卓球レポートを読む 2017年7月号

 

今月号は徹夜で読みふけりました。

今回はまず、当然のように「世界卓球2017デュッセルドルフの速報」から始まる。

これにはあまりページを割かず、さらっと結果を載せている感じ。

 

そんな7月号でまず注目したい記事がコチラ。

ヨーロッパチャンピオンズリーグ
2016/2017 ファイナル

5月に行われた、ヨーロッパのクラブチームの頂点を決めるECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)の決勝戦。

ボル様率いるドイツの古豪ボルシア・デュッセルドルフと、水谷隼選手の所属するロシアのオレンブルクの対決は、第1戦・第2戦を連勝し、オレンブルクが2年ぶりの欧州王者となった。

この記事は、そんなECLの決勝戦の様子を振り返るとともに、水谷選手がオレンブルクやチームメートについて語っている。

中でも印象的だったのは、水谷選手とチームメートのオフチャロフ選手との関係性だ。

小学生の頃からの付き合いだという2人の関係は、単なる同世代のチームメート以上の特別なものなのだという。

オフチャロフは次のように語る。

「今では、一緒に練習することもよくありますが、1本1本お互いにとても熱くなっています。世界のトップ10にいる、年齢も近い二人が一緒に練習をするということは、とても刺激になりますし、お互いを高め合うことにもつながっていると思います。このような環境はなかなか得られませんし、私たち二人が同じチームでプレーすることは、日本やドイツの卓球界にとってもプラスになるのではないでしょうか」

「また、多くのトッププレーヤーは他の選手に対して、技術的なアドバイスや相手が強くなるヒントを与えるようなことをしません。隼と私の場合はそこが違っていて、『この技術を試してみたらどうか?』『こうしたらもっとよくなるのでは?』などとオープンに話し合っています。これを続けていくことが、もしかしたら中国に対抗するチャンスになるのではないかとも思っています」

 

水谷選手もこのように語っている。

「オフチャロフはバックハンドがうまいので、彼のプレーを見て参考にすることもありますが、それだけでなく、オフチャロフは僕にとても具体的なアドバイスをくれます。今日もチキータをした後の戻りが遅いとか、バック側の遠いボールを打つときは左足で踏み込むと強いボールが打てるなど、参考になるアドバイスをくれました。
僕とオフチャロフはライバルであり、友人です。今は同じチームにいますから、僕もチームのために強くなりたいし、オフチャロフにも強くなってもらいたい」

 

盟友同士の切磋琢磨が中国打倒のカギとなるかもしれないという視点は実に興味深い。

外国人選手と日本選手が「練習」という部分でもっと協力できるような環境になれば、各国のレベルが上がり、中国を脅かす選手が育ちやすくなるのかもしれない。

国やクラブチームの垣根を越えて合同練習の機会を増やす、なんてことができるようになれば面白いかもしれませんね。

 

苦手なミドルを克服

そして、今月号の目玉企画がコチラ。

岸川聖也 監修
ラリーを制するミドル処理

こちらの企画は、ラリー戦に抜群の強さを誇る岸川聖也選手が、いろいろなケースにおけるミドル処理のポイントを、トップ選手たちの実践での連続写真をもとに解説する、という内容。

岸川選手が、ミドルに来たボールをフォアハンドドライブするときのポイントとしてまず挙げているのが「打球するスペース(空間)」をつくること。

フォアハンドドライブは右足から左足への重心移動を使ってスイングすることが基本ですが、このケースでは右足に重心をかけてバックスイングすることができないので、重心移動を使えません。とはいえ、腕だけのスイングでは、打球に威力が出ない上に安定もしません。
そこで、このケースでは腰の回転を使ってスイングすることがポイントになります。準備で右に大きくひねった腰をもとに戻す(左にひねる)勢いで鋭くスイングしましょう。

 

不意にミドルを突かれると、とっさに腕だけで打っちゃうんだよねぇ……「腰を大きくひねる」これが大事なんですな。

またもう1つのポイントとして挙げているのは「左足の動き」である。

ミドルに来たボールに対して足を動かす時間の余裕がないときは、右で述べたように、腰を右に大きくひねって準備することがポイントですが、時間の余裕がないとはいえ、足を全く動かさずに腰をひねると、体のバランスが崩れやすく、思うようにスイングできません。
腰をスムーズにひねるためには、「左足をバック側に小さく素早く動かす」ことを意識してください。そうすると、スタンス(足の構え)が広がり、腰を瞬間的に大きくひねっても体のバランスを保つことができます。
左足をバック側に動かすときは、左足だけを動かそうとするのではなく、右足で床を押す力を使うことがポイントです。そうすると、左足を素早くバック側に動かすことができるでしょう。

 

これらのポイントを基本として「ミドルに来たツッツキに対するフォアハンドドライブ」「台上処理した後、ミドルに来た攻撃に対するカウンタードライブ」「ミドルに来たチャンスボールに対するフォアハンドドライブ」のポイントを分かりやすく解説している。

ミドル処理が苦手な人は多いと思うが、岸川選手が教えてくれるポイントの数々は、弱点克服の大きなヒントになること間違いなしである。

以上、7月月号でした。

 

6 件のコメント

  • お互いを刺激しあえる人が身近にいるって素晴らしいことですよね!しかも小学校から・・・
    今月も張継科の特集面白かったですよね!!
    コーチとの絆が深いですよね!

    • シェーク裏裏野郎さん
      ライバルであり親友であるというのはどのスポーツでも名ドラマが生まれますよね!
      しかも外国人同士のそういう関係はより素敵に見えますね 笑
      張継科特集、面白かったですね!
      コーチと選手の結び付きも必ず名ドラマがありますね。
      担当コーチ同士のライバル関係というのもあるでしょうし、やはり教え子が活躍すると格別なものがあるのでしょうww

  • 世界トップ5,6位が盟友でしかもオープンにアドバイスもしあえる仲とは知りませんでした。そこまでいくと殆ど漫画の世界ですね(笑)
    そんなに関わりが深いなら、水谷選手とオフチャロフ選手の国際ダブルスが見てみたいです(笑)

    • 卓球主義さん
      確かに漫画ですね(笑)
      キャプテン翼的なw
      「水谷選手とオフチャロフ選手の国際ダブルス」これいいですねぇ。
      出し惜しみをせずに教え合うことでお互いを高める2人なら、練習時間さえあれば凄いダブルスになりそうですね!

  • カットマンの弱点=ミドルみたいな感じなので
    カットマン用のも解説されてるかなぁ〜と思ったんですけど
    流石に載ってませんでした…とは言え空間を作るというのは
    非常に参考になりました
    そう言えば中国一軍の選手達がボイコットしているようですよ
    驚きです

    • しんこうしんこうさん
      カットマンのミドル処理は載ってませんでしたが、空間を作るという意味ではカットも攻撃も同じなのかもしれませんね。
      「戦型別のミドル処理」という企画があればおもしろそうです。
      中国一軍選手たちがボイコット!?
      そ、そりゃまたいったい……。

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