世界ジュニアが終了した翌日に、1日かけて一気に主な試合を観まくった。
今年は張本くんを始め、ミウミマに早田ひな選手といった日本の男女トップ選手は軒並み欠場していたにもかかわらず、実に面白かった。
まず中国女子の圧倒的な強さといったらなかった。
私が「女樊振東」と名付けている、孫穎莎。そして丁寧のようなパワフルファイターになるだろうと思われる長身の王曼昱(ラバーガールのボケの人に似ている)。
この2人はモンスター級だが、さらにもう1人の銭天一というサウスポー選手もとてつもなく強かった。
彼女の特徴は何と言ってもその名前であろう。おそらく両親が「天下を取ってたくさんお金を稼いでほしい」という願いを込めて付けたのであろうと思われるが、名は体を表すというので、今後の天下取りレースに一気に躍り出て、日本にとっての難敵になることは間違いないだろう。
テレ東の世界卓球ではアナウンサーは中国選手を日本語読みするけれど、彼女のことはやっぱり「ゼニ選手」と呼ぶのであろうか。ちょっと気になる。
・衝撃の新星・孫穎莎はミウちゃんのコピー選手から女子版樊振東へ
そして男子シングルスでは、世界ジュニア初のペン選手のチャンピオンが誕生した。
ちょっと前に当ブログでも取り上げた薛飛である。
何が凄いって、ごっつい身体から繰り出される両ハンドパワードライブの威力がえげつなくて、ちょっと前に見たときより明らかにレベルアップしていると感じた。
特にフォアハンドドライブの威力はひょっとしたら世界一ではないかと思うほど凄い。
今大会ではエントリーした全種目を制覇し、4冠を達成したわけであるが、許昕の後を引き継ぐペン選手として、次世代の中国代表入りを大いに期待したいところである。
※ちなみに、薛飛のフェイスが人気若手俳優・新田真剣佑(千葉真一の息子)に似ていると感じるんだけれど、私だけだろうか——。
そして、今大会で最も楽しませてくれたのが、スウェーデンのモアガルドである。
3回戦で日本のエース・木造選手を破り、準々決勝で中国の徐海東をストレートでぶっ飛ばし、準決勝では中国の牛冠凱を激闘の末に破り、まさかの決勝進出。
モアガルドのプレーはとにかく多彩で変幻自在。
異常なまでに早い打球点でのカウンタードライブ、後陣から打たれたパワードライブを台上で2バウンドするくらいのビタ止めブロック、ミートでの強打、巧みなコース取り(特にフォアストレートへのカウンター)、ラリー中ふいにかましてくるカット、など。
しかし何より驚いたのがバックプッシュである。
張本くんなんかも時おり見せる技であるが、モアガルドはたまに使うのではなく、バックのメイン技術と言えるほどプッシュしまくるのである。
もちろん普通のバックハンドドライブもうまく、プッシュとドライブを使い分けながら怒涛のごとく攻めまくるから相手選手もタジタジ。
回転量の多い球を受け慣れている中国選手には、ナックル気味に飛んでくるプッシュは効果的なのだろう。日本選手が中国選手を攻略するヒントがここに隠されているのかもしれない。
さて、そんなモアガルドであるが、卓球王国WEBの情報によると、モアガルドのグリップは「非常に浅い独特のグリップ」であるらしい。
そこで思い出すのはスウェーデンの大先輩である元世界チャンピオンのヨルゲン・パーソンである。
パーソンも独特の浅いグリップで強烈なバックハンドスマッシュやカーブドライブを駆使していた選手であるが、モアガルドのグリップはひょっとするとパーソンのアドバイスによってそうなったのか? なんて思った。真相はわからないが、ちょっと気になる。
「パーソンのグリップに関する過去記事」
・強烈なバックハンドを生み出す「浅いグリップ」
それにしてもモアガルドくん、まだ15歳ってんだから将来が楽しみで仕方がない。
顔もちょっとジャスティン・ビーバーに似ていて、人気が出そうな雰囲気を持っている。
これからもジャスティン・ビーバーの言動のような、予測不能でトリッキーなプレーで世界的プレーヤーになってもらいたいものである。
以上、モアガルドのグリップ並みに浅い考察でお届けしました。
準決勝 牛冠凱vsモアガルド
スウェーデンから面白い選手出てきましたね~
中国がコピーするには難しいんじゃないかと思うくらい独特なタッチやフォームで見てて面白いです笑
将来的にスウェーデンのみならずヨーロッパを代表する選手になるんじゃないかとワクワクします!
リンさん
シェーク裏裏というオーソドックスな戦型なのにこれほど独創的で面白いなんてたまりませんねぇ。
大事に大事に育ててほしいと願うばかりだけれど、どこで練習するかも重要。
LMCあたりで修行したらさらに伸びていくような気がします。
早く世界卓球で活躍する姿が見たい!
裏裏でミート打ち主体はかなり感覚が
発達してないと出来ませんよね…
まさにスウェーデンの感覚卓球って感じです笑
全中の手塚君といい今回の彼といい
ミート打ちを使う選手が活躍するのは
戦型が画一的でなくて面白いです
中国とは真反対とも言えるプレースタイルですが
だからこそ、卓球のプレースタイルの多様さを
見せつけて欲しいです笑笑
しんこうしんこうさん
ひらめきの凄さでいうと、ワルドナー的な流れを汲んでいる天才と言えるかもしれませんね。
中国選手相手に中国的な卓球を他の国の選手がやっても勝つのは難しいでしょうから、ミート打ちを多用するとか、独自のプレースタイルが必要になるような気がします。
観ている側としても面白いですし、卓球界に風穴を開けるくらいの活躍を期待したいですね!
張本選手との対決が見たいですね!
ラケットマンさん
同い年の天才対決、世界卓球やオリンピックの舞台で見たいですね!
どちらのプッシュに軍配が上がるのか、楽しみです。
薛飛選手は個人的にはどこからでも裏面ドライブが打てるのがいいなーと思ってます。最終的に王皓のフォア強化版みたいになったら面白そう。
Kさん
前でも後ろからでも裏面攻撃できる幅の広さが凄いですよね。 まさに王皓並の使い手です。
そしてそこに王皓以上のフォアドライブが加われば、モンスターになるかもしれません。
どこまで裏面の精度を上げていけるかにかかってますね。
チキータもまだまだ上手くなりそうですし。