卓球王国を読む 2019年1月号

 

今月号も、ページの隙間から指突っ込んで、一文字残らずガタガタ言わせてやりました。

 

 

表紙からもわかる通り、今月号の目玉は「Tリーグ」の特集である。
改めて卓球新時代の幕が開いたんだなぁとしみじみ感じさせられたんだけれど、その特集のあとに続く、『福原愛さん、「現役にひと区切り」』と題された福原愛ちゃんの記事が個人的にはグッとくるものがあった。

 

というのも、私はずっと愛ちゃんのファンだったからである。

1980年代に入ってからというもの、卓球のイメージは実にネガティブなものとなり、世間にはネクラなスポーツという印象がすっかり定着し、卓球人は何も悪いことをしていないにもかかわらず肩身の狭い思いをしていた。

卓球をやっているというだけで合コンではモテず、お見合いでは不利になり、学校内では競歩をやっている友達と「どちらがマイナーか」で殴り合いの喧嘩になるなど、まさに暗黒の時代であった。

そんな時代に登場した救世主が愛ちゃんなのである。

天才少女・少年と騒がれた人はいずれ消えてしまう人が多いけれど、愛ちゃんは各カテゴリーの全国タイトルを総なめにして、全日本チャンピオンとなり、五輪メダリストにまでなった。

愛ちゃんのおかけで卓球のイメージは激変し、卓球人は胸を張って卓球人であることを主張できるようになった。

若者は合コンで卓球部であったことを自慢し、サラリーマンは忘年会の出し物でシャドープレーを披露し、学生たちは「どちらがメジャーか」でバスケ部と張り合えるまでになった。

すべて愛ちゃんのおかげである。

卓球協会は卓球界の国民栄誉賞的なものを作って、愛ちゃんに授与してほしいものである。

おそらく今後も、愛ちゃん以上の卓球人は現れないだろう。
ミスター卓球・荻村伊智朗さんと肩を並べる偉大な卓球人であると言っても過言ではない。

私は愛ちゃんは東京五輪までには復帰するだろうと思っていた。
日本代表は無理でも、せめてTリーグで活躍してくれるんじゃないかと密かに期待していたんだけれど、それが叶うことなく引退となってしまったことが残念で仕方がない。

しかし記事によると「引退」という言葉をブログや会見では使っていないらしく、とりあえず「選手としての立場をひと区切り」というニュアンスのようである。

てことは今後、もしかするともしかするのでは? と期待せずにはいられない・・。

まあ選手としての復帰はないとしても、卓球人・福原愛の今後には大いに期待したいところである。
日本代表の監督になるとか、荻村さんのように国際卓球連盟の会長になるとか・・。

あるいは低年齢化する卓球界において、元祖英才教育キッズである愛ちゃんであれば、7歳以下の選手限定の「福原愛・キッズエリートアカデミー」を創設し、次世代の選手を育てる、なんてこともできるのではないかしら。

でも個人的に最も期待したいのはTリーグの監督である。
今のところひいきチームのない私だけれど、愛ちゃんが監督になれば間違いなくそのチームに肩入れするだろう。

とまあ、いろいろ書いたけれども、いま言いたいことはとりあえず、「愛ちゃん、ありがとう!」これだけである。

マニアック座談会

今月号には、渋谷のイベントで私も生でガン見した、サムソノフ&スッチ両選手のインタビュー記事や、丹羽孝希×吉田雅己×町飛鳥の鼎談(3人で語ること)など読みどころはいろいろある中で、ひときわ独特な芳ばしい香りを漂わせていたのは、卓球コラムニスト・伊東条太さんが担当したコチラの企画↓

地獄か天国か。なぜ彼らは「ペン粒道」を選んだのか
〈ペン粒〉
ピンプル座談会

卓球界の裏の一大勢力であるペン粒業界に住まう人たちを集めて、『粒高』に対する熱い思いを語り合ってもらうという、マニアック極まりない座談会である。

メンバーは、タクティブの府中店店長・小島渡さん、テレビディレクターの馬渕賀生さん、王国編集部の高部大幹さん、の3名。

内容は詳しく書かないけれど、ペン粒になった経緯や、ペン粒で得したこと損したこと、ペン粒の戦い方など、熱いペン粒談義が交わされている。

面白いのは、3人とも「運動神経が悪い」という共通点があること。

小島さんが最初に、「もともと僕は運動神経がすごく悪くてですね……」と言うと、すかさず馬渕さんが「っていうか、ペン粒で運動神経いい人なんているんですか?」「だってそうでしょう。運動神経のいい奴が、いったいどんな理由があったらペン粒やるんですか」とぶちかます。

高部さんも運動はからっきしだったそうだが、「運動神経が悪いからペン粒」というのは、ひと昔前の野球界における「太っているからキャッチャー」という決まり事(別に決まり事ではないが)と似ている。

あるいはバンドを組むときに「ベースがいないからお前やってよ」と言われてしまう悲しみにも通じるものがある。

話を聞いていると、裏街道を歩いている人たち特有の切なさがひしひしと伝わってくるが、そんなものを全て吹き飛ばすかのような、高部さんの言葉が印象的であった。

高部 得したことですか? それはもう、どう考えてもペン粒くらい面白いものはないんで、それ自体が特ですよ。ペン粒って言ってもツブ高だけ使うわけじゃなくて、裏ソフトも使えるわけですし。選択肢がものすごく多くてそこが面白いんです。

ペン粒界にいる人たちは、愛ちゃんのような女神がペン粒界に現れることなんて望んではいないのだろうと思う。
「ほっといてくれよ、勝手にやるから」と、その背中が語っているようで、なんだかカッチョよい。

それぞれのプライドとコンプレックスがばちばちに飛び交う座談会、実にシビれた。

以上、1月号でした。

 

6 件のコメント

  • はい、ペン粒楽しいです。
    四十肩が完治しても、帰って来る気はありません。
    アイドルは要りませんが、世界ランカーは欲しいですね。
    運動神経悪いから無理か!笑
    ナルコさんも四十肩になってスマッシュが打てなくなった折は、ぜひこちらの世界を覗いてみてください。

    • ペンカットさん
      やはりペン粒界、楽しい世界なんですね~。
      なるほどアイドルよりも世界ランカーですか、よくわかります。
      90年代は10位以内に2人くらいいて、観ていて楽しかったです。

      今でも粒高の誘惑と戦っておりますので、スマッシュが打てなくなったらすぐに手を出してしまいそうです 笑
      私も大概ディープな世界におりますが、そちらの世界はさらに想像を越えるような猛者がおられるのでしょうね。
      興味本位で一度覗いてみたいものです 笑

  • 愛ちゃん、本当にお疲れ様でした。特に愛ちゃんがまだ10代の頃、愛ちゃんが負けると、自分の周りの訳知り顔の連中が「愛ちゃん愛ちゃんてマスコミが騒いでるだけで実力は無い」などと口にするのを聞く度に「解ってないな」と悔しい思いをしたのですが、その悔しさを払拭してくれたのも他ならぬ愛ちゃん本人でした。個人的には、いわゆるトップクラスの選手としてプレイすることはなくても、違ったカテゴリーで試合に出てほしいなと思います。
    P4マッチや各種オープン大会に愛ちゃんが出場。なんて妄想も(笑)。更にはミックスダブルスでの対戦に備えてパートナー探し等と妄想の暴走(笑)。でも、妄想で楽しい時間が過ごせる安上がりな自分です(笑)。

    ペン粒座談会、笑いました。運動神経が悪いことを自慢するようなスポーツ選手対談等前代未聞ですよね(笑)。ペンではありませんが先日粒高の選手にボロボロにされてしまった自分は複雑な思いもありましたが、楽しい記事でした。

    • てぐすさん
      注目を浴びている選手はそれだけで嫉妬の対象になってしまうので、いろいろ言われて本人も辛い思いをしたのでしょうね。
      結果を出して外野の声をシャットアウトしてしまう愛ちゃんはアッパレとしか言いようがないですね。

      オープン大会に愛ちゃんが出場なんてことになったら最高ですね~。
      てぐすさんも私と同じく相当な妄想人ですね 笑
      応募して当選したら愛ちゃんと組んでミックスに出場できる、なんていう企画をやってほしいものです。

      ペン粒の人は味方だったら心強いですが、敵にまわすとやっかいで嫌ですね・・。
      運動神経悪いのを装って、相手が油断したとこを攻撃してるんじゃないか? なんて疑っちゃいます 笑
      対策を日頃から練っておきたいですが、ニッチゆえ練習してくれる相手がおらないという現実があります・・。

  • 先日今年最後の試合、シェイクの人に何とか勝った次の試合で、ついにペン粒の人と当たってしまいました。翻弄されまくり(苦笑)。正に地獄の責め苦。楽しく読んだ『卓球王国』のペン粒座談会が悪魔の語らいに思えて来ました(笑)。
    当然いつかは当たる時が来るとは思っていたものの、まさかこのタイミングでペン粒選手と対戦することになるとは!これは神様からの“試練”という名の素敵なプレゼント。とは思えまっせ~ん(笑)。

    • てぐすさん
      ついに当たりましたか! 悪魔のペン粒。
      ペン粒は慣れていないとカモにされちゃいますよね。
      てぐすさんが西へ東へ振り回されている姿が目に浮かびます(笑)
      このタイミングで当たるのは、まさに神の試練で間違いないでしょう。
      「ペン粒を攻略する」という試練を乗り越えた先にご褒美があるよ、というメッセージなのではないかと・・。

      私は先日、卓球を再開して初めてペン粒の人と練習しましたが、私は学生時代にペン粒とやりこんでいたのでうまく対応できました。
      やはり慣れが大事ですね、ペン粒は。
      リベンジ期待してます!

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