卓球王国を読む 2018年6月号

 

今月号も、血まなこになって読み倒しました。

 

卓球王国 2018年 06月号 [雑誌]

 

6月号の目玉企画はコチラ

【技術特集】
張本智和の両ハンドプレー
【インタビュー】
智和の育て方とその素質

技術特集の方は、男子NTの倉嶋洋介監督が張本選手の最先端両ハンドプレーについて解説しており、こちらももちろんタメになる内容なんだけれど、ここで取り上げたいのはインタビューの方である。

インタビュアーは卓球コラムニストの伊藤条太さんというのだから、なんとも興味深いではないか。
しかも張本選手本人ではなく、両親へのがっつりインタビューというのがさらに興味をそそる。

 

父親の宇(ゆ)さんと母親の凌(リン)さんが張本選手について語るわけだが、面白いのは、張本選手の卓球との関わり方に対する2人の考え方の違いである。

凌さんは、卓球よりも学力を伸ばし、地元の東北大学に入れたいと漠然と考えていたと言い、一方の宇さんは、自分が大好きな卓球を息子にもさせたいという気持ちが強かったと言う。

凌さんは、張本選手を小学校2年生まで主に指導していたそうだが、それでも卓球より学業を優先させたかったのには、凌さん自身が、12歳の時に卓球の道と引き換えに勉強を捨てた背景があったからだという。

勉強もよくできたという凌さんが卓球の道を選び、最後は中国代表にまでなったわけであるが、私たちからはエリート街道まっしぐらに見えるその卓球人生も、凌さんにとってはそうではなかったようである。

「自分は……失敗の卓球人生なんです。世界チャンピオンになれなかったからです。世界チャンピオンになれなかった悔しさは……」
話ながら凌は泣いていた。
(中略)
「自分のその経験は智和にもう一回させたくないです。だから卓球させる考えはなかった」

日本のトップ選手にも親子鷹は多いが、世界チャンピオンになれなかった時の悔しさを知る親はいないだろう。
インタビュー中に涙を流したという凌さん。
張本選手の強さの秘密のひとつには、母親の分まで世界チャンピオンになる、という強い思いがあるのかもしれない。

卓球が好きでたまらない父親と、世界チャンピオンになれないならやる意味はないと考える母親。
2人の張本選手に対する対称的な考え方を知れる貴重なインタビューであった。

 

これから始まる卓球ライフのために

もうひとつ取り上げたい企画は、今月号からスタートした新連載。

ビギナーズTac(タック)
Vol.1 ラリーに向けて楽しく練習!

こちらは、この春から卓球を始めるビギナーのために、卓球の基本テクニックや練習をレクチャーするという内容。

監修を努めるのは、丸子橋卓球スタジオで指導するほか、ピンポンパフォーマーとしてもおなじみの新井卓将さん。

「卓球ってどんなスポーツ?」から始まり、ラケットの握り方、球つき練習、構え方、素振りのポイントなど、右も左も西も東もわからないビギナーのための充実した紙面レッスンが受けられる。

ビギナー向けではあるが、日頃ピンポンパフォーとしてトリッキーな技を披露しているたくしょー先生ならではの、ちょっとユニークな練習法も紹介されている。

例えばラケットでボールをコントロールする感覚を覚えるための球つき練習では、「あっちむいてホイ」を取り入れたバージョンなんてのがある。

(2人で向かい合って球つきをしながら、ジャンケン→あっちむいてホイ。
ボールだけでなく、相手も見ながらの上級の球つき)

こちらの企画はWebサイトと連動しており、この球つきも「ハイテク 球つき」として紹介されている。
動画→ビギナーズ Tac – 2.ハイテク 球つき

この遊び心はビギナーにとっては有効だろう。
発展系として「にらめっこや「だるまさんがころんだ」を取り入れた球つきもありかもしれない(顧問やコーチに怒られる可能性は高い)。

たくしょー先生のコーナーの後には、新入部員のための用具選びお役立ちガイド「ビギナーズGoods」もあり、用具の選び方のポイントから、ビギナー向けのおすすめラケット・おすすめラバーまで、わかりやすくまとめられている。

これを読みながら、いま自分が新入部員だったらどの用具にするかと妄想した結果、ラケットはミズノの「デネブ(中国式)」、ラバーはエクシオンの「ヴェガ イントロ)」とTSPの「ヴェンタス ベーシック」という組み合わせで、中ペン裏裏でやるのがいいかな、なんて思った。

こんな妄想にふけるのも、ビギナーから遠く離れてしまったベテラン卓球人の楽しみ方として、大いにありなのかもしれない。

 

こんな感じの6月号である。

さて、今回、張本選手の両親へのインタビューを行った伊藤条太さんであるが、もうひとつ、「伊藤条太の世界で逆も〜ション 条太、ニューヨークへ行く。」という海外ルポもあり、こちらも大いに楽しませてもらった。

ニューヨークにある卓球バー『スピン・ニューヨーク』を急遽取材することになった条太さんが、スマホを片手に突撃した卓球ルポで、最後もきっちり条太節で落として笑いを誘っているところなど、さすがであった。

会社を辞め、卓球コラムニストに専念している条太さんの活躍が目覚ましが、今後も何をやらかしてくれるのか、大いに期待したいところである。

 

以上、6月号でした。

 

2 件のコメント

  • 張本選手の活躍からすると普通の親なら満足しそうですが、泣くほど心配しているというのは驚きです。
    さすが中国の選手は意識の高さが違いますね。

    • すんさん
      リンさんの心が休まるのは張本選手が世界を獲る時なんでしょうね。
      リンさんは「あの20年間の卓球の悔しい経験は、智和のためにあったと今は思います」とも言ってます。
      このリンさんの経験が張本選手の強さを加速させているのでしょうね。

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