかをやると、いかにプロの審判のスキルが高いかがわかりますよね。
      そんな凄腕審判の卓球観戦術、ぜひ聞いてみたいものです ^^;

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