技術の断捨離――実践編

 

前回記事で書いた「技術の断捨離」を、とりあえずちょっこしやってみたので、今回はそのことについて。

前回記事→技術の断捨離――自分の卓球を見つめ直す絞り込み作業

 

今回の試みは、断捨離の生みの親である、やましたひでこさんの著書を紐解きながら卓球へ応用してみようというものであるが、やましたさんは、断捨離で大事なことは「今の自分」であるとおっしゃっている。

時間軸のズレを修正しよう
言うまでもなく「今を生きている」私たち。しかし、実際にきちんと〝今〟と向き合えているかは、はなはだ心許ないもの。
「これがやりたい!」という〝今〟の感情よりも、「前やったときはこうだったから」と過去の実績にすがったり、「先々困ったことになりそう」とネガティブな予測を基準にしたりなど、過去の経験にとらわれたり、失敗を恐れるあまり暗い未来しか思い描けなかったりと、〝今〟を置き去りにしがちになる。
もし心当たりがあるなら、それは自分の中で「時間軸」がズレてしまい、〝今〟を生きられなくなっている証拠なんですね。
(『断捨離流 素敵な出逢いがやってくる モノの捨て方』より)

 

つまり、過去の栄光や未来の不安にとらわれずに「現在に軸を置くことによって、今必要とするモノが選ばれる」というわけである。

 

断捨離のやり方というのもいくつかあるようだが、基本的にはまず、「いるモノ&いらないモノ」を表を使って絞り込んでいくことから始まる。

今回は『運がひらける断捨離生活のススメ』という本に掲載されている表を使ってみる。
その表というのがコチラ↓(キッチン用品を絞り込む場合)。

モノとの関係を見極める

  必需品 あると便利なモノ、でもなくても困らないモノ   嗜好品
  使う 使うかもしれない   使いたい
フライパン フードプロセッサー たこ焼き器

 

モノと向き合う、自分と向き合う

今の気持ち   モノ   理由は?
あっさりと手放せる フードプロセッサー ほとんど使わない
迷ったけど手放せる
迷ったあげく、手放せない
絶対に手放せない

 

※嗜好品というのは「必要なモノ(捨てなくてもいいモノ)」のこと。

この表を「卓球の技術」に応用してみると、私の場合こんな感じに↓

技術との関係を見極める

  必需品 あると便利な技術、でもなくても困らない技術   嗜好品
  使う 使うかもしれない   使いたい

・フォアドライブ
・ミート打ち
・ショート
・後陣からの攻撃
・YGサービス

・裏面打法

・チキータ
・表面のバックハンド

 

技術と向き合う、自分と向き合う

今の気持ち   技術   理由は?
あっさりと手放せる 裏面ドライブ 練習してもうまくならない
迷ったけど手放せる ツッツキを裏面ドライブ 表面のバックハンドの方が得意
迷ったあげく、手放せない 裏面チキータ バック系技術の弱点の克服
絶対に手放せない ツッツキをミート打ち
表面のバックハンド
ペン表の強みを活かせる

 

いざやってみると、これがなかなか面白い。

やましたさん曰く「問題は使うかもしれないけど、使わないかもしれない判断があいまいなモノ。実はこれらが家に累々と溜まっていく不用品となるからです」とのこと。
確かにここの判断が難しい。
いろいろな思いが交錯して、なかなか決断を下せないものもある。

しかし「その技術と自分との関係」をじっくり考えていると、不思議と答えが見えてくるのである。

 

サービスの絞り込み

そしてもうひとつ、卓球に応用できそうな表があったので、そちらも使ってみた。

やましたさんは、断捨離をするならまずは「ハンドバッグの中身」などの手を付けやすいモノからやることをオススメしている。
そこから、ハンドバッグの中に入っているモノをさらに絞り込んでいく方法を紹介していて、たとえば「化粧ポーチ」

ポーチに入れる化粧品を見直す作業をするための表がコチラ↓

化粧品で持っているモノ 化粧品で使っているモノ 化粧品で本当に必要なモノ
パウダーファンデーション
パウダー
リキッドファンデーション
パウダーファンデーション
パウダー
パウダーファンデーション
古くなったファンデーションなど、捨ててもいいモノが見つかるはず。書き出すことで、知らないうちに不要なモノが増えているかをチェックできる。 使っている頻度がどのくらいかを確認。
出番が少ないモノに対しては見直す。
一度最小限に絞って過ごしてみる。それで足りなかったら、補充する形で。

 

