卓球レポートを読む 2016年5月号

今月号の卓球レポートも、むしゃぶりつくように読みました。
 
 
今月号の目玉は、日本が銀メダルを獲得した世界卓球2016クアラルンプール大会を振り返る特集。
 
まずはこちら。
 
【カラーインタビュー】
倉嶋洋介日本男子監督インタビュー
村上恭和日本女子監督インタビュー
 
男女日本代表の監督が、銀メダルを獲得するまでの背景や感想、リオオリンピックに向けての課題やこれからの日本卓球界などについて語っている。

 

特に、それぞれの監督がどのような考えを持って大会に臨んだのかという“普段は見えない部分”についての話が興味深かった。
 
男子代表の倉嶋監督は、ベンチでは応援に徹しようと思っていたと語る。
 
   今大会、私はベンチでは応援に徹しようと思っていました。選手たちはそれぞれの所属先ではエース格で、ベンチを盛り上げるのが得意な選手たちとはいえません。ですから、私は冷静に試合を見つつも、自分が先頭に立って応援してチームを盛り上げるつもりでした。
   選手が全力で応援すると、少なからず体力を消耗してしまいます。ですから、手のひらが腫れるほど手を叩いたり、声が枯れるほど応援することは、選手たちには求めませんでした。それに、グループリーグからベンチが全力で応援しなければ勝てないようでは、とても優勝はできないでしょう。そうした考えもあって、選手たちには「俺たちは決勝まで行くチームなんだから、予選から全力で応援する必要はない。それよりも大事なところに体力を温存しておこう」と伝えました。もちろん、勝負がかかった場面では自然と選手たちも立ち上がって応援していました。
 
また、女子代表の村上監督は、これまでの経験を踏まえて、選手全員が安心して試合に臨める方法を取ったという。
 

    初戦、2戦目、3戦目までの出場メンバーを事前に選手に伝えて、全員が安心して試合に臨めるようにしました。試合に出場する日を伝えることで、個々の選手がピークに持っていく日が分かり、相手に対するイメージをつくることができます。これまで世界卓球やオリンピックを指揮してきた経験から、自分がどの試合に出場するかを早めに伝えた方が選手にとってありがたいということがわかっていましたし、母体コーチも準備しやすいと感じていたので、今大会も同様にしました。3戦目の北朝鮮戦までは出場する選手を決めていて、その試合の勝敗を受けて、4戦目、5戦目のオーダーを決めようと思っていました。

 
こうした裏の事情を知ることによって、今後試合を観るときにより楽しめるようになるのではないかと思います。
 
 
そして、続いてはこちら。
 
【カラー技術特集】
連続写真で見る世界卓球のプレー
 
クアラルンプール大会でトップ選手たちが見せた技術を、連続写真で紹介するコーナーである。
日本、中国、イングランド、韓国、香港、台湾、ドイツの代表選手(計13人)が取り上げられている。
 
写真ありきのコーナなので引用が難しいのですが、馬龍のページから一部(ストップからのフォアハンドドライブについて)を抜粋してみます。
 近年の馬龍は、ほかのトップ選手に比べると台上に来たボールに対してチキータをあまり使わず、ストップを多用する。この傾向は、男子シングルで優勝した昨年の世界選手権蘇州大会から顕著だった。
   チキータを使って、どう転ぶか分からない高速ラリーに身をさらすよりも、ストップして相手にチキータやフリックで仕掛けさせ、それを狙う方が自分の強みを生かせる。これが、馬龍がチキータを控え、ストップを多用する理由の一つだ。打ち合いに絶対の自信を持つ馬龍だからこそ採用できる戦術だといえるだろう。

そしてこれがクアラルンプール大会の馬龍↓


こんな感じで、ここに掲載されているそれぞれの選手の今大会の試合動画を観ながらこの特集を読むと、より一層勉強になるのではないでしょうか。

 

ということで、本日は以上です。

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