松平健太/丹羽孝希ペアが、準々決勝で北朝鮮ペアを4-0のストレートで破って、メダル獲得を決めました。
次は中国ペアとの対戦だが、2人にはこれまで中国ペアに何度か勝っている実績がある。
この調子で戦えば勝てる可能性は十分にある。
昨日は松平・丹羽ペアのメダル獲得に沸いた日本卓球界であるが、実はもうひと組の日本人ペアの試合がとてつもなく凄かったのですよ、皆さん!
森薗政崇/大島祐哉ペアが準々決勝で、世界ランク2位と3位の中国最強・許昕/張継科ペアと対戦し、フルセットジュースの大接戦の末、惜しくも敗れてしまったのですよ。
最終ゲームは7ー5で日本ペアがリード。一度は追い付かれながら10ー8でマッチポイントを握り、場内は騒然。ここで大島のストップレシーブを、張継科が冷静にダブルストップ。試合後、この場面を振り返った森薗は「もう一回ストップするべきだった。許シンが中陣でぼくのフリックを待っていたから、フリックしても狙われていた。相手の位置を見きれなかったのが敗因です」と振り返った。10ー9で森薗のフリックがネットにかかり、10ー10。ここから再び日本ペアが、マッチポイントを奪うことはできなかった。
「これまで支えてきてくれた人たちに結果という形で恩返しがしたかった。すごい悔しいです」。ミックスゾーンで目を赤くはらして語った森薗。一方、大島は「こういうチャンスを活かせるよう、これから精神面も技術面ももっと鍛えないといけない。10ー8の場面では、ぼくは森薗くんにすべてを託してストップしたので、森薗くんがミスしたとしても悔いはない」とパートナーをかばった。
(卓球王国WEB より)
この2人を倒していれば、金メダルも夢ではなかっただけに本当に悔しい敗戦だ。
しかし、森薗と大島はペアを結成して1年も経っていないという。
そのコンビ歴の短さでここまでのダブルスペアに仕上がっているということは、今後益々コンビネーション力を高めていけば、次回の世界卓球、あるいはリオ五輪でのメダル獲得も大いに期待できるというものだ。
さて、ダブルスでの活躍に期待のかかる丹羽孝希であるが、シングルスでもベスト16に入り、こちらもメダルを狙って大いに暴れまくってくれるだろうとワクワクする。
そんな丹羽のこれまでの試合の中で、私は個人的に2回戦が面白かった。
というのも、丹羽の対戦相手の戦型が、あの「ペン表」だったからだ。
相手選手はポーランドのワン・ツォンイー(31歳・世界ランク72位)
ペン表なら、どこの国の誰であろうと無条件で応援してしまう性分の私は、ワン選手を見た瞬間嬉しくなった。
「世界卓球でペン表の試合が観られる!」と。
もちろん日本人との試合なので、この試合は丹羽選手を応援しましたよ。
ただ、レベルが高くて面白いペン表の卓球をするワン・ツォンイーという選手をこの機会にぜひ皆さんに紹介したいと思ったのです。
その動画がコチラ↓(丹羽とワン・ツォンイーの試合は1:19:07あたりから)
ワン・ツォンイーは中国の帰化選手で、裏面に裏ソフトを貼っている、生粋の中国式ペンホルダースタイルである。
けれど、裏面打法は主に下回転ボールに対して使っており、ラリーでは表ソフトのショートを使う。
裏面打法の先駆者、劉国梁(中国代表総監督)と同じスタイルだね。
世界一早いとも言われる丹羽の卓球だが、ワン・ツォンイーの、コンパクトにパチンと弾く表ソフトならではの速攻攻撃もなかなかのものだ。
そして、このワン・ツォンイーさん、ロビングボールをスマッシュする時だけ、ラケットをシェイクに持ち替えるというトリッキーな技をかましていた。
体全体を使って叩きつけてスマッシュを打っていたが、シェイクの持ち方にした方が力を込めて打ちやすいということなのだろう。
これに関しては、ペンファンとしては少し悲しくなってしまう(ペンのまま打ってよ!)。
さらに、ワン・ツォンイーについて調べていると、こんな動画を発見した。
2012ロンドン五輪のシングルス2回戦、ワン・ツォンイーVS何志文。
なんとペン表同士の対決なのだ。
イリオモテヤマネコVSトキ、くらい珍しい対決だ。
しかもこのスペイン代表の何志文(帰化選手。元中国代表)の年齢、50歳くらいなんだって!
とはいえ、かなりハイレベルな戦いなんですよこれが。
今大会、丹羽から2セット奪った実力者ワン・ツォンイー相手に、フルセットジュースで何志文が勝っちゃうんです。
ワン・ツォンイーの、対丹羽、対何志文の試合、なかなか面白いんで、お暇な時にでも観てくださいませ。
ほとんどいなくなってしまったペン表ソフトという戦型。
今時の小学生は見たことがないという子がいるかもしれない。
もし何志文が、今の小学生女子の隣のコートで試合をしていたら、ひょっとしてこんなことになるかも、
女の子 「キャー!」
大人 「どうした?」
女の子 「このおじさんの戦型、変なんです」
大人 「なんだ君は」
何志文 「なんだチミはってか? そうです、私が変な戦型です。変な戦型、だから変な戦型、変な戦型、だから変な戦型・・・だっふんだ!」
まあ、さすがにこんなことはないだろうが、もっとペン表選手が増えないと、近い将来こうなってしまう可能性はある(ねえよ)。
というわけで、ペン表選手の繁殖を願いつつ、本日はここまで。
ではまた!
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