『めざせ!2020年のオリンピアン 選「卓球11歳天才とエース水谷が真剣ラリー」』


NHKの『めざせ!2020年のオリンピアン 選「卓球11歳天才とエース水谷が真剣ラリー」』(2月1日17:30 – 18:00 再放送)を見た。
 
この番組は、2020年の東京五輪に向けた、新感覚のスポーツ番組で、5年後の夢舞台をめざす、各地の中学・高校生など若手アスリートの逸材を紹介、その成長を応援するという内容。
 
今回は、卓球界不動のエース水谷隼と、次世代のエース候補の天才小学生張本智和(11歳)が真剣勝負のラリーをし、世界で戦うための技を伝授するというものだった。
 
張本の小学校での様子が映されていたが、グラウンドで友達とキックベースに興じる張本は、どこにでもいる普通の小学生といった感じだった。
算数の授業中には、誰が一番早く計算プリントを終わらせられるかを友達と競っていて(問題を解いた人から先生のところへプリントを持って行く)、勝利した張本が「よっしゃー」と本気で嬉しそうにしていた場面では、張本の負けず嫌いな性格がよくあらわれていた。
 
張本の1日の練習時間は3~4時間で、指導するのは中国出身の元選手の両親(母親は元中国代表)だ。
張本が初めてラケットを持ったのはなんと1歳の時で、2歳の時にはラリーが続けられるようになっていたという。
 
この年齢でフォアもバックも自在に使いこなす張本。
苦手な技術は?と取材スタッフに問われ「・・・・・」と答えられず。小学生にして隙がないということか!
張本は仙台生まれの仙台育ちだが、小さい頃から本場の中国卓球を教え込まれているわけだから、強くなるのも頷ける。
 
昨年の全日本選手権大会のホープスの部で優勝した張本は、全国大会5連覇という男子では史上初めての快挙を達成。今後どこまで記録が伸びるか楽しみである。

 

番組の冒頭で男子日本代表の倉嶋監督は「張本は水谷に匹敵するか、もしくはそれ以上かもしれない」と、その逸材ぶりを語っていたが、張本は卓球界では“怪物”と称されている。

野球の江川や松坂、大相撲の逸ノ城、ボクシングの井上尚弥など、他のスポーツでは“怪物”と呼ばれる選手はいるが、卓球で“怪物”と言われた選手はほとんどいないのではないだろうか。
 
そんな日本を背負っていくであろう宝の元を訪れた水谷はその理由を「小学校 中学校で学ぶことが、将来に一番役に立つと思うので、将来のチームメイトを応援する気持ちで少しでも役に立ちたいと思ってます」と話す。
 
練習場に突然やって来た水谷を、お手本のようなキレイな二度見で確認する張本が子供らしくて可愛かった。

暫く張本の練習を見ていた水谷は「自分が11歳の時と比べると格段に強いですね」「バックハンドがスムーズにできている。僕はバックハンドほんとにできなかったんで」と舌を巻いた。
 
水谷は張本に声をかけ打ち合うことに。
激しいラリーの応酬。次々と決まる水谷の強烈なレシーブエース。

実際に打ち合った中で、水谷は張本のサービスの種類の少なさを指摘。
サービスの種類が少ないと試合をしていく中で相手に読まれてしまうので、あと2、3種類のサービスを身につけた方がいいとアドバイス。
 
水谷は20種類のサービスを持っており、世界一の種類と言われているサービスの名手だ。
翌日の練習で水谷は、張本の持っていない逆回転サービスや、張本の得意サービスの肘の使い方など、“サービスの極意”を教えた。
 
最後に、水谷を追い越したいと決意を述べた張本に対し水谷は、「ここまで来るのに辛い思い出とか経験がたくさんあったから、楽ではないよ。ほんとにいろんな覚悟がいるし。逆に言えばそういう覚悟があるのなら、俺を超すことはできると思う」とメッセージを送った。

 

6年後は水谷と張本が日本代表のチームメイトになる可能性は高いが、間違いなくその前に、張本が中学生のうちに世界卓球の代表に選ばれ、共に世界で戦うことになるだろう。
楽しみ過ぎる。
 
今はまだあどけない“怪物くん”だが、このまま順調に成長し、泣く子も黙る世界の“怪物”として、20年の東京五輪で大暴れしてもらいたい。


新編集怪物くん 20 (藤子不二雄Aランド Vol. 26)
藤子 不二雄A
復刊ドットコム
2010-04-01

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