卓球王国を読む 2018年4月号

 

今月号も、速読法を使わずに、じっくりと読み倒しました(もともと使えないけど)。

 

 

卓球王国 2018年 04 月号 [雑誌]

 

 

表紙に「表紙 スペシャルバージョン」と書かれてあり、これはもしや? と思い、折り畳まれている表紙をペロンとめくってみると、

 

出ました、ダブル表紙!!

今回の全日本はどうしても張本選手に注目が集まってるしまうが、伊藤選手も「史上最年少三冠王」という大偉業を達成したわけで、普通ならデカデカと表紙になるはず。
ならば2人とも表紙にしようってことで、この仕掛けにしたんでしょうね。
ナイスな演出です。

 

日本新時代!全86ページの大特集!

今月号の目玉企画はもちろんコチラ。

【全日本選手権】THE FINAL2018.1
張本智和、史上最年少14歳優勝!
伊藤美誠、史上最年少17歳三冠!
男女シングルス/男女混合ダブルス/男女ジュニア/ラン決のドラマ/ランキングプレーヤー・データ/全日本フラッシュ/ローカルヒーローたち

【チャンピオンインタビュー】
張本智和・伊藤美誠
【技術特集】
王者の技・張本智和

全86ページの大特集である。
特に面白いのは、やはりインタビュー記事。

張本選手と伊藤選手は、そのプレースタイルも独創的だが、卓球に対する考え方も独創的である。
ボリュームたっぷりのインタビューでは、そんな若きチャンピオン2人の独特な思考が堪能できる。

私が個人的に嬉しかったのは、伊藤選手が表ソフトに対する考えを語った言葉である。

ーー今、世界的にも表ソフトを使う選手が減っている中で、表ソフトを使い続けること、特徴を出していくこと、そして勝っていくことをどう思いますか?
伊藤 みんなが使っていないからこそ使っています。私にとって表ソフトでマイナス要素がほぼない。いろんな意見があると思うし、これはやりづらいと言う人もいると思うけど、私はやりづらくてもやってみる。自分がやりづらいということは相手もやりづらい。裏ソフトの選手ができることはまずやってみて、さらに裏ソフトの選手ができないこともできるんじゃないかと。前までは、「それは無理だからやらない」という考えが結構あったけど、今はまずやってみようと思います。技術をどんどん増やしつつ、今持っている技術のレベルを上げていっています。

 

表ソフトユーザーにとって、なんと心強い言葉であろうか。

今回の全日本では、表ソフトとは思えないほどの回転量の多いバックドライブを披露して卓球ファンを驚かせた伊藤選手だが、これからどんな表ソフトの可能性を見せてくれるのかと思うとワクワクする。

そして驚かされるのは、伊藤選手がとにかく卓球を楽しんでいるということ。

ーー練習の時に何を考えているんだろう。
伊藤 練習でも、最近は楽しむことを心がけています。試合を意識するのはもちろんなんですけど、楽しむことを忘れない。きつい練習でも試合で勝つことを想像すると楽しくなります。練習の時でも試合のことしか考えていない。前は動く練習は好きじゃなかった。今は好き。自分を追い込むことが好きになってる。追い込むけど、楽しいから苦にならない。

 

最近は卓球が「超楽しい」とも言っている伊藤選手だが、ここまで卓球を楽しんでいるチャンピオンはかつていただろうか。

例えば団体戦で、世界卓球や五輪の決勝戦で中国と対戦する時、現場は究極の緊張状態になると思うが、この卓球を楽しむという、いい意味での脱力が、日本チームの緊張をほぐし、いつも以上の実力を発揮させるかもしれない。

卓球新人類の「楽しい卓球」が、打倒中国へのカギとなるだろうと、私は勝手に期待したい。

 

裏面用具の選び方とは?

今回の「王者の技」は、張本選手の強さの秘密を、男子NTの倉嶋洋介監督が解説しており、過去に類を見ないまったく新しい張本卓球を学ぶことができる。

これは今月号のゴリゴリの目玉企画なんだけれど、ここではあえて「我ら、ペンホルダーズ」を取り上げたい。

なぜなら、個人的に毎回楽しみにしていた、見目剛廣さん(T.O.M卓球倶楽部専属コーチ)の連載が今回で最終回だからである。

今回のテーマは「実践的なフットワーク」と題して、ペンがやっておくべきフットワーク練習を紹介している。
こちらはもちろん参考になるが、私が最も興味深く読んだのは、これまでの連載で触れていなかった用具の話である。