この表は、たとえば「サービスの絞り込み」などに使えるのではないかと思う。

こんな感じ↓

自分が持っているサービス 試合で使っているサービス 試合で本当に必要なサービス

・投げ上げサービス
・フォアサイドからのサービス
・巻き込みサービス
バックハンドサービス
・裏面サービス
・投げ上げサービス
・バックハンドサービス
・投げ上げサービス
・バックハンドサービス
・巻き込みサービス
古くなった技術など、捨ててもいい技術が見つかるはず。書き出すことで、知らないうちに不要な技術が増えているかをチェックできる。 使っている頻度がどのくらいかを確認。
出番が少ない技術に対しては見直す。
一度最小限に絞って過ごしてみる。それで足りなかったら、補充する形で。

 

※本当はもっと細かく分けられるんだけれど、ごちゃごちゃして見にくくなるから厳選しました。

こちらもやってみるとなかなか面白い

しかしこれ、けっこう悩むね。
どれも必要だと思えてきちゃってね……。

まあ、初めのうちは時間がかかるってもんですよ。
やましたさんも、このようにおっしゃっている。

最初のうちは必要・不要の区別がつきにくいことでしょう。もしかしたら、すべて「必要なモノ」と信じているかもしれません。
そう思い込んでしまっている、自分自身とまず向き合いましょう。
「もったいないから、捨てられない」とあなたは思っているかもしれません。しかし、本当にそうなのかどうか。
まずは今、自分の近くにあるモノを手に取ってみる。
それは大切なモノですか? いつも使っている必需品ですか? なくなったらたちまち支障が出るモノですか?
そして何より、あなたはそのモノが好きですか?
くある誤解ですが、「断捨離」はなんでもかんでも捨てなさい、と強要しているわけではありません。こうした問いかけを繰り返して「捨てるモノ」「取っておくモノ」を選択していくのです。
なんてめんどうな……と思うかもしれません。でも「断捨離」を理解して実践するうちに、スムーズに選択ができるようになるのです。
それは、モノとモノに込めた執着から自由になる瞬間。
「捨」に意識を集中して取り組めば、「断捨離」は驚くほどスムーズに行くもの
そして、執着からひとつずつ解放される気持ちよさを、なにより実感していくのです。
(『断捨離流 素敵な出逢いがやってくる モノの捨て方』より)

 

多くあるモノを絞り込み、最後に残るのはかけがえのないモノだけになる、というのが断捨離であるが、捨てるからこそ、そこにまた新しいものが入って来るわけであり、捨てずにアレンジしてもう一度活かすということにも繋がるのである。

つまり断捨離とは「モノと心の新陳代謝」なわけで、卓球に置き換えると「技術と心の新陳代謝」となる。

 

そんなわけで、断捨離は卓球にもいろいろな応用ができそうなので、今後も自分の卓球に迷いが生じたら、表を使って「自分と自分のプレースタイル」を見つめ直そうと思っとります。

皆さんが私のブログを断捨離しないようにと祈りながら、本日はここまで。

 

【おまけ】
やましたさんの断捨離本を読んで以降、毎日断捨離をやっておるので、部屋がどんどんスマートになっていっている。
やましたさんは「断捨離は1~3年はかかる」とおっしゃっておるので、コツコツやっていこうと思っている。

技術や戦術の絞り込みにも応用できる断捨離だが、部屋の中が卓球用具だらけになっていて「さすがになんとかせねば…」とお困りの用具マニアの方にも、断捨離はオススメである。

 

【関連記事】
技術の断捨離――自分の卓球を見つめ直す絞り込み作業

 

断捨離流 素敵な出逢いがやってくる モノの捨て方


運がひらける断捨離生活のススメ

 

12 件のコメント

  • 表を作ると本格的に断捨離に取り組んでいる感じがしますね。
    頭の中でこんな感じでやろうと思っても書き出したりしないとなかなか実行できないものですよね。

    ちなみに実生活においても断捨離を進めたいのですが、いくら自分のものを捨てても、空いたスペースに次々と妻の持ち物が押し寄せてきます。
    一緒に断捨離するように促しても、高かったからもったいない、いつか使うかも、思い出が詰まっている、と言い訳され、しまいにはめんどくさい、女は物欲の生き物なのよとよく分からない理論を展開し協力してくれなくなります。
    最近、私の卓球が強くなれないのはその影響もあるかも。
    …、関係ないですね。
    ついつい責任転嫁してしまいました。

