先日、卓log会メンバーに紹介してもらった、とある練習会に参加して、初対面の方3人と練習した。
最後の1時間くらいぶっ通しでゲーム練習をしたんだけれど、私は入れるだけのツッツキを多用するという体たらくで、攻撃的なツッツキというものがぜんぜんできなかった。
星野源もビックリの「突き恥」をさらしてしまったわけなんだけれど、もちろんツッツキをやること自体は決して恥ではなく、攻撃的なツッツキができなかった自分を恥じているわけである。
私は以前から当ブログにて「サイドスピンツッツキ」はペン最大の利点であり、これを積極的に使っていくべしと何度も言っておって、にもかかわらずゲームになるとなかなか出せないというポンコツぶりに、「このツッツキ青二才が」と自分を罵倒してやりたい気持ちでいっぱいなわけだ。
攻撃的なツッツキと言えば「ブチ切れツッツキ」もそうだけれど、これもなかなかゲームになると安定して入らないので、やるのをためらってしまう技術であって、これも突き恥道まっしぐらの要因の1つとなっている。
攻撃的ツッツキの安定性を求めて
~右足前か左足前か~
ふと、以前当ブログに「ツッツキ名人の大関行江」という選手がいたとのコメントがあったなと思い出し、なにかヒントになるのではと検索してみると、卓レポ.comの「作戦あれこれ」第29回 短いツッツキの修得という記事の中で、元世界チャンピオンの長谷川信彦さんが、ツッツキの際の足の運びに関してこんなことを書いていた。
最近の中・高校生の試合を見ていると正確な足の運びをしていないように思う。たとえばミドルら辺に来るバックのツッツキのとき、またはからだから少し左側に来るサービスやツッツキをツッツキで返す場合、左足を前に踏み込んで返す人が多い。果たして、そのような取り方で威力のあるツッツキが返せるだろうか。私は疑問に思ったので、一流選手の試合の連続写真を調べてみた。そしたら、バーミンガム大会でシングルスに優勝した河野選手も、女子の朴英順選手(朝鮮)も、ベンクソン選手(スウェーデン)も、一流の選手はほとんど右足前でツッツいている。左足前で取っているのもあったがそれは、バックサイドに短く出されたサービスと、逆をつかれて間に合わないときであって、あとはほとんど右足前。ツッツキの名手大関選手もほとんど右足前に構えてツッツいている。
(卓球レポート1977年9月号に掲載された記事です)
そして長谷川さんは、右足前でツッツキをするメリットとデメリットをこう解説する。
メリット:腰が入るので威力のあるボールが出るし、ねらったところへ返しやすいし、変化に強い。また、戻りやすく次の攻撃の構えが早く取れる。その上リズムが狂わない。
デメリット:左足前の場合はその反対である。とくに、変化に弱い、球威がないために打たれやすいしレシーブミスが多い。
これですわこれ。
実は私、バックサイドのツッツキは全部「左足前」で打球しておるのです。
ていうか、それが一般的とさえ思っていた。だって右足前でツッツいたら次球をフォアで攻撃するのが遅れるでないの。
しかし動画で確認してみると、トップ選手はほとんどのツッツキを右足前でやっているではないか。伊藤美誠ちゃんも劉詩雯も、ツッツキがうまいと言われるオフチャロフもそうだし、ストップに定評のあるボルや水谷選手も基本的には左足前(サウスポーだからね)である。
つまり右足前(利き足前)の方が力を伝えやすく、威力のある(切れた)ツッツキができ、かつ安定性も高まるってことなんだろう。そしてストップも右足前の方がやりやすいし、そこからチキータへ切り替えるのもスムーズ。
左足前でツッツいている
私の突き恥の原因はこれなのかもしれない。
そんでこれは、レシーブにも言えること。
私はレシーブが苦手なんだけれど、回転がわからない時に恐る恐るタッチしてレシーブミス、ってのが実に多く、じゃあ回転がわからないのならブチ切れツッツキで返してやれと思ってエイヤッとやるんだけれど、これもさっぱり安定せず、ネットにかけたりオーバーミスしたり。
長谷川さんが左足前のデメリットを「とくに変化に弱い」と言っているように、レシーブのツッツキこそ右足前でやるべきものなのかもしれない。特に左回転のサイドスピンツッツキ(逆チキータ的な)は、かなりやりやすそうであることが想像できる。
考えてみればカットマンもバックは右足前でツッツいたりカットしたりするわけで、左足前だとブチ切ったり変化させたりも難しいのだろう。
まあ、そんなわけで、身体に染み付いた「左足前ツッツキ」の習性を、いまさら変えるのは至難の業だけれど、せめてレシーブの時は右足前を意識してやってみようかと思う。
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・ペン最大の利点はサイドスピンツッツキにあり
今左足前のツッツキを素振りしてみましたが、左足が前に出ると相対的に右手が後ろに下がって球から離れてしまってやりづらい… 攻撃的なツッツキを打つには早い打点で捉える必要があるので、右手が下がるのはマズい気がします。
Kさん
私もいま改めて左足前と右足前の素振りで確認しましたが、なるほど確かに自然と右手が下がった状態になりますね。
ゆえに、「攻撃的なツッツキで最も大事な打球点が落ちる可能性がある」これが私のツッツキ(特にレシーブ)が安定しない大きな要因なのかもしれませんね。
右足前で早い打球点を捉えられるようになったら安定しそうだ。早く試したくてウズウズしてきました 笑
ツッツキは基本的には右足前。
この事は卓球教室で教えてもらったりして知っていたのですが、私は前に踏み込んだ右足が戻らなくて苦労しています。
最近私は相手のミドルに長く切れたツッツキを送って(表だからそれほど切れませんが)相手がドライブで持ち上げたところを上から叩きつけるようにカウンタースマッシュ、というのを狙っています。
ところがツッツキで踏み込んだ右足が前に残ってしまってカウンタースマッシュを不十分な体勢で打つことが多いです。
こねるようなスイングになって回転に負けてオーバーばかり。
ツッツキが入るかどうか見てしまってその間動きが止まっている、右足を深く踏み込みすぎ、踏み込んだ反動を使って戻っていない、等々戻れない原因はいろいろと指摘されるのですが、一度身に付いた習慣はなかなか治らないものですね。
ちなみにツッツキ合戦だと右足が前に残っていてもやれてしまうので(というかその方がやり易いかも)悪い癖はこれで付いてしまったものかも知れません。
ベーゴマさん
お、やはり右足前ですか。
昔の選手は右足前のイメージがありましたが、今の卓球も基本的には右足前なんですねぇ。
ベーゴマさんは踏み込んだ右足が戻らないとのことで、まさに「次球への対応が遅れるんじゃないか」という、私が持っている右足前ツッツキの不安がそれです。
どこまで右足を踏み込むかというのは難しいですが、右足前でカウンタースマッシュを打てるように練習するのもありかもしれませんね。
トップ選手も右足前でそのままカウンターしてたりもしますから、どうしても戻らないのであれば右足前スマッシュは有効かと。
私も卓球を始めた頃にツッツキ合戦をよくやっていたので左足前が癖になったんだと思います。
アルコール依存脱却セミナーみたいに、卓球版の「悪い癖脱却セミナー」みたいなのがあればいいのですが(笑)
なるほど!僕もツッツキに苦手意識がありまして、特にレシーブではなかなか安定して返せません。格上相手だとそれが顕著に現れてしまいます。
考えると短いボール以外は基本的に左足前で突いてます。
左足前が当たり前だと思って疑わなかったけど、なるほど。練習で右足前を意識してみます。
それにしても「突き恥」のネーミング、秀逸です。
エルモさん
わわ、まさに私と同じではないですかっ。
ということは他にもまだまだいそうですね、左足前同志が 笑
ぜひ右足前を試してみてください。私も早く試したくてウズウズしております。
ネーミングお誉めいただきありがとうございます。
他にもいろいろ恥を持っている私ですが「突き恥」が最も語感がいいので気に入ってます(気に入ってる場合じゃないけど 笑)。
ここで今更ながらのおことわりです。最近ナルコさんのこのブログを知ったので過去記事も自分にとっては新鮮なので、反応させていただきたいと思います。
さて、バック前の処理。自分も何も考えずに左足前だと思ってました。シャドーで右足前をやってみましたがピンと来ません。どちらの足を踏み出すかは、そもそものスタンスや立ち位置なども関わってくる部分も大きい気がしますが、機会があればスタンスも含めて試してみようと思います。新しい視点を与えていただき感謝です。ありがとうございます。
てぐすさん
おお、最近発見していただいたのですね!
卓球ブログが数多ある中での奇跡的な出会いに感謝です。
過去記事にも遠慮なく反応してください。
さてツッツキの足ですが、いつもと違う足を前にするとものすごく違和感がありますよね。
私は裏面チキータも左足前のほうがやりやすいのですが、チキータの基本は右足前が常識となってます。
常識に縛られるより「やりやすいほうを選ぶ」結局これにつきるのかなぁ、なんて思っておりますw