見目さんは、裏面に貼るラバー選びについて語っているのだが、一部抜粋すると、

(前略)
裏面打法の使用用途や選手のレベルにもよりますが、最初に貼るなら「軟らかいテンション系裏ソフト」が良いでしょう。
(中略)
裏面のラバーはつかむラバーよりも弾いて前に飛ぶラバーを薦めています。裏面打法は回り込みができない時、バックに急に差し込まれたボールを打ちたいので、バックスイングをあまり取らずに小さい力でも前に飛んでくれるラバーのほうが合っています。引っかかりが良いラバーだとバックスイングをしっかり取らないといけなくて、パワーがないと飛んでくれません。回転量よりも、ボールが前に飛んでくれるラバーを選びましょう。

 

私も裏面のラバー選びはいろいろと悩んでいるので、この考え方は非常に参考になる。

見目さんは「オススメ裏面ラバー」も4つ紹介してくれているので、これも選ぶ際の参考なる。

そして最後のページでは、「ペンホルダーの読者へ贈る言葉」と題し、ペン選手が上手くなるための大事なポイントを解説して締めくくっている。

いかにペンの利点を活かして勝つか。
連載を通してその真髄をかなり学べた気がする。

私もペンホルダーズの一員として、日々の練習に活かしていきたいと思う。
ありがとう、見目先生。

 

こんな感じの4月号でしたが、個人的に最も楽しんだのは、「全日本の舞台に立った ローカルヒーローたち」という、痒いところに手も足も届く卓球王国ならではのマニアックなコーナーである。
こういう人たちがいるのか!? と、昨年に続き楽しませてもらった。
来年もぜひやってもらいたいなぁ、なんて思います。

 

さて、今回の全日本選手権は、張本選手の史上最年少優勝、そして伊藤選手の史上最年少三冠王と、偉大な最年少記録が2つも生まれた。

2人とも2歳から卓球を始めているが、そのくらいから始めた選手でなければ、今後この最年少記録を破ることはできないんだろうね、きっと。

私も2歳からブログを始めていたら「史上最年少卓球ブロガー」の称号を手に入れていただろうが、今となってはもう遅い。

こうなったら、史上最高齢卓球ブロガーを目指したいと思います。

 

以上、4月号でした。

 

8 件のコメント

  • トップ選手は悩み苦しみながら練習に打ち込んでいる印象があります。
    とてつもないプレッシャーの中で、楽しみながら練習するというのは、なかなかできるものではありません。
    この精神力が世界で活躍するための強みになりそうですね。

    • ラケットマンさん
      ほんとに卓球が好きなんだなぁと感心しますね。
      他の競技の選手にしても、楽しみながら練習に打ち込んでいる人はあまり見たことがないですからね。
      いま話題のカーリング女子は試合中でも楽しそうですけど 笑

  • 伊藤選手に燃え尽き症候群という概念はないのかもしれませんね。
    私も何事も楽しみながらやりたいものです。
    仕事が大変な時期は、ついつい弱音やグチが出ちゃいます 笑

    • すんさん
      伊藤選手は世界チャンピオンになっても燃え尽きないんでしょうね 笑
      仕事がキツイ時に楽しめれば人生楽になりそうですねw
      私も燃え尽き症候群にならないように、楽しみながら最年長卓球ブロガーを目指したいと思います(笑)

  • ワールドカップを観てたら伊藤選手の脚がムキムキになってましたね。
    かつてあんなに下半身が発達した女子選手がいましたでしょうか。
    筋トレも楽しんでやられてるんでしょうね。

    裏面は最近は自分もテンション系にしました。
    YouTubeのノムケンさんに感化されました。
    ヤフオクで新品が2000円で出てたので大量に仕入れました。
    パワーは乗りますが粘着ラバーの安定感も捨てがたいです。

    • つぐさん
      伊藤選手は着実にフィジカルが進化してましたねぇ。
      フットワークがかなりレベルアップしているように感じました。
      脚はじっくり見てませんが、なんとムキムキになってましたか!?
      ハードなウェイトトレーニングも伊藤選手なら笑いながらやっているかもしれませんね。
      私は1日数十回の腕立ても、面倒くさくなって半年でやめましたが(悲)

      裏面はやはりテンション系が打ちやすいと思います。
      確かに粘着でいやらしいボールを繰り出すのも面白そうですが。
      私はレガリスレッドを相変わらず使い続けているので、そろそろ他のラバーにチャレンジしなきゃと思ってます(^-^)

  • 伊藤選手のコメントが色々ぶっ刺さりますね…笑 今まさに「自分の卓球に変化を付けたい」って理由で表ソフトへの転向を考えてるので余計に…笑

    • Kさん
      お、なるほど、表ユーザーだけでなく、表ソフトを試そうかと考えている人にも影響が及ぶのですね。
      今後、伊藤選手の影響で表ソフトに変更する人が続出するかもしれませんね。
      ペンの裏面に表ソフトを貼る選手が出てきでもらいたいものです。
      Kさんもぜひ、こちらの世界へいらっしゃいませ。お待ちしております(笑)カモ~ン。

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