卓球レポートを読む 2018年3月号

 

3月号は休刊直前ということもあり、いつも以上にじっくり味わいながら読み倒しました。

 

 

今月号の目玉は、全日本選手権大会特集である。

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【カラー報道】
平成29年度全日本卓球選手権大会
【カラーインタビュー】
張本智和インタビュー
【カラー連続写真】
全日本で光ったプレー

 

絶対王者を倒した怪物

これまで張本選手のインタビューは何度か読んだことがあるが、インタビューを受ける度に中学生のあどけなさは薄れ、未来のスターを感じさせる風格が増していた。
それは今回も感じたが、もう完全に中学生の初々しいインタビューのそれではなく、全日本王者としての圧倒的な自信と風格が紙面からヒシヒシと伝わって来るかのような内容であった。

とにかくもう、自信がみなぎっているのである。

全日本選手権の決勝戦では、水谷選手を相手に、台から下がった中陣からでも互角以上の打ち合いを見せた張本選手だが、そのことについては、次のように語っている。

「ドライブを打ち合っても、水谷さんのボールにそれほど威力を感じませんでした」と張本は振り返る。
「普段のアカデミーの練習で、中国人コーチが打つボールがえぐいので、自然と対応できたんだと思います。実戦と違って、練習ではいろんな回転をかけたボールを思い切って出せますから、すごいボールが来るんです。そんなボールを打ってきたから、水谷さんとのラリーにも対処できたんだと思います」

どれだけえぐいボールなんだろうね。
1度でいいから体験してみたいものですな。

そんな張本選手の練習は、量より質を重視しているようで、トップ選手としては練習時間が短いことでも知られている。
なぜこれほど短い練習時間でここまで強くなれるのだろうかと、私はいつも不思議に思っていたが、その秘密はどうやら、練習に取り組む並々ならぬ姿勢にあるようだ。

なぜ、ここまで急成長できたのかーー。
写真撮影に入る直前、そんなストレートな質問をぶつけると、張本は即答した。
「毎日死ぬ気で練習してきたからだと思います」
一年前の全日本のジュニア男子で負けた悔しさが、その力になったという。
「二度と同じ思いはしたくないと思いました。死ぬ気で練習していると、自分が成長していくのがわかる。練習は裏切らないことを学ぶこともできました」

 

100年に1人の才能が「毎日死ぬ気で練習」するんだから、そりゃ強くなりますわね。

14歳にして日本中のトップ選手たちから「追われる立場」となった張本選手であるが、世界レベルで見れば、中国選手を「追う立場」である。

しかし、これからもその圧倒的な才能を、日々の死ぬ気の努力で磨いていけば、中国選手の背中を捉えるのは時間の問題かもしれない。

 

新時代のバックハンドドライブ

「全日本で光ったプレー」では、6人の選手(男女3人ずつ)のプレーを取り上げているが、その中でやはり注目すべきは張本選手の革新的な技術である。

張本選手の最大の武器はバックハンドであるが、凄いのは、「前陣で強烈な連続バックハンドドライブが打てる」という点である。

そのポイントは「小さな準備からダイナミックに振り抜く」こと。

 

「威力を出すためにはバックスイングを大きく取る」という、これまでの常識を覆すようなスイング。

このように小さな準備から強烈なバックハンドドライブが打てると、時間の余裕がない前陣でも攻撃ができ、さらに相手からするとコースが読みにくい、というメリットもある。

まさに新時代のまったく新しい打法と言っても過言ではない。

こうした革新的な武器を引っ提げて、世界でどれほどの暴れっぷりを見せてくれるのか。
卓球界の若きエポックメイカーに、ますます注目である。

 

今月号はこんな感じである。

いよいよ来月号で休刊となってしまう卓球レポート。
本当に寂しい限りなんだけれども、同時に、どんな最終号になるのか非常に楽しみでもある。

2016年に40年間の連載を終了した『こち亀』の最終巻である200巻は、400Pの大ボリュームに加え、キャラクターブックのおまけが付いたり、表紙がキラキラ光っていたりなど、最終巻ならではのコーナーや仕掛けがいくつもあって、ファンを大いに喜ばせたらしいが、卓レポはいかに?

いつもとあまり変わらない構成にするのか、お祭り騒ぎのような内容となるのか。

どのような内容になるにしても、とにかく楽しみである。

以上、3月号でした。

 

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