    • ベーゴマさん
      表を作ると考えやすくなるのでオススメですよ。
      面倒くさいですけどやってみると思っていたより楽しい作業ですw

      実生活の断捨離ですが、家庭を持っている方は他の家族の所有物を勝手に捨てるわけにはいかないので、一筋縄ではいきませんね笑
      女性は買い物好きですし 笑
      ひょっとしたら本当にベーゴマさんの卓球にも影響しているかもしれませんね。
      いや、やっぱりそれは無関係ですかねぇ^^;

  • 表にするととても分かりやすいです!
    ありがとうございます!
    でも優柔不断な僕には分かってても難しそうです笑

    • シェーク裏裏野郎さん
      私もわりと優柔不断なんで、迷いますww
      慣れるまではあーでもないこーでもないと大変そうです(>_<)

  • 表を使うとは考えましたね
    実生活の断捨離は卓球の断捨離にもつながりそうです
    僕はまず実生活からやっていきます笑

    • しんこうしんこうさん
      表だとわかりやすいし、楽しいのでオススメですよww
      実生活の断捨離はいろいろメリットがあるので、それが卓球にも良い影響をもたらすと思います。
      ぜひチャレンジを!

  • 少し前にXiaさんが「やらない事を決めた方がいい」てな事言ったので、私は
    1.回り込み
    2.ショート
    3.ドライブ
    と決めました。
    フォアより裏面でのバックの方が得意なので、1.と2.はすぐ決まりました。ても、つい、回り込んだけど間に合わなかったという事がまま、あります。3.は不得意なのでやめようと思いましたが、最近、柳田さんのDVD見直して、下回転サーブ出したら8割型3球目はドライブと考えるというのを聞いて思い直してます。

    • はりいさん
      「やらない事を決めた方がいい」というのは、まさに断捨離に通じる考え方ですね。
      捨てるか捨てないか、悩みどころの技術についてはじっくり向き合う必要がありますね。
      一度捨てても、再び必要になったらその時に買い直すのが断捨離なので、卓球も必要になったらその時に再び練習するというやり方ができます。

      柳田さんというのは、ひょっとしてペン表の柳田さん? だとしたら私の年代のスター選手です。DVDが出てるなんて、めっちゃ観たいです ^^;

      • 元リコーの柳田さんです。wrmの「ペン表戦術ナンタラvol.1」みたいなDVDです。最初、試合形式で原さんとグッチーが解説やってます。その後は今の試合はどう考えてやってたかを柳田さんが話します。引退したてでほとんど練習してないという事で、結構ミス多いですが、柳田さんへのインタビューとか、色々ハッとする事あります。

        • はりいさん
          おお、やはりあの柳田さんですね。
          憧れの眼差しで見つめていたことを思い出します。
          柳田卓球理論、めちゃくちゃ興味をそそられますw

  • 今回の話しは実生活に置いても卓球に置いても大変参考になりました
    僕はまずは財布が絶対に必要ですね
    後は何時も持ち歩いているカバンですね
    最後にスマホでしょうか
    卓球においてはペンなのでまずはフォアハンドが上手くならないと話しにならないです
    ミート打ちメインで軽打、強打を交えたいです
    次にショートです
    こちらはサイドスピンショートだけが必須スキルです
    順横下、逆横下回転使えれば相手のコースを限定させ尚かつミスさせやすくなり尚かつ角度打ちを狙えます
    基礎ショートは要りません
    有っても試合では使いませんので
    理由はドライブが飛んで来るからです
    次にブロックです
    性質が全く異なる裏面ブロックと表面ブロックで困惑させれます
    後は出来たら裏面打ちが欲しいです
    プッシュは武器になるけどサブウェポンとして捉えています
    あくまでメインウェポンはフォアハンドです
    僕はこうなりました
    ドライブが一番欲しかったけどいざ試したらテンション裏だとコントロール不能になるわ粘着だと肩を痛めるわで向いていないと考え断念せざるを得ませんでした

    • つばきさん
      断捨離は卓球でも仕事でも家庭においても使える考え方ですよね。
      卓球においては「この技術はやれたら理想、だけどなかなかマスターできない」という技術を捨てる勇気が大事なのかもしれません。

      あれもこれもと欲張るとどれも中途半端になりますし、悩ましいところですが、理想と現実を比べながら、バンバン仕分けしていくことですよね。

      私もそろそろ、いま一度「いる技術・いらない技術」を見つめ直す時期かもしれないと思っております。
      また悩みそうだなぁ・・笑